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【中越対立】実弾演習に続き徴兵令公布!強気全開のベトナム政府

2011年06月14日

南シナ海をめぐり緊迫化する中越関係。記事「チャイナドレス着用の女優に批判殺到=急速に高まる反中感情」では、ベトナム人の反中感情の高まりをお伝えしましたが、いやいやどうして。ベトナム政府もなかなかこのチキンレースから下りようとしません。

13日には実弾演習を敢行。そして、なんと新たな徴兵令を公布しました。


War Art - from the Vietnam Army Museum, Hanoi / shardin1n



■ベトナムが徴兵令公布

ベトナム、1979年以来となる徴兵令を公布(ボイスオブアメリカ中国語版、2011年6月14日)

なんでも1979年の中越戦争以来だとか。ちなみに徴兵令とはいいつつも、今すぐどうこうという話ではなく、「戦争が起きた時、どういう人間が徴兵を免除されるのか」を定めたもの。最も逆にいえば、免除条件を満たしていない人間は誰もが徴兵される可能性があるということですが……。


■米国も参入

さらにさらに、中国とベトナムのチキンレースには米国も参入です。

米とベトナム、南シナ海で7月に合同軍事演習 中国をけん制 (日経新聞、2011年6月14日)

ベトナム海軍は7月、南シナ海で米海軍と合同で軍事演習を実施する。不明者の捜索や海上救助訓練などを通じて協力関係の強化を図る。14日付のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙が報じた。南シナ海の領有権問題で強硬姿勢を強める中国をけん制する狙いがあるとみられる。

(…)

米海軍は今月末、フィリピン海軍とも合同演習を実施する予定。米国は中国と対立する東南アジア各国と安全保障分野での関係を強化。7月にインドネシアで開催予定の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)をにらみ、域内での影響力を強める狙いがあるとみられる。


■フィリピンもこっそり……

南シナ海は「西フィリピン海」=領有権めぐる対立で呼称変更(時事通信、2011年6月13日)

中国と領有権を争う南シナ海について、フィリピン大統領報道官は13日、大統領府は今後「西フィリピン海」という呼称を使用することを明らかにした。


■他のASEAN諸国はどう動く?

スプラトリー諸島(南沙諸島)の領有権を主張しているのは、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、そして中国と台湾。現在はベトナム、フィリピン、中国が激しく動いているわけですが、他がどう動くかも注目です。さすがにブルネイはほとんど影響力を持ち得ないのではと思うのですが……。

ちなみに台湾はミサイル艇及び戦車の配備を検討中とのこと。

台湾、ミサイル快速艇を南シナ海に配備へ(財経網、2011年6月13日)

マレーシアの動きはさっぱりわかりませんが……。


■もう一つの爆弾はチベットの水

基本的にベトナム、フィリピンを含めASEAN諸国は中国とはうまくつきあって、その経済成長の分け前をいただきたいと考えているわけですが(世界中そう思っていない国はないでしょうけど)、どうしても譲れないのが領土問題。

そして、もう一つ、譲れない火種となっているのが水資源です。昨秋の東南アジアの干ばつでは、中国がメコン上流にダムを作ったことが原因ともささやかれています。今でさえやっかいな問題なのに、さらに問題となるのが「西線調水」計画。東南アジア、南アジアを流れる大河の源流であるチベットの水を新疆ウイグル自治区などに送ろうという巨大プロジェクトです。

中国政府は「西線調水」計画の繰り上げを検討中―水利専門家(第一財経、2011年6月3日)

この計画が本決まりとなれば、メコン沿線の国がきれまくるのは確実。ついでにインドやバングラディシュも「おいおい、いい加減にせーよ!」とツッコむのは確実でしょう。

なんかすごい勢いで加速する東南アジア情勢。尖閣問題を抱える地域大国・日本も重要なプレーヤーのはずですが、昨年のクレージー船長体当たり事件&平謝りを経て、黙りこくっているのがなんとも寂しいところ。あの事件が今年起きていたら……全然状況は違ったでしょうね。とほほ。


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