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中国UFOバカ一代!東方の巨龍はサブカルでも長足の進歩

2010年08月02日

ニュース翻訳の仕事をしていると、最近、「台頭する東方の巨龍と沈みゆく日本」のような、紋切り型のネタを扱う機会が多い。が、今日、取り扱ったネタは「これは日本、やばいかも」と心底思うものだったので、ご紹介したい。

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中国の著名なUFO研究者である中国科学院紫金山天文台研究員の王思潮(ワン・スーチャオ)教授は取材に答え、「銀河系だけで25億個もの先端技術を備え た文明を持つ惑星がある。その中で我々地球人類はまだまだ遅れた存在。宇宙人が地球に来る可能性はゼロではない」との見方を示した。

王教授は来年、再来年とさらに重大なUFO目撃事件が起きると大胆に予測した。その根拠は「1、2、7」。2001年、2002年、2007年な ど西暦の末尾に「1、2、7」がつく年にはUFO事件が多いのだという。4~10月、とりわけ7月、8月が要注意だという。時間は夜10時前後に集中して いる。場所は長江以北の可能性が高いと予測している。

宇宙人が中国に襲来か?相次ぐUFOの目撃談=来年はさらなるUFOの当たり年との予想も―中国研究者

記事内容自体はいいかげんなものだが、そこはさすが羊城晩報。

わずか1か月間でUFO目撃事件は8件を数えている。その正体はなにか?ロケットか飛行機、あるいはタコではないかとの意見もあるが、説得力のある解釈は ない。あるいは本当に宇宙人が地球にきたのではないか?なぜ中国でこれほど目撃されているのか?上海万博を見に来たとでもいうのだろうか?
と茶目っ気たっぷりに笑わしてくれる。記事内容以上に気になったのは「中国の著名なUFO研究者」の肩書きで登場している王思潮教授。中国最高の研究機関である中国科学院所属というから驚きだ。

UFO研究で中国科学院研究員になれるのかよ?!と驚いたので、調べてみた。すると、

寧強炭質球粒隕石の可溶性有機質に関する初期的研究

ガンマ線非破壊検査法によって測定した寧強隕石の放射性宇宙構成物質核心要素

とか、めちゃめちゃまじめな研究もしているもよう。その一方で雑誌「飞碟探索」(UFO探索)に「中国UFO研究の策略を論ず」などを投稿していたり。まじめな研究とサブカル話の二刀流だった!

それにしても雑誌「UFO探索」なんていうのがあるとは中国恐るべし。ウェブサイトは死ぬほどひどいデザインだが、ニュースのピックアップや初心者向け解説記事などかなりコンテンツは充実。

「ジャパニメーション」でも「オタク」でも「カワイイ」でも、はたまた「クールジャパン」でもなんでもいいが、日本のソフト輸出とは、すなわち極東のガラパゴス的弧状列島で、陰々滅々と発酵させたサブカル力を海外に売り込むことにほかならない。

その意味では中国が急速にサブカル力を発展させているのは脅威以外の何者でもない。日中ともにUFO記事などは英語メディア、ブログから転載されることが多いようだが、なにせ人口の多い中国。日本語より早く中国語で読めるようになっていることも少なくない。

日本の経済産業省もサブカル競争力の危機を真摯に受け止め、日本人がより陰々滅々とサブカル力を発展できる環境の整備に尽力してもらいたい。
(Chinanews)
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