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「米国は内政干渉している、太覇気だ!」訪米の解放軍高官が放言連発―翻訳者のつぶやき

2011年05月27日

陳炳徳総参謀長の訪米の波紋

中国の陳炳徳・解放軍総参謀長が5月15日から22日にかけて、米国を公式訪問しました。米軍のマレン統合参謀本部議長の招きに応じたもの。中国人民解放軍総参謀長の訪米は実に7年振り。中国政府も今回の訪米をかなり重要なものとして位置づけていたようです。

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南方日報の報道。

訪問日程は15日から18日までの要人との会見、19日から21日までの米国国内の軍事施設の視察に分かれたのですが、その会見の最終日である18日にマレン議長と行った共同記者会見がかなりの波紋を呼んでいます。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。


米国は「太霸气」

聨合早報の報道によると、陳炳徳総参謀長は会見の席上、「米国が定めている『台湾関係法』は実際のところ中国の内政干渉となる法律であり、米国の国内法で第三国の内政を管理しようとする法律である。これは……耳障りの悪い言葉で言えば、『太霸气(専横すぎる)』だ」と憤りを隠さずに主張し、「台湾は中国の領土である。これは世界中どこでも非常に明確である。」「中国の領土であるのならば、なぜ中国人自身の手で安全を保障できないのか。なぜ米国に武器を売ってもらう必要があるのか」と述べました。

台湾への武器売却に対して、中国政府はこれまでさまざまな反応を示してきました。しかし、外交部が不満を表明したり、「中米の関係を損ねないよう望む」と述べるに留めたりするなど、比較的ソフトな反応だったのです。これは中米関係について配慮していた結果と言えるでしょう。


歯に衣着せぬ発言と控えめな中国メディア報道

しかし、この「太霸气」という言葉はこれまでにないほどかなり強い口調であり、台湾への武器売却について一歩踏み込んで米国側に主張したことになります。米国というある種「敵地」で、歯に衣着せず発言した陳総参謀長に、中国のネチズンは拍手喝采しました。

しかし、中国国内メディアの対応はこの発言について押しなべて控えめです。「愛国主義」的な論調が強い環球時報などを除けば、あくまで「中米の良好な軍事関係を継続させていく」ことに主眼を置いた報道ぶりになっています。


台湾へのF-16戦闘機売却

またF-16戦闘機の台湾への売却を米議員が提起したことについて、「事実だとすれば、米中関係、両国軍の関係に影響を及ぼすか」と米国記者が質問。陳総参謀長は「私の答えは『間違いなく影響がある』だ。どれくらいの影響があるかは、米国の台湾への武器売却の程度で決まるだろう」と警告しています。


ステルス戦闘機「J20」の試験飛行は挑発行為だったのか?

さらに1月のゲーツ国防長官の訪中期間中に、中国が新型ステルス戦闘機「J20」の試験飛行を行ったことについて、「これは挑発行為なのではないか」との質問に対し、陳総参謀長は試験飛行の事実を認めた上で、「米国も多くの新型兵器を製造している」と述べ、「米国だけ許され、中国は許されないといったことなどあり得るのか」と半ば逆切れ気味で答えました。


台湾近隣へのミサイル配備

台湾側が懸念を示している大陸沿岸におけるミサイル配備について、陳総参謀長は「台湾に近接する大陸沿岸地域における解放軍の軍事配備について言うならば、『驻防部署(防衛目的の配備)』にすぎず、『作战部署(軍事作戦目的の配備)』は行っておらず、『导弹部署(台湾に対するミサイル配備)』などなおさら行っていない」と述べました。

陳総参謀長の発言は台湾を揺るがすものとなりました。鳳凰網の報道によると、台湾の国家安全局長は19日、「大陸が台湾の脅威ではないなど、世界中どこの国も賛同しないような発言だ」と反発。台湾の高華柱国防部長は、「解放軍が大陸沿岸に配備しているのは、地対地ミサイルではなく、地対空ミサイルのみ。しかしながら、沿海地域に対する軍事的定義づけをどのように行うべきか考える必要がある」と述べました。 台湾の民間も強く反発を示しています。ある民意代表は「台湾人民は証拠を見て初めて信用できる」と述べています。


強気発言は米軍の神経をさかなでにした?!

共同記者会見を終えた後、19日から21日まで陳総参謀長ら解放軍代表団は、米国の軍事施設を視察しました(新華網の報道)。ノーフォーク海軍基地、陸軍第3機動化歩兵師団野戦訓練場、ネリス空軍基地、フォートアーウィンの国家訓練センターを視察。他にも軍事訓練や戦闘機、空母も視察しています。

南方日報の取材を受けた彭光謙少将は「私も十数年前に行ったことがあり、別に『神秘的な』場所ではない」と指摘しています。あるいは一連の強気発言を受け、機密性の高い場所の公開を避けた可能性もあるかもしれません。ただし、中国の領空内を偵察しているとも報じられている無人機「プレデター」なども公開されたとのこと。米国側は一定の配慮は示したようです。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。


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