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残虐シーンで反日感情が爆発=映画「南京!南京!」がネット公開

2009年06月03日

 今年4月、南京大虐殺を描いた映画「南京!南京!」が公開されました。レコードチャイナによると、なんと興行収入1億元(約14億円)を超える大ヒットを記録しています。馮小剛、チャン・イーモウ、陳凱歌、寧浩に続く「1億元監督」の仲間入りだとか。

 もともと70周年になる2007年公開を目指していたそうですが、反日感情を激化させる恐れがあると当局がなかなかシナリオを認可せずここまで遅れてしまったとのこと。しかしその影響力は凄まじく、なにげに反日機運が高まっているようです。

 私の中国人の友人は「メイドインジャパン」好きで、三菱ランサーを自慢げに乗り回していたのですが、映画を見終わった後は「車をぶち壊したくなった!」とのたまわっていました。暴力シーン、慰安所のシーンなど残虐なシーンが多く、トラウマを植え付けられた中国人が多数いるとのこと。産経新聞の元中国特派員、福島香織さんは「一言でいえば、才能のある人間がプロパガンダ映画をつくれば間違いなく脅威であるということ」とコメント。

 まだ日本公開の情報は伝わっていませんが、これだけ話題になったので間違いなく公開はされるんじゃないでしょうか?

 日本語字幕なくてもいいよ、という方は捜狐でネット公開されています。まだ劇場公開も終わっていないのに、さすが中国と驚かされます。言葉がわからなくても見てみたいという方はぜひどうぞ。

 

人生の一大事!大学入試を目前に過熱するカンニング問題

2009年06月01日

 

 That's カンニング!史上最大の作戦?という映画がありました。
 「日本理科大学(東京理科大学がモデル)に通う大学生達が学生寮「シグマハウス」の生き残りを懸けて、悪徳大学教授を相手に試験で様々な方法でカンニングしていく青春ラブコメディ。」(Wikipediaより)

 今や「大人の女」のロールモデルとなった安室奈美恵にとっては忘れたい黒歴史かもしれませんが、カンニングシーンのばかばかしさだけは記憶に残っています。さて、そうしたおばかなカンニングが毎年起きているのが中国。その舞台となる大学入試、すなわち「全国高等院校招生統一考試」、通称「高考」が6月7日~9日と間もなく実施されます。

 レコードチャイナで紹介された記事だけでも、いろいろあります。

 ハイテク機器を使ったカンニングだと、
超小型イヤホンが耳に詰まってハイテクカンニングも発覚―陜西省西安市
衆人環視の中、傍若無人なカンニング―陝西省
 とか。

 試験主催者側も対策を整えています。
携帯電話が使えなくなる事件が多発、学校のカンニング対策が原因―河北省唐山市
ちょっとやりすぎ!?カンニング防止に金属探知機 ―江蘇省南京市

 ほかにも試験前に「大学に受かりやすい自治体に戸籍を移す」(中国では自治体ごとで大学合格枠が違う。大都市が有利)とか、「受験前に少数民族になる」(いわゆるアファーマティブアクションで得点プラス)といったグレーゾーンの手法から、替え玉受験といった古典的な手法までさまざまです。

 日本以上の学歴社会だけに大学入試は人生を決めるといっても過言ではない人生の一大事。それだけに必死のカンニングが試みられるのもむべなるかなといったところです。

 ここまでは毎年変わらぬお話なのですが、今年は面白い試みが。「考生誠信考試承諾書」(受験生誠実受験誓約書)という誓約書を提出させるというもの。今までだってカンニングはばれたら大変なことになったわけですから承諾書なんて意味がないように思いますが、なんと誓約を破れば档案(出身や学歴などを記した公文書)に「誓約を破った」との記載が残され、その後の就職やらなにやらに一生ついてまわることになるのだとか。

 ほとんど罪人に入れ墨を刻むかのようなノリですが、果たして効果はあるのでしょうか?

みんながあきらめたサッカー中国代表=予想外の大健闘でドイツと引き分け

2009年05月31日

 2009年5月29日、上海市でサッカーの親善試合・中国代表対ドイツ代表の試合が行われました。結果はおおかたの予想を覆す1対1の引き分け。中国代表は蒿俊閔が、ドイツ代表はポドルスキーがゴールをあげています。

 さて中国サッカーといえば、近年は泥沼の低迷状態。南アフリカワールドカップ予選では最終予選にも進出できずに敗退、開催国として迎えた北京五輪も一勝も挙げられない惨敗。ついでに本ブログでも伝えたましたが、ACLでも参加4チーム全てがグループリーグ敗退といいところなし。

 A代表監督にして五輪代表総監督であったペトロヴィッチ監督が解任された後、半年近くも新監督が決まらないという混迷ぶりでしたが、このたび高洪波監督が就任。この試合が初戦となりました。

 戦前はドイツ代表の人気が圧倒、中国代表には誰も期待していないような状態だったようです。レコードチャイナの記事では、前日練習では2000人ものファンが集まったのに、ドイツ代表に続いて中国代表の練習が始まるとみんな帰ってしまい、たったの8人しか残らなかったという「事件」があったとのこと。代表への絶望、ここに極まれり、ですね。

 さて皆々の予想を覆して、ドイツ相手に引き分けという好成績をあげただけに、メディアやブログも一気に色めきたっています。手のひら返しとはこのことですね。とはいえ真価を問われるのはこれから。6月1日に河北省秦皇島市でイランと、6月4日に天津市でサウジアラビアとの試合が予定されています。ワールドカップ最終予選を控えての調整試合だけに本気モードで来ることは間違いなし。お遊び半分のドイツ代表以上の強敵ではないでしょうか。この2試合で「いいサッカー」を見せれば、2014年ワールドカップへの光も見えてくるだけに注目です。

欲にまみれた端午節商戦=中国資本主義の成長の現れか

2009年05月30日

 2009年5月28日は中国の伝統的な祭日・端午節でした(毎年の旧暦5月5日)。2008年から国民の休日に指定されていることもあり、それなりのにぎわいを見せたようです。

 さて端午節といえばチマキを食べるのが風習。今年も激しい商戦が繰り広げられたもよう。中国メディアでは販促や値引きなどを伝えるニュースがおどりました。そのなかでちょっと毛色が違ったのは杭州網のニュース

 昨年の端午節ではチマキがばか売れし、品切れとなる店が続出したため、今年は前年比30~35%も生産を増やしたところ、15%程度の売り上げ増にとどまり、メーカーは大損してしまったとのこと。特に150元(約2100円)以上の箱詰めされた贈答用高級品の売れ行きがイマイチだったとか。

 中国で贈答品といえばやはり中秋節の月餅。燕の巣入りとか金箔入りとかむちゃな商品が次々と開発されましたが、贈答用というよりも賄賂との批判を浴び政府の規制が入りました。そのすき間を縫って登場したのが高級チマキ。レコードチャイナによると、1箱5万円のものであったとのこと。

 さてニュースでちょっと面白かったのがチマキメーカーのお話。旧正月(2月ごろ)には注文を受け付け始め、3カ月前(つまり2月末)には生産開始、1カ月前から販促を開始していたそうです。実際にチマキが売れるのは端午節の前1週間程度。日本のクリスマスケーキ商戦と変わらない構造です。日本はクリスマスのケーキ、バレンタインのチョコ、最近だと恵方巻とかいろいろイベントを作って盛り上げていますが、中国も端午節のチマキ、中秋節の月餅と頑張っています。決まった食べ物はないですが、クリスマスやヴァレンタインも相当の盛り上がりですし、欲にまみれたお祭りが乱立するさまは、立派に資本主義国となった証のように思えます。

噂のアンドロイド携帯が中国でも販売=激安スマートフォン登場に期待高まる

2009年05月29日

 ドコモがグーグル社製のOS「アンドロイド」を搭載したスマートフォン「HT-03A」の今夏発売を発表、注目を集めています。

 中国でも6月に同機種を販売することが発表されました。発表したのは携帯キャリア・中国移動ですが、中国聯通、中国電信と全キャリアから発売される見込み。定価は5000元(約6万9300円)。日本で一括購入した場合は5万円台とのことなので随分高めの設定。割引販売されることを見込んでか、それとも中国の金持ちなら高くても買うとの判断なのでしょうか。簡単に言語設定が変更可能であれば、中国人による買い占めなんて事態もあるかもしれません。

 アンドロイドで楽しみなのは中国のノンブランド機、いわゆる「山寨機」の動向。ハード的には大手ブランドに近づくレベルにまで向上した「山寨機」ですが、いかんせんOSは貧弱なのは否めなかったところ。アンドロイド採用でこの弱点が一気に解消されることになります。すでにアンドロイド搭載機も発売されているようですが、この動きが加速して激安アンドロイド携帯が氾濫するようになれば面白いのですが。

内藤大助対熊朝忠戦:中国での対戦ならば結果は逆だった―中国紙

2009年05月28日

 5月26日、 WBCフライ級タイトルマッチ・内藤大助VS熊朝忠の試合が行われました。熊選手はダウンを取るなど戦前の予想を覆す大健闘を見せました。本エントリーでは同試合に関する中国の報道をご紹介します。

 熊選手の健闘、さらには第3Rでラウンドが終了したと勘違いしコーナーに戻る熊選手に内藤選手が一撃を加えるというアクシデントもあったっため、中国メディアは盛り上がるのではないかと考えていたのですが、たいした量の記事はでていませんでした。「残念でした」と簡単にまとめている記事がほとんど。1つ気になったのは内藤選手の出血に関して。バッティングということが触れられていないようです。

 さて、そのなかで少し気になったのが中国網の記事「WBC世界戦:中国人挑戦者は日本人チャンピオンからダウンを奪うも敗北」と体壇網の「相手は倒すも暗黙の了解に破れる ベルトを逃し悔しがる熊朝忠」。

 両紙は「中国での試合だったならば勝っていた」、日本での試合では審判が日本人選手に肩入れするという「暗黙のルール」に敗れたと主張しています。その「暗黙のルール」の実例としてあげられているのが元WBA世界スーパーフライ級王者・鬼塚勝也選手。5度の防衛を達成した鬼塚選手ですが、僅差の判定勝ちが多く日本でも疑惑の判定とささやかれていました。1993年の林在新選手との対戦では2対1と審判の票が割れましたが、鬼塚選手を支持した審判2人はいずれも日本人であったため、物議をかもしました。1994年の李承九選手との試合もダウンを奪われながらの判定勝利。李承九選手は試合後、「日本でベルトを取ろうと思うならKOじゃなきゃ無理」と発言しています。その言葉通り、1994年に李炯哲選手との試合で鬼塚選手はKO負け、ベルトを失うことになります。

 鬼塚選手に関するエピソードは日本のボクシングファンにはかなり有名な話でしょうが、よくもまあ拾ってこれたものと感心するばかり。ただし今回の試合は公開採点制度(4Rと8Rの終了時に採点の途中経過を公開)が採用されていたこと、ダメージはともかくパンチの的確なヒット数では内藤選手が圧倒的に上回っていたことなど不可思議な判定ではなかったように見えましたが。。。次戦、指名試合を義務づけられた内藤選手は、あのポンサクレック選手との再戦になります。批判を払拭するような好試合を期待しています。

上海地下鉄内で女性が大胆ポールダンス=中国に広がるパフォーマンスアート

2009年05月27日

【中国の検索ワード】上海地下鉄内で女性が大胆ポールダンス サーチナ
 「上海市の地下鉄内で、赤い服を着た女性が手すりを使ってポールダンスをする映像がネット上に流れ、関心が集まっている」とのこと。

 ちょっと気になったので動画を捜しました。「红衣女子在上海地铁跳钢管舞」というタイトル。



 サーチナの記事では「近頃上海ではこのようなパフォーマンスアートが流行しており、風紀を乱すものは処罰できるよう条例を作るべきだという意見もあるようだ」と解説しています。

 パフォーマンスアート、中国語で「行為芸術」は、中国ではよく使われる単語となりました。街中でちょっと目立つことをすれば、すべてパフォーマンスアートということに。だとすれば、アキバなんかパフォーマンスアートだらけですね。

 遠藤誉の『中国動漫新人類』では、コスプレを「抑圧された中国の青少年の自己表現願望」と喝破していましたが、こうしたパフォーマンスアートも同じことなのでしょう。

 「個性化」なんて言葉も近年よく使われるようになりましたが、こちらも同じ軸線で理解することができます。日本だと「自分捜し」ブームみたいなものはもはや下火となって、今や自己実現よりサバイブといった論調をよく見かけますが、中国都市部の青年たちは今ようやく「自分捜し」をするゆとりを手に入れたということなのでしょう。

景気対策「家電進城」の経済効果は7000億円?!行政お仕着せの制度に問題も

2009年05月27日

 世界的な経済悪化から抜け出そうと中国政府は次々と対策を打ち出していますが、その1つが「家電下郷」。農村の需要を掘り起こすために、エアコンやテレビなど一部電化製品に補助金を与えるというものです。

 これに続く第二弾が発表されました。その名も「家電進城」。今度は都市部を対象としたもので、既存品と引き替えに新製品の購入に10%の補助をつけるというもの。26日付の「21世紀経済報道」によると、20億元(約277億円)の予算が計上されており、商品の購入額でその10倍の200億元(約2770億円)相当、関連サービスなども含めると、500億元(約6930億円)もの経済効果があると見込まれています。また同時にエコ製品への補助金も施行される見込みとのこと。

 一党独裁ゆえにすばやく施策が決定できるのかもしれませんが、昨年の内需刺激策54兆円といい、対策を打ち出すスピードとその宣伝の仕方には驚くばかり。少なくとも「なんかやっているぞ」と人々に思わせる効果はあるので、そのあたりの宣伝方法を日本も見習ってほしいところ。

 ただし「家電下郷」、そして類似の制度になると思われる「家電進城」には問題点も指摘されています。26日付の和訊網は「家電下郷」の問題として以下の3点を挙げています。

(1)手続きが複雑。購入後、補助金の払い戻し申請をする必要がありますが、領収書、身分証、戸籍簿、「家電下郷」対象製品の証明書などを準備する必要があり、なんども役所に通った人もいるとか。土日は役所が休みと言うこともあって、なかなか申請できないといった悩みもあるそうです。面倒臭いからいいやと結局家電購入につながらないという問題も指摘されています。

(2)販売店の利益が少ないこと。「家電下郷」対象製品は販売価格に一定の制限が課せられており、結果的に末端の販売店の利益を削ることにつながっているという。挙げられている例では550元(約7620円)の洗濯機を売って得られる利益はわずか16元(約220円)。輸送代やアフターサービスをそこからさらに引かねばならないとのことで、実質的な利益はないと販売店は悲鳴をあげています。興味深いのは「家電下郷」製品の補助金申請には領収書が必要とのこと。普段は領収書を発行せず、売り上げをごまかして脱税しているわけですが、この場合は消費者が領収書を必要とするため断ることもできず、そのための税負担もバカにならないのだとか。

(3)監視が行き届かず野放し状態に。本来ならば購入した消費者自身が補助金を申請しなければならないのですが、なかには「家電下郷」対象製品証明書をこっそり店が回収しているところもあったそうです。どういう手続きを経るかは謎ですが、どうにかして消費者に支払われるべき補助金を販売店が懐に入れていたというお話に。いろいろと問題があることは役所自身も認めているところながら、結局目が行き届かず野放し状態になっているのが現状だそうです。

 結局、行政の関与を肥大化させれば、汚職の温床となり、そしてさまざまなひずみを生み出す可能性があります。記事では専門家が価格などを規制すれば、メーカーが製品の品質を落とすなどして最終的に消費者に損害をもたらす可能性があると指摘、政府の関与を減らして市場のメカニズムに任せるべきと提言しています。

 さて日本でも中国を見習ってか、エコポイント導入などが取りざたされていますが、こちらも政府の関与が大きく複雑な制度になりそうな気配。中国の事例のいい部分だけを見るのではなく、問題点も見て、スマートな景気対策としてもらいたいものです。

 

WBCフライ級タイトルマッチ 内藤大助VS熊朝忠

2009年05月26日

 いやぁ、熊朝忠選手、強い!

 わたしの予想は早いラウンドで内藤選手がKO勝ちだったので本当に驚きました。というかおみそれしました。

 ボクシングの技術だけならば内藤選手のほうが数段上だったと思いますが、本当に体の芯が強いというか、打たれても打たれてもなかなか聞いてませんでしたね。飛び込んで振りまわすフックもあれだけ繰り返されると驚異的ですね。

 ただ9R以降、集中力を高めて的確にパンチを当てた内藤選手も見事でした。

 戦前はあまり盛り上がっていなかった中国メディアですが、これだけの試合になると明日以降いろいろと記事がでるのではないかと思います。こちらもウォッチして紹介したいと思います。

大ボラ詐欺師が見せた「社会の真実」=「国家情報局局長」程朝俊―中国ホットワード

2009年05月26日

中国のポータルサイトではホットワードを表示するサービスが人気です。ここではそのなかからさらに注目のホットワードを紹介します。今日ご紹介するのは「程朝俊」。

2009年5月、北京市海淀区人民法院で、「国家情報局局長」「『国情内参』(高級官僚のみが閲覧を許される機関紙)編集長」の程朝俊を被告とした裁判の判決が言い渡された。程には「北京市の戸籍を取得すると偽り金を受け取った」などの詐欺容疑で懲役10年6か月の刑が下された。

事件のあらましは以下のとおり。2007年10月、中国中央電視台(CCTV)のディレクター・王さんは「国家情報局局長」「『国情内参』編集長」を自称する程と知り合った。外地出身の王さんは北京市の戸籍取得を強く望んでおり、程にその地位を使ってどうにかできないかともちかけた。翌年4月、戸籍の件を催促した王さんに、程は手続き費用として2万4000元(約33万5000円)を要求した。

ところがいつまで待っても戸籍は取得できない。再び催促した王さんだったが、程は王さんを『国情内参』の兼務編集、諜報員として雇いたいともちかけた。その際に書かせた保証書には「国家利益はすべてに優先する。この部門の仕事のために必要であるならば、必ず国家利益のために体をささげる」との一文があった。その後は誰もが予想するところ。ある夜、王さんをホテルに呼び出した程は「テストをしなければならない。まだ結婚してもいないんだし、大丈夫だろ」とささやいて一夜を共にした。

2008年5月、四川大地震が発生した後、王さんは現地での取材を希望していたが、CCTVからは許可が下りなかった。程に相談したところ、「『国情内参』の身分で行けばいい。費用はあとで公費で清算する」と約束された。そこでカメラマンら同僚を現地を訪問、薬や食品など1万元(約13万9000円)相当を寄付した。ところが北京に帰ってみると、清算の件も戸籍の件ものらりくらりとかわすばかり。ついに業を煮やした王さんは警察に通報した。

ここまでの話を読めばだいたい誰もが想像できるだろうが、「国家情報局局長」「『国情内参』編集長」という程の身分は詐称。それどころか「国家情報局」という部局は存在していない。王さんの世間知らずもここに極まれりといったところか。「金も体もだまし取られた」と大々的に報道されているが、もともと「政府高官」という裏口を利用しようとした王さんにも責任がないとは言えない。

さらに鋭い記事を書いているのが『揚子晩報』。「ニセ「国情局局長」が真の「国情」を暴いた」との評論を掲載している。同記事によると、程が暴いた「真の国情」は以下の3点。

(1)北京市の戸籍を取得するには高額な代価が必要であること。CCTVのディレクターという職に恵まれた王さんにあっても、北京市の戸籍を取得するのは容易ではない。今や北京市の戸籍は闇市場で高額の値がついているという。ある報道では市人事局の運転手はこれまで100人に戸籍を売りさばいたとか。

(2)権力者の公費や社会資源を壟断していること。程が一言支払うと約束しただけで、公費での取材旅行が実現すると王さんは信じたわけだが、それも無理からぬところ。程が本当の局長だったならば、何の問題もなかっただろう。戸籍でも公費でも権力者の自由であり、そうした事実が詐欺師の存在を助長している。

(3)女性が自らの体を使って「賄賂」や取引材料とすること、これはもはや暗黙の了解となっている。現実の官僚でも権力を利用して女性を手に入れること、あるいは見返りを期待して女性が体を差し出すことはいくらでもある。

揚子晩報は以上3点は「真実の社会のルール」になっていると断言、不合理な制度を改革し、権力と金、性取引の土壌を消失させなければこうした事態がなくなることはないと主張している。お笑い草であり、かつゴシップのネタでしかないようなこの詐欺事件だが、確かに中国の「現在」をとらえたものだと言えるだろう。
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