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中国では古典のパロディは御法度=日本の超絶改変文化をどう見ている?―中国オタ事情

2011年02月06日

中国における「古典や歴史や偉人ネタの作品」について考える中国オタク達

中国では社会的に名作古典のパロディを許さないといった風潮があり、自国の古典コンテンツの活用に苦しんでいるようなところがありますが、古典作品に限らず歴史や歴史上の人物などについても日本に比べるとかなり「厳しい」空気があります。


諸葛八卦村/Zhuge Eight Diagrams Village/诸葛八卦村 / kanegen


「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」では、中国では古典の改変やパロディをやるのが難しいということを何度か紹介させていただきましたが、ありがたいことにそのことに関して「中国オタク達はどう感じているのか?」と言う質問をいただいております。そんな訳で、今回はその辺について一つやらせていただきます。

*当記事は1月14日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。

それでは以下、中国のソッチ系の掲示板で見かけたやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。

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日本のアニメや漫画では自国の歴史上の人物や古典作品を翻案してしまうことが多いが、あれかなりトンデモナイよな。ウチの国だと考えられないようなレベルの改変が多い。


歴史ネタの改変は難しいからね。歴史系のテレビドラマでさえ文句が出るんだから、パロディ要素の入った内容だとまず無理だろ。


台湾の蔡志忠の作品のラインがギリギリじゃないか?彼の作品は中国本土でもOKなの多いし。


日本では中国でよくある「専門家の先生方」の批判が出ないの?それが毎回不思議でしょうがない。


日本でも歴史系作品に対する批判は少なくないらしいよ。NHKの歴史大河ドラマは毎年批判が出るらしい。ただ、大多数の視聴者は娯楽として受けれている。


ウチの国のそっち方面の人間に忍耐力が無いだけじゃない?ネタを娯楽と割り切ったり、スルーしたりできないのが多いんだと思う。


「ギャグマンガ日和」の聖徳太子ネタとか、面白いんだけど見ているこっちが心配になる。あのレベルのはやっぱ無理だよなぁ。


一応中国でも歴史関係のパロディを楽しむことのできる人間は多いと思うけど、批判の「根拠」になり易いし、あえて描く人間が少ないんだろうね。規制や批判を受け易いのが分かっているなら別のジャンルで描くよな。


私は「最遊記」が好きなんだが、ああいった調子で古典をうまくアレンジした作品が中国でも出ないもんだろうか。


ウチの国で歴史ネタに対する扱いが厳しいのは、過去には歴史をネタにした政府批判とかあったから、そっちの方を心配しているってのもあるんじゃないか?政治関係については「何も起こらない」というのが大事だから。


俺は子供の頃から明代をネタに妄想とかしてきたし、周りでも歴史ネタの妄想してるやつ結構いるよ。ネット小説でも明や清の時代をネタにしたタイムスリップや時代改変といった類の作品が少なくないから需要はあると思うんだけどね。


あまり極端な改変っていうのもちょっと勘弁して欲しいね。俺は「一騎当千」辺りが許容の限界。


「一騎当千」は確かに作品としてはあれだが、冷静に考えてみると「三国演義」も本来の史書に対してかなり大きな翻案をしている。まぁ主要人物が女になっておっぱいやパンツが乱れ舞うなんてことはやっていないが。


日本の作品では「戦国BASARA」のパロディとか結構ヒドイと思う。こっちのオタクにとっては外国の歴史だし、そんなに詳しいわけではないから普通に楽しめているけど、あれ日本で歴史に詳しい人からしたら怒る人いるんじゃない?


でも、「戦国BASARA」の伊達政宗なんかは宮城県が公認しているらしいぞ……
私も「戦国BASARA」の伊達政宗は良いキャラだとは思うけど、ホントにいいの?


「ギャグマンガ日和」の聖徳太子ネタを孔子とかに入れ替えてみると分かり易いよ。もしそれでウチの国のテレビで放映しようとしたらどうなるやら……


パロディに対する許容と言うか寛容さについては個人差があるのは間違いないけど、社会的な寛容さってのはやはり国や文化によるものなんじゃないか?国や文化ごとに、各ジャンルのパロディに関する許容の範囲は異なっている。日本では宗教や歴史関係に対するパロディは寛容だけど、天皇関係のパロディはダメだ。逆に英国なんかは国王や女王へのパロディが寛容だけど、他の分野に関しては厳しい所も多い。ウチの国は歴史を重視しすぎてる社会になっているから、歴史ネタのパロディが難しいんじゃないかな。


しかしそれにしたって、ウチの国のパロディへの耐性の低さはどうかと思う。中国ではパロディ系の作品に対してしょっちゅう規制が入るが、それを肯定してスルーしちゃうウチの国の多くの庶民もちょっとどうかと思う。規制を強化しすぎたからこうなってしまったのか、元からパロディへの耐性が低かったから規制を許容する状態になってしまったのか、最近考えてしまうよ。


悪質な翻案やパロディが増えると中国文化の伝統も歪むから、俺は悪質なパロディが出ない方が良いと思ってる。偉人の女体化とか気持ち悪すぎるだろ。


ウチの国が古典の改変に厳しいのは確かだね。しかしさすがに毛沢東×周恩来のBL本出すのはどうかと思う。極端から極端に走っているのがなぁ……


葉剣英×陶鋳、蒋介石×張学良なんつーのもあったらしいな。ホントかどうかは分からんが、何か政治関係の偉人をネタにした本を作った学生が人肉捜索されて学校まで電凸されたなんてことがあったとか。


ウチの国の一般的な感覚でBLは当然ダメだろうが、やはりその手の話の沸点が低いという傾向はあると思うよ。オタクの間でさえしょっちゅうもめてる。ヘタリアとかのジョーク系のネタでもしょっちゅう炎上してるし。


「ムダヅモ無き改革」のノリとか絶対無理だよね。見る人間がみんなネタだと割り切ってくれるわけじゃない。


大陸でやるのは無理だろ。まぁ台湾の「馬皇降臨」なんかはぶっ飛んでるし、あと「鉄拳無敵孫中山」なんて作品もあるし、中華系が全部パロディダメってわけじゃないんだろうけど。
(訳注:「馬皇降臨」は台湾の政治や選挙ネタを武侠っぽいノリなどでパロディにした漫画、「鉄拳無敵孫中山」は台湾のネットや同人で盛り上がった孫文を中心に清朝末期の革命を武侠パロディにした作品……といった所でしょうか)
台湾のブログで「馬皇降臨」の一部内容を紹介しています。中国語を読めなくても絵を見ているだけでちょっと面白いかも。最後の温家宝改め温佳宝がお気に入り。:Chinanews注)


俺は「恋姫無双」は嫌いじゃないんだけどね。あれ女体化以外の部分はかなり原作に対して誠実。「一騎当千」は原作をいじって宿命どうのこうでのバトル物にしてるから、個人的には受け入れられない。


実際、「恋姫無双」はいいと思うよ。故事や設定にかなり忠実。
アニメ版は萌え作品になっちゃってるから誤解されてるみたいだけどね。あと世界設定なんかはかなり面白い。あの作品の「外史」という設定を知ったとき、その汎用性に驚いたよ。

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とまぁ、こんな感じで。やはり中国本土では古典や歴史、偉人関係のネタはめんどくさいジャンルになっているようですね。

中国オタクの間でも、そのままなぞるならともかく、独自の解釈やアレンジを入れた作品をやるのは難しいと思っているのが結構いるようです。

ただ、ネット小説や前回の記事で紹介させていただいたコスプレ劇など、ジャンルによっては古典や歴史関係でも翻案や改変OKな事例も見て取れますし、全てがダメで受け入れられないというわけではないんでしょうね。

しかし全体的に見るとやはり厳しい所があるようですし、小説やテレビ、映画といった露出が多く、ある程度の伝統が出来ているメディアではめんどくさい所があるようです。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

*当記事は1月14日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。


真・恋姫(たんけんふ)無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~ (3) (角川コミックス・エース 261-3)

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