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「横浜の放射線量ってウチの国より下なの!?」データを見て驚く中国人たち―中国オタ事情

2011年04月01日

中国人「横浜の放射線量がいまだにウチの国よりマシな件について」

余震がいまだおさまらずビクビクしながらの日々が続いている今日この頃ですが、それ以外にも原発事故による放射線や放射性物質の影響なんかが気になってしまいますよね。


fukushima explosions from air / daveeza


放射線量については国以外でも各自治体、例えば横浜市などでは放射線量などについての情報を公開しています。


横浜市内における放射線量の測定状況について(横浜市環境創造局)


ここしばらくのデータによると、3月14日は20nGy/h程度の数字だったのが、3月16日に数時間140~150nGy/hという高い数字が出ていたり、昨日(22日)今日(23日)と70nGy/h前後の数字になっていたりとかなり高めに感じられます。そんなこんなでちょっと不安になってしまうデータですよね。

*当記事は3月23日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。

さて、話は変わりますが実は中国でも3月12日から全国の放射線量のデータを公開しています。


中国環境保護部核安全管理司(中国語です)

3月22日の中国環境保護部の全国放射環境自動観測ステーションの数値(中国語ですが数字や都市名はだいたい分かるかと)


ざっと見たところでは各都市の数値は日本の震災後にも特に大きな変化は見られません。そしてこのデータをもとに「データに異常はなく、福島の原発事故はまだ我が国の環境に対して放射性の影響をもたらしていない」としていいます。

ちなみに、その変化の無い数字なのですがだいたいどこの都市もナノグレイ毎時[nGy/h]で70~80、高い所では100前後、最も高いラサなんかでは180くらいになっているようです。

つまり昨日(22日)や今日(23日)の横浜の放射線量って中国の多くの都市と同じかちょっとマシというぐらいの量のようです。

中国のネットではこのデータを見比べてみたことがちょっとした話題になってしまっている模様です。そんな訳で、以下に中国のネットで見かけたやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。

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おーい、なんでウチの国の主要都市の放射線量の数値より横浜の異常な数値の方がマシなんだよ!?


えーと、横浜は平均が20くらいで地震直後でもあまり変わらず、たまに多くなって150、ここ最近はちょっと増えて70ってところか。北京ずっと70以上かよ。


横浜は福島と距離離れているし風向きの影響もあるんだろうね。日本で被害を受けた原発に近い所は数百とかいってるしその地域が危険というのは間違いない。しかし日本の通常の放射線量どんだけ低いんだ。


東京では15日の最大値が809nGy/hになってるな。ただ平均で見ると109nGy/h。22日は雨が降って上昇して平均137nGy/h。これは確かに東京の通常値に比べて非常に高いが、ウチの国の「正常な」数字を見るとあまりヤバイ状況に思えなくなってくる。


地図で見た感じでは東京と福島の原子力発電所の距離が220kmくらいで、横浜だと250kmくらいかな?データを見比べてみると距離の差が出てるね。横浜の方が少々低くなっている。しかしウチの国は普通にこのデータの数値で安定しちゃってるっぽいのがなぁ……


ここ数年の事件をあれこれ考えてみればなんとなく納得できてしまう。ウチの国の人間は既にバイオハザード起こしてたのか。


おおい、ウチの国はこれで正常レベルなのか……?まさかウチの国では毎日放射性物質漏れみたいなことになってたりすんの?


日本に行ったら緑色の超人になっちゃったり蜘蛛の能力を持った超人になったりしちゃうかと思っていたんだが、ウチの国でも超人兵士が出てきそうだな!


ラサの数値たけぇ……下限が170以上で、所によっては260とかどうなってんだ。あの辺は海抜が高いし環境が特殊なのは知っていたがここまで数値に差が出るのか。


日本と中国の都市環境の差がこんな所で分かるとは。とりあえずこれで我が国の人間が日本人より頑丈だということが証明されたということにしておこうかな……


横浜のピーク値はたったの150nGy/hか!日本人はこんなことで騒ぐなんてひ弱だな、うん。


ここでウチの国の大型原発付近に住んでいる私が書き込みますよ、と。ウチの国で超人が生まれるのも近いんじゃないかなー


俺の住んでる南京は低いんで安心した。ただそれでも60後半か……


これ、ウチの国の政府が出している数値だよね。ってことはこれ以上悪くなることはあってもよくな(ry


ウチの国で福島から放射能が届く前にヨードを加えた塩の奪い合いが発生した理由がよく分かりました。


正直言って俺にはイマイチ分からない。だけど、専門家はいつだって俺達をバカにして、ハッキリしたことを言わない。日本の出したデータなんてどこまで信用できるやら。国内のデータにしたって紫外線かなんかだろ?


日本の発表している数値が正しくないんじゃないの?彼らの今回の情報操作からして、この数値も操作しているというのはあり得ると思う。


中国国内のデータは環境保護部の核安全管理司のものだ。放射線についてはさすがに信用していいと思うぞ。それと日本では民間まで含めて色んなところでデータ出してるし、海外メディアや専門家もきちんと日本の数字を認めている。


Googleでも放射線の数値を見ることができるね。全世界に公開している数値だから原発の内部状況とは違うだろ。


福島や茨城の事故の放射線の数値を見た後、中国国内の数値を見るととても安心できる。あっちはグラフ飛び出してるし。


こ、これは……我が国は埋蔵されている鉱物資源が豊富だということにしておこうぜ!


やっぱあれか、新疆でやった核実験か?アメリカもバンバンやってるし別にみんな気にしてなかったよね。それなのに日本の原子力発電所が壊れたくらいで世界が騒いで、ウチの国では塩の奪い合いとか……
重要な問題なのは理解できるが、なんだかなぁ。


ウチの国は火力発電所が多い上に森林が破壊されすぎてるからこういう数字になってるんじゃない?日本は水道から放射性物質が検出されているし、こっちよりも悪い状況ではあるよ。


日本の原子力発電所がもうすぐ爆発するんじゃないかと心配していたらこんなデータが出てくるとは。


放射性物質が危険なのは知っている。しかし、ウチの国の石炭混じりのホコリとかいうやつの放射線量はそれを上回っているのかもしれんな。

――――――――――――――――――――――――――――


とまぁ、こんな感じで。日本の原発事故については中国でも情報が錯綜していてかなり混乱しているようですが、そんな中で予想外の方向から出てきた情報にかなり戸惑い気味なようでした。

そういえば、私は新疆名産の哈密瓜が好物で中国滞在時にかなり食べてたんですよね……ラサほどではないのですが、ウルムチのデータも結構高いみたいです。

福島の原発は現在も予断を許さない状況が続いていますし、私もそれに関連するニュースを見るたびに心配になってきます。

しかし、自分の十数年の中国滞在やその間の食生活を思い出してみると、なんかこう、今回のことについても開き直りっぽい気分になってしまったりもします。うーむ。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

*当記事は3月23日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。





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 コメント一覧 (3)

    • 1.  
    • 2011年04月02日 06:47
    • 1960~70代の中国核実験で日本に放射性物質まき散らしたくせに今更何いってんのかね?
    • 2. うがや
    • 2011年04月02日 11:14
    • 地下に鉱脈とかあったら数値は高くなりますよね……
    • 3. トラウマ
    • 2011年10月14日 00:47
    • ラサとか高地だから自然放射線量が多くなるのは当然。
      飛行機で高空を飛ぶと被曝するのと同じ。

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