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スローガン大好き中国人、その理由とは?=反日デモにも通じる中国人の発想法

2010年10月25日

「中国人はなぜスローガンが好きなのか?」というテーマ、なかなかに興味深いものがあり。以下の記事では、スローガンを作る人と頭空っぽに釣られる人、事情をよく分かっているけど自分のため(保身のため?)にやはりスローガンを叫んでいる人と分けて分析していますが、なるほどなるほどと思わされたり。


Safety Propaganda / Wootang01


なにやら今回の反日デモ参加者を分析するのにも使えそうな枠組みではないでしょうか?

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中国を訪れると、街中や職場などあちらこちらでスローガンが目につく。近年では胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席が提唱した「八栄八恥」の標語やそれを独自にアレンジしたものが一世を風靡した。こうしたスローガン好きは中国人自身も気になっているようだ。2010年10月23日、鳳凰ブログのエントリー「中国人はなぜスローガンが好きなのか」はこの問題を取り上げ、注目されている。以下はその抄訳。

中国人はスローガンが好きだ。お役所、デパート、職場、戦場からマフィアまで、古代から現代にいたるまで、村にも都市にもスローガンがあふれている。なぜこれほど好きなのか。

スローガンはお役所の悪習である。中国は官僚本位の社会。スローガンは官僚が統治するための手段であり、官僚の価値観を伝える道具となっている。今でも中国の官僚は下から上までみんなスローガン作りが大好きだ。スローガンを作ることは自分の地位を証明することにもなる。

しかしそうしたスローガンの中には凡庸であったり、誤っているものも少なくない。私の街では以前「白加黒」「五加二」というスローガンが流行した。「白加黒」は白(昼間)だけではなく、黒(夜)残業しようという意味。「五加二」は月~金の5日間だけではなく、土日の2日間も働こうという意味。明らかに労働法に反していた。

文化大革命の時代にはほぼ毎日のように新たなスローガンが生まれていた。ほぼすべての中国人がスローガンを叫びながら日々を過ごしていたのだ。当時において、スローガンは使命であり、お守りであり、機械的な肉体労働であった。そういったことを分かっていないで叫んでいる人もいれば、わかっていながら叫ぶ人もいた。自分に有利に働くのならば、スローガンにのっかっておこうというのだ。「白加黒」と叫びながら居眠りし、「五加二」と叫びながら週末は子どもと出かける人がいた。

またスローガンを叫ぶことは、各人になにか意見を表明した気にもさせた。いいたいことがあるのでは?ならばスローガンを叫ぶといい。内容は他人のマネでいいのだ。そうすればなにか鬱々とした気分は晴れ、自分の価値が体現されたように思うだろう。スローガンは市民に声を発する機会を与えるのだ。

中国人のスローガン好き。それは主に官僚が自分の思想を伝え、地位をひけらかしたいことによる。官僚以外の人々は長いものには巻かれろ的に、ボスの後に叫ぶことに慣れたのだ。こうしてスローガンの数はどんどん増えていったのだ。

*上記記事はレコードチャイナの許可を得て転載したものです。


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<過去記事>
<尖閣問題>四川大地震当時、中国人を感動させた「もう一つの日本人」はどこに消えた?―中国紙

「愛国心に燃える」中国人はどれだけいるのか?―山谷剛史の「中国IT小話」 をご紹介

中国の新たな目標は「包容的成長」か=胡錦涛主席が提唱―中国誌

<ウルムチ騒乱>皇帝とポピュリズム=現代中国の政治文化

不審死きっかけに数万人参加の暴動発生=あらわになった公権力への不信感―湖北省石首市

 コメント一覧 (4)

    • 1. shin-chan
    • 2010年10月25日 12:39
    • なるほど、当たり前のようで言いえて妙。

      人民の側からすれば、個人が主体として立ち上がるのを避けつつ(そのことで生じる責任を引き受けるのを避けつつ)、何事かを言った、何事かをなした気になれ、官僚の側からすれば、個人が自分の頭で物を考えはじめるまえに、吐き出すべき饅頭をその口の中につっこんでやればいい。

      とすると、スローガンというのは、党・官僚と人民との典型的な癒着のツールということになる。う~ん。

      いつも、楽しませてもらってます。ありがとう。
    • 2. Chinanews
    • 2010年10月25日 18:02
    • >Shin-chanさん
      コメントどうもです。
      やはり大勢に流されつつも、自分はなにかをやった気になるというのは阿Q的ですね。で、それをお上もわかってやっているというのがなんとも。
    • 3. chongov
    • 2010年10月25日 23:42
    • スローガンの国——中国。

      私は自分の祖国が大好き、
      でも祖国のスローガンが大嫌い。
      うぜぇぇぇぇぇ!
    • 4. Chinanews
    • 2010年10月25日 23:53
    • > Chongovさん
      中国の方でしたか。中国の政治的なスローガンはうざすぎますね。
      中でも、八栄八辱は出来が悪かったと思うのですが、いかがでしょうか?
      習近平時代に、どういうスローガンがあるのかもちょっと楽しみにしていますw

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