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ビジネスホテル業界で大型買収が成立=最大手・如家が「格安」価格でシェア強化―中国

2011年05月30日

2011年5月28日、中国ビジネスホテルチェーン最大手・如家酒店の孫堅CEOは、上海莫泰酒店買収を発表した。4億7000万ドル(約380億円)で株式の100%を取得する。競争が激化する中国ビジネスホテル業界だが、最大手が「安値」での大手チェーン買収に成功したことは、波紋を呼びそうだ。


如家旅店 / home inn / livepine


■業界トップの肥大化
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*画像はi美股のグラフ。上は客室数ベース、下は店舗数ベースの業界大手の比較。莫泰(赤い部分)買収により、如家が2位の7天を突き放した。


積極的な出店計画を打ち出していた如家だが、買収によって目標達成に大きく近づいた。同社は17%の業界シェアを占めていたが、買収によって25%にまで高まる見通しだ。また、北部に強い如家と上海中心の莫泰という組み合わせの妙から、買収の効果は高いと見られる。当面、莫泰ブランドは残される見通しで、如家への転換は店舗ごとに判断される。競合する位置にあっても、閉鎖は予定していないという。


■「安値」の買収劇

今回の買収では、その価格も注目の的となった。4億7000万ドルの買収費用を莫泰の客室数4万4000で割ると、1室あたりの価格は7万3000元(約91万円)。2007年に如家が七頭星グループを買収した1室あたり8万8000元(約110万円)と比較すると、この間のビジネスホテル市場の成長及びインフレを考えればリーズナブルなお買い物だ。

また、莫泰の株式のうち、59%はモルガン・スタンレーの持分だった。今年初頭には10億ドル(約809億円)の価格で、他のビジネスホテルチェーンに売り込んでいたが、高すぎるとして話がまとまらなかった。最後に出てきた如家が半値以下に値切った格好だ。

急成長が続く中国ビジネスホテルチェーンで、なぜ今、モルガン・スタンレーが莫泰を手放したのかは不明だが、最大手の独走が強化される結果に終わった。この結果は他社にとっても脅威となる。中国ビジネスホテルチェーン業界の買収、再編はさらに加速しそうな気配を見せている。


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