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「叛逆」のカリスマ・李娜が全仏オープンで優勝、伊達公子を超えアジア史上最高の選手に

2011年06月05日

2011年6月4日、テニスの四大大会の一つ、全仏オープンの女子シングルス決勝が行われた。李娜選手(中国)がフランチェスカ・スキアボーネ選手(イタリア)を破り、アジア選手としては初となる四大大会優勝の栄誉に輝いた。

中国メディアはこの快挙に沸き返ったほか、中国圏マイクロブログもこの話題で持ちきりとなっている。

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■李娜、2011年の飛躍

李娜選手は1982年生まれの29歳。近年、目覚ましい成長を見せているが、なかでも今年の活躍は特筆に値する。全豪オープンでは準決勝で世界ランキング1位のウォズアニッキを破り、決勝に進出。惜しくも優勝は逃したが、四大大会第2戦の全仏オープンではついにアジア選手として初となる優勝を果たした。

このポイントで世界ランキングも4位に上昇する。伊達公子が持つアジア選手最高順位記録と並び、「アジア史上最強の女子テニス選手」の栄誉を手にすることとなった。


■「叛逆」のカリスマ

今回の優勝で、バスケの姚明選手や110メートル障害の劉翔選手と並ぶ中国トップの有名スポーツ選手になると目されている李娜選手。だが、彼女の個性はきわめて独特で、ステートアマ的な中国の国家スポーツ制度と相いれない。

天才的なテニスのセンスとアジア系とは思えないパワーという天賦の才に恵まれていた李娜選手だが、2002年末、釜山アジア大会を前に突然引退し、武漢の華中科技大学への進学という道を選んだ。国の栄誉を担う国家代表選手が20歳の若さで引退することなどとても考えられることではなかった。また代表チーム内での恋愛問題や結婚後にはコーチでもある夫への愛を率直に表明するなど、中国人選手としては型破りの行動が常に物議を醸してきた。

2011年1月29日、全豪オープン後に網易は記事「個性的な李娜、シングルス転向後の成功=挙国体制の気まずさ」を掲載。型破りな李娜選手がそれゆえに成功を治めたと主張し、中国には芽が出る前に潰された多くの「李娜選手」たちがいるはずと指摘している。


■国に感謝せず?!

全仏優勝後のインタビューで、李娜選手が何を話すかが中国人ツイ民の間で注目された。時事通信に試合後の談話が掲載されているが、ポイントは外しているようだ。

著名な中国人ジャーナリスト・安替氏は次のようにツイートしている。

李娜は本当にプロフェッショナルだ。(試合後のインタビューで)スポンサー、支持組織、ファンに感謝し、友人への誕生日を祝福した。ただ国家への感謝はなかったね。

また、中国人ツイ民のつぶやきによると、次のようなやりとりもあったようだ。

試合後の記者会見で一番笑えたのがこのやりとり。
(記者)李娜、はるか昔の今日、中国には天安門で革命がありました。今日、あなたは四大大会での優勝を勝ち取ったが、これは中国テニスにとっての革命を意味するのではないだろうか。
李娜はこの問題をよく理解したようだ。冷静にこう答えている。
(李娜)私はたんなるテニス選手。この問題には応えたくありません。もしあなたが言わなければ、私はそんなこと知りませんでした。



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