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日本よりも中国のほうが深刻な電力不足=不足量は3000万キロワット―翻訳者のつぶやき

2011年05月26日

日本よりも深刻な中国の電力問題

現在、中国で話題となっているのが、今年3月から続く「电荒」、すなわち全国的な電力不足です。現時点では主に湖南省を中心とした中部、浙江省を中心とした沿海部で深刻化しています。特に浙江省では実に7年ぶりとなる深刻な事態だと国内メディアは報じています。


power up the sun / sun dazed


 国家電網(電力網)公司の帥軍慶・副総経理は23日の会議で、「今年はここ数年で電力需要が最も逼迫した1年になるだろう。電力不足の量は、これまで最も深刻だった2004年を上回るものになる」と警告しました。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。


深刻化する電力不足、経済成長のボトルネックに

中国企業連合会は17日、今年の電力事情について「保守的に見積もってみたとしても3000万キロワットの電力不足になる」と指摘してます。これは安徽省の発電総量の2倍、重慶市の発電総量の3倍にあたります。原発危機で発電量が落ち込んでいる日本でさえも想定されている電力の不足量は1000万キロワットから1500万キロワット。その倍という膨大な量が不足しています。

電力不足が深刻な地域は主に経済発展が進んでいる地域です。「中国の経済成長を阻害する新たな国内的要因になっている」と分析する専門家も現れました。


電力不足の要因


電力不足には複数の要因があります。第一に、火力発電に使われる石炭価格の高騰。原発など新エネルギーへの転換を進める中国ですが、現時点ではやはり石炭による火力発電が主流。その燃料費が高騰しているのです。中国国内の相次ぐ炭鉱事故で石炭採掘企業が次々と整理、閉鎖されたため、生産量が落ち込んだことも価格上昇の要因となっています。

第二の要因は干ばつです。長江流域、とりわけ湖北省、湖南省では現在、深刻な水不足に悩まされています。長江南岸、江西省北部に位置する鄱陽湖は湖面面積が縮小、広い範囲で湖底が露出しひび割れる惨状に。漁ができない漁業関係者への打撃もさることながら、水力発電にも影響が生じています。

そして、経済成長に伴う電力消費量の増加も要因です。上述したとおり、電力不足が深刻化しているのは経済的先進地域。製造業が多い浙江省の電力不足が最も深刻化しているのは象徴的です。経済発展に電力が必要なのは当然としても、節電意識を高める必要があります。


貧弱な送電網が事態悪化の要因に

また、福島第一原発の事故のあおりを受け、原発開発の勢いが失速したことも影響している可能性があります。これまでも何度か取り上げましたが、福島問題を受けて、国務院は既存原発の安全確認、新規プロジェクト許認可の再検討を決定しました。電力不足が表面化した時期と、国務院の決定とほぼ同時期です。原発の運行停止などについては伝えられていませんが、5月末まで原発の安全検査が続くことを考えると、原発による電力供給にも影響が生じている可能性があります。

そして、地域間の電力不均衡も大きな問題です。西部の内モンゴル自治区や新疆ウイグル自治区には、十分な発電余力があるのですが、大容量送電網の整備が進んでいないため、不足地域に供給することができません。いわゆる「窝电」と呼ばれる電力停滞の状態になっているのです。

中国は、「西電東送」と呼ばれる、西部地域で発電した電力を東部沿海地方に送る電力網の整備プロジェクトに取り組んできました。しかし、今年の「窝电」はまだ送電網の整備が不十分であることを示す結果となりました。

実は、日本よりも中国のほうが深刻な電力不足。経済発展の持続、GDP成長の年度目標を達成するうえで、避けては通れない課題となっています。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。


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