中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年06月08日
■ホワイトリスト制度、真実味を帯びてきた噂
グーグルトレンドによると、2010年初頭「海外サイトホワイトリスト制度」が噂となっている。つまり中国政府が許可したホワイトリストに掲載されていないサイトはアクセス不能となるわけ。当初は「まさかぁ〜」「デマでしょ」「そこまでするか?」などと疑問の声が多かった。
その後、強まる一方のネット規制、そして複数の情報源の裏付けにより、「ホワイトリスト制度」は徐々に現実味を増してきた。IPv4のアドレス分配が終了し、IPv6への移行が迫っているが、現行のGFW(ネット検閲システム)は未だIPv6への対処法を備えていない。となれば、新規制を打ち出すのも必然的な結果だろう。
■ホワイトリスト制度の基本原理
「ホワイトリスト制度」の基本原理については、以下のようなものと考えられる。
1.現存のネット規制システム(俗に言う「GFWーGreat Fire Wall」)には変化なし。
2.ホワイトリストはすでにある程度完成していると考えられる。中国政府から見た「合法サイト」と海外大手サイトは自動的にリストアップされてる。たぶん、ある程度の試験運用した後、「新規リスト掲載申請窓口」ができるだろう。
3.「ホワイトリスト」以外の海外サイトは、アクセス規制を受ける。
1)IPの限定訪問、つまり特定地域のサイトへのアクセスを厳しく制限。これはPing値(簡単にいえば「接続スピード」)で分かります。300msの場合普通にアクセスでき、500msではサイトを開くのが遅く感じる、1000msはアクセス不能とほぼ同等。国内各地域で別々の時間で結果に違いが生じ、不規則なアクセスになります。
これによって、一回目は開けたのに、次の時は開けなかったり。始めは駄目だったが、リロードしたらアクセスできたりといった具合に。現在のGmailの状況に似てる。以下の画像で、リストに乗ってないサイトにアクセスする時、どこで妨害されたか分かる。
2)「壁ごえ」で海外サイトが「ホワイトリスト」に影響されてるか分かる。 「壁ごえ」状態でアクセスできたが、もとに戻ったらアクセスできなくなった→リストに乗ってる。
3)「壁ごえ」に成功しても失敗しても、GFWに「壁ごえ」を探知されたら、一定時間全ての海外サイトにアク禁、また国内サイトへのアクセスも不安定になる。(今、話題のVPN封じ)
「ホワイトリスト制度」は、あるいは強化が続くネット規制の氷山の一角に過ぎないのかもしれない。この制度によって独裁者の目的は一時的に達成されるかもしれないが、自由を求める人々の心まで封鎖することが永遠にできない。このような時代の流れに逆らう行動が繰り返されるたびに、共産党政権の終わりが近づいている。