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74パーセントの国民が自国政府側の責任と認識=タイ・カンボジア交戦―タイ・ニュース

2011年02月10日

自ら窮地に落ちて行くカシット外交

2月10日のニュースは再び、カオプラヴィハーン遺跡を巡ってタイ・カンボジア両軍の間でにらみ合いが継続されている話題の続報から。9日現在両軍共に軍事力を国境沿いに増強しつつありますが、この一両日中、4日の衝突発生以来始めて戦闘の無い状態が続いています。

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Bangkok Post紙の報道。

しかしながら未だ両国間で停戦合意がなされている訳では無く、依然として予断を許さない状況です。現在インドネシアのマルティ外相(写真左)がASEANとして和平調停に動いていますが、タイのカシット外相はカンボジア側の対応を非難するのみで、調停合意の目処はたっていません。

*当記事はブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。



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ネーオナー紙の報道。

ちなみにこのカシット外相(上写真右)はPAD(黄服)が空港を占拠した時のPAD幹部で、外相就任後に「空港占拠は楽しかった」と発言した人物です。この週末に、カンボジアとASEAN諸国の説得に応じて14日にNYで開かれる安保理に出席する予定ではありますが、全く国際感覚の無いこの外相。

さっそくロシアやフランスを名指しで批判し、カンボジアに関しては「わんぱく小僧」、中国に関しても違法にカンボジアに武器を売っていると出発前から自ら窮地に立とうとしています。

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ポストトゥデー紙の報道。

一方世論はどうかと言うと、バンコク大学が行ったアンケートによると、回答者1,075人の内の約74%が何らかの形でタイ政府及びPADに今回の紛争の原因があるとし、カンボジア側に責任があると答えたのがわずかに26%に留まりました。また80%以上の回答者が政府の対応に不満を持っており、約半数が軍事力ではなく、カンボジア側との交渉による解決を望んでいます。

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コムチャルック紙の報道。

思ったよりも国民の方が冷静に今回の状況を見極めていると言った感じでしょうか。いよいよPADは苦境に追い込まれ、PADを利用し続けてきたアピシット政権も苦境に追い込まれる事になりそうです。

*当記事はブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。

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