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オモシロ卒業写真から考える大学教育=モラトリアムが生み出すボンクラ個性―中国

2011年07月03日

中国では6月が卒業シーズンだ。で、ここ数年、流行しているのがオモシロ卒業写真。

当サイトでも、凜さんが美脚露出卒業写真を紹介した「思わぬ騒動呼んだ卒業写真=ミニスカと政治風刺」、水上を歩くトリック卒業写真を紹介した「祝卒業!羽目を外したおふざけ写真とおっさんネット民の批判」という記事2本を寄稿してくださっているが、それ以外にも女性を上半身はだかの男が囲むマッチョ写真、夜中に全裸であたりを走り回る写真とか、いろいろ。

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*画像はポルノ映画「3D肉蒲団」のパロディ。

それはそれで悪いことじゃないように思うのだが、2011年6月29日にはオモシロ卒業写真を撮るために
杭州の西湖に飛び込んだ男性が溺死するといういたましい事件が起きている。


「卒業写真を撮ったけど、つまらないからアップしない。明日、湖に飛び込んで写真を撮るぜ。」

死の前日にネットに書き込まれた言葉だ。翌日、その卒業生は言葉通り湖に飛び込み、そして溺死した。名門・浙江大学を卒業し、まさに人生これからというタイミングでの悲劇だけに社会に大きな衝撃をもたらす事件となった。

新華網は「“特別な”大学卒業写真は大学生の浮ついた心を示すもの」とのお説教記事を掲載。南方都市報は個性無視の詰め込み教育が招いた惨劇というありふれた切り口のコラム「なぜ卒業イコール“クレイジー”じゃなきゃならないのか?」を掲載している。

個人的には「死んだり人に迷惑かけなけりゃばか騒ぎもいいんじゃね」ぐらいに思っているのだが、なぜ大学卒業だけこんなに盛り上がるのかというのはちょっと気になるところ。解放感という話でいけば、大学合格を果たした高校卒業のほうが強そうなものだが。

今の中国の大学は、オモシロ青春空間になりつつあるのではというのが私の仮説だ。本サイトでもアレックスさんが中国の大学事情を紹介してくれているが、ほぼ全員が学生寮に押し込まれるスタイルは昔と変わらないながらも、以前の「スーパーエリート養成機関」という性格が薄れ、ボンクラライフも許されるようになった中国の大学で、個性を育てるような青春ライフが送れるようになってきているのではないだろうか。

最近では、「中国の大学も個性と創造性を育てる組織、カリキュラムに変えねば!ねば、ねば!」と声高に叫ばれているが、実は大学定員増員によるモラトリアムの出現によって、いいかわるいかは別としてとりあえず「個性」を育てる空間が生まれているのかもしれない。

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*写真は下記オモシロ卒業写真まとめサイト」より。他写真多数。

■オモシロ卒業写真リンク

Google画像検索 「毕业照 雷人」(卒業写真 ビックリ)
オモシロ卒業写真まとめサイト1
オモシロ卒業写真まとめサイト2
オモシロ卒業写真まとめサイト3
オモシロ卒業写真まとめサイト4


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 コメント一覧 (2)

    • 1. しちやん
    • 2011年07月03日 12:45
    • 写真を見る限り日本より台湾のノリに近い感じがします。服装もアカデミックドレスが多いのは共通してますし。個人的にはあっちの卒業式に憧れます。

      どうでもいいのですが「3D肉蒲団」は本土の学生にも知れ渡っているのでしょうか?ポルノ映画のパロディまで。。。九十后から目が離せませんね。
    • 2. Chinanews
    • 2011年07月03日 13:13
    • >しちやんさん

      中国っていつからアカデミックドレスが普及したんでしょうね。以外と最近じゃないのかと踏んでいるのですが……。

      3D肉蒲団はすごいプロモーションをかけたので、中国本土でも有名。男子大学生ならば名前は結構知っているんじゃないか、と。よくない手段で海賊版を見た人も多いんじゃないかなー。

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