中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年08月18日
切ない光景にほだされる人は少なくないはず。自分も物乞いに金は渡さないと決めていますが、あまりにあどけない顔の子供が出てくると話は別です。
しかし、子供たちが得たお金はどこへ行くのでしょう?答えは次の写真に。
中年の女性の元へ駆け寄る子どもたち。受け取ったお金を渡します。かわいそうな子どもが一人で物乞いしているわけではなく、きっちり元締めがいて管理されているビジネスなのです。6人の女性が12人の子どもを使って稼いでいたとか。
午前4時ごろ、お勤めを終えた子供たちはやっと安宿へと帰宅。そこに突入したのが中国警察。掲示板の写真は出所が不明ですが、テレビかなんかでやった「中華版警察密着24時」なんじゃないか、と。
いわゆる「タコ部屋」。すし詰めになった子供たち。
部屋に入りきらないのか、屋上でまだスヤスヤ眠る子供たち。
子供たちも女性たちも、連行されていきます。
悲観の表情を浮かべる中年女性たちに比べ、子供たちは明るいです。たくましいというか、何だかなあ……。
押収された物乞い用の紙。
「小学生が助けを求めています。
善意あるおじさま、おばさま、お兄さん、お姉さん、こんにちは。
私は田舎から来た女のことです。ママは私を生んだ時になくなってしまいました。お父さんは障がい者で、動くこともままならないのです。おばあちゃん一人が 朝から晩まで働いて、私とお父さんを養ってくれていました。でも、おばあちゃんはもう高齢で、たくさん働くことはできません。もう他に方法がありませんで した。私はおばあちゃんと一緒にここでみなさんに生活費を恵んでもらえないかとお願いしています。
ありがとう!
あなたの人生がずっと幸福でありますように。」
「おなかがすきました。
4元(約60円)でいいから恵んでください。ご飯を食べたいのです。
ありがとう!
あなたの人生がずっと幸福でありますように!」
一番手前の紙に書かれている内容。
1枚の紙に書かれた帳簿。子どもたちが日にいくら稼いだかが記録されている。だいたい日に100(約1250円)ぐらい稼いでいるみたい。正直、普通の仕事よりもよっぽどお金になってる。
元締めの女性と押収された金。
中国に旅行したことがある人なら、誰でも物乞いを見たことはあるんじゃないでしょうか。ですが、こういう裏事情が多々あるわけですね。まあ、日本もそう変わりないみたいですが。
ただ警察に捕まっているのは子どもと中年女性だけ。その上には絶対ヤクザの元締めがいると思います。そこまでは警察の手も伸びないんでしょうか。
見るからに薄汚れた痩せた女性と、同じように汚れた5歳ぐらいの子供です。
お金持ちでにぎわう繁華街のネオンに照らされた悲しげな目に心が痛みました。
一緒の現地スタッフは「お金出したらダメですよ」と言って小生の腕を引っ張り、先を急がせました。
その母と子が本当の親子かどうかは分かりませんが、「これが社会主義国家の現実か」と、分けも無く腹が立ったことを思い出します。
保護された子供達が幸せになれることを祈ります。