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今年は食料インフレに要注意=南半球の洪水が世界に与える影響―インドネシア情報

2011年01月15日

南半球で続く洪水被害 食糧インフレの目


Hopton Flooding Norfolk / .Martin.

※イメージ。

ご存知の様に南半球で洪水被害が続いています。これは間違いなく、食糧インフレの目になりますのでご注意下さい。

先日、ジャカルタSoho近所は物凄い突風に見舞われて、玄関先の雨よけ用のトタン部分が思いっきり剥がれてしまいました。こういう時は比較的近い場所で、竜巻が発生していることがあります。被害の規模は竜巻の大きさにもよるのですが、インドネシアでは死亡者が出ないレベルの竜巻は結構発生しています。ジャカルタ郊外でも発生しますし、ジャワ島だとジョグジャカルタから3時間程車を走らせたプルバリンガという場所は良く被害が出ています。

*当記事はブログ「インドネシア情報局」の許可を得て転載したものです。

先日は強風が大木を数十本なぎ倒し、2名ほど死亡者が出ているような記事も「じゃかるた新聞」で見かけました。日本同様、インドネシアは島国ですので、島から島へ向かう途中の飛行機が海上で消息不明になり、海で発生したサイクロンに巻き込まれたことが原因と断定されることもあります。

現在は現地にいないので詳しい状況は分かりませんが、天候不順により、野菜の高騰、特にチャベ(唐辛子)の価格の高騰はインドネシア情報局で既に綴ったように酷いようです。まだ雨季も続くのと、今年は大雨が予想されているので、大過なく済めばいいなと心から思っています。詳しく調べている余裕もないので、インドネシアでも既にあちこちが洪水被害に見舞われている可能性も高いですが、今後も要注意です。

日本でも既に報道されているように、オーストラリア、ブラジル、そして今度はスリランカも大洪水で被害が拡大しているようです。南半球全域というと大げさな言い方になりますが、そう言っても過言ではないほど、南半球エリアは洪水に見舞われています。

スリランカ豪雨で100万人被災、津波以来最悪(CNN、2011年1月14日)

スリランカ北部と中部で豪雨による洪水が発生し、100万人以上が被災している。政府は2004年に同国を襲った津波以来、最悪の自然災害と認定した。

災害対策当局によると、豪雨による死者は少なくとも23人、負傷者は36人に上った。政府と国連機関は人道物資の供給態勢を強化している。

国連によると、同国の主食であるコメの耕作地にも被害が広がっており、農業、インフラ、住宅への影響は長期に及ぶ見通し。政府によれば、これまでに150万ドル相当を復興支援に充て、2万8000人以上の兵士を動員して救助作業や食料の配給に当たらせている。

しかし支援団体関係者によれば、河川の氾濫、ダムの決壊、道路の水没などで被災地入りが難しい状況だという。

オーストラリア第3都市のブリスベンを襲った大洪水は、過去最悪の規模になると予想され、現時点でも農作物と鉱物資源の値上がりは避けられないと報道されています。小麦の値段が上がると、日本でもパンやうどんの価格が値上げをせざるを得ないかもしれません。

段々とインフレになってくると思いますが、昨年ブログに書いたように、経済と政治が最悪の状況の中で、食糧インフレが発生することになります。食糧のインフレが怖いのは、消費者は価格の上がったものを避けるので、別の食糧の価格まで上昇することです。

オーストラリアでは既に3億6400万ドルの保険金請求があるそうで、今回の洪水による保健会社の負担は過去最大級の10億ドルレベルの請求になると試算されています。

世界各国で金融恐慌を防ぐため、想像できないほどの金を各国は投入しましたが、懲りない金融村に天の肘鉄といった感が拭えません。これからババ抜きが本格化するかもしれません。ただしその金が新興国にバブルをもたらす可能性はあります。私の予想に反して、市場は世界のあちこちで軋みをあげながらも、もちこたえてしまう可能性もあるかもしれません。

農業国といっても過言ではないブラジルでも、400名以上が死亡しています。そしてスリランカの米の耕作地にも被害。先日、食事中に観ていたニュースでは「日本のイチゴ農家の惨状」を映し出していました。ヨーロッパおよび米国の東海岸の大寒波が与える影響も懸念されます。昨年はあちこちで火山が爆発し、大気に舞う灰の影響も出てくるかもしれません。考えられる要因は様々ですが、やはり太陽活動が益々活発化することから、ここ数年は驚くような天変地異が世界中で続くと考えられます。

金のバラマキで株高なのに大不況。各国の財政大赤字に食糧インフレ。米国債は下がってきているのに日本では一部の人しか深刻さを語らない不気味さ。そちらは別の機会に綴りますが、2011年は日本にいてもインドネシアにいても、食糧・食品の値段は要注意です。
(執筆者・MASAKI)

*当記事はブログ「インドネシア情報局」の許可を得て転載したものです。




<過去記事>
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 コメント一覧 (2)

    • 1. 泣いて和食を斬る
    • 2011年01月15日 22:47
    • 一昔前なら、屋台でチャーハンを頼むと2500~3000ルピアで食べれた。まぁ高くても4000ルピアで済んでいた。知人の話だと、今はジャカルタで7000ルピア程。低等級のお米も二キロで二万ルピア。

      相当上がっている印象ですね。
    • 2. Chinanews
    • 2011年01月16日 21:50
    • >泣いて和食を斬る
      まだまだ安いとはいえ、すごい値上がりですね……。TPPも問題となる中、今後の世界の食糧需給がどうなるのか、ちょっと心配です。

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