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ウイグル人のがんばり?それとも巧妙な同化政策?―ブログ記事「現代ウイグル語のたくましい現在」をご紹介

2010年09月09日

中国政府による新疆ウイグル自治区の文化政策といえば、中国語教育の押しつけなど、民族文化の抹殺ではないかという話ばかりを耳にするような気がしますが、そんな悲観的なことばかりじゃないよ、単純な話じゃないよと紹介しているのがブログ「稲城向陽台起居註」の記事「現代ウイグル語のたくましい現在」。


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*ウイグル語電子辞書、PCを生産するirpanのサイト。一応、中国語と英語のページもあるのですが、ほとんど情報がないところがすごい。



ウイグル語OS搭載のPCやウイグル語で印字するレシート、さらには政府公報や広告など、むしろ以前よりもウイグル語の露出が増えているのではと感想を述べ、「2年ぶりの訪問で目を見張ったのは、「現代ウイグル語」プロダクツが以前にもまして独特の発展を遂げていることでした。発展というよりは「露出」といったほうがいいかもしれません」と驚きを露わにし、次のように記事をしめくくっています。

世間で言われているように、現代ウイグル語の置かれた状況は確かに厳しいかもしれません。しかし私見では現代ウイグル語話者が享受している現在の言語環境は、それでもウズベキスタンのウズベク人やカザフスタンのカザフ人、クルグズスタンのクルグズ人たちよりはよく整っていると思います。それはひとえに新疆の出版人やirpanのような民族資本の矜持の発露として捉えることも可能でしょうし、(違うという人も、信じたくない人も多いでしょうが)中国の少数民族政策の周到さといってさえ良いと私は思います。まあ、この点はまだまだ検証が必要でしょうが、今回の旅は現代ウイグル語のたくましさ、元気なところを確認できた旅でもありました。
私は現地を訪問したことがなく、直接の関係・体験は日本にいるウイグル人学生とのおしゃべりぐらいしかありません。そういう意味ではなかなか肌感覚で理解できていない問題なのですが、ウイグル人学生たちが持つ強い民族意識(そういう人たちだから留学を選んだという可能性もありますが)を目にするたびに、中共がどれほど巧妙な民族懐柔、統合政策を展開したとしても、そう簡単に解決する問題ではないだろうと感じました。

(Chinanews)
*記事についての情報や間違いなど教えて頂けると大変助かります!コメント欄か、メール(kinbricksnow●gmail.com、●を@に変えてください)でお願いします。





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