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2011年03月28日
毎年、この時期になると起きるのが、「武漢大の桜は日本軍侵略の象徴。国辱であり全部切り倒してしまえ派」と「日中友好の象徴だし、キレイだし、このままでええやんか派」のバトルだ。
武漢大学キャンパスの桜は、1938年に武漢を攻略した日本軍が慰問のために負傷者収容施設の側に植えたものだと伝えられている。また1972年の日中国交正常化の際には、田中角栄首相が送った桜の一部が武漢大に植えられた。もっとも毎年論争となるとはいえ、庶民の心の中では決着がついているように思う。毎年集まる花見客の気持ちは「キレイなんだから切り倒すことはないんじゃね?」というものではなかろうか。
今年は日本が震災の被害を受けていることもあり、侵略派対ええやんか派の戦いは例年より静かな印象だが、変わって「花見チケットの収入、横領されてるんじゃないか疑惑」「花見客押し寄せすぎで学生が勉強できないよ問題」「花見客のゴミポイ捨ては万死に値する論」などが台頭しているもよう。
「年々歳々花相似たり、歳々年々騒ぎは絶えず」ってところでしょうか。