中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月06日
■大物選手移籍の衝撃
コンカ選手は1983年生まれの28歳。アルゼンチンの名門リバープレートでキャリアをスタートし、昨期はブラジルの名門フルミネンセに所属。2009年、2010年と2年連続でブラジル全国選手権のMVPを獲得した、まさに“ワールドクラス”の大物選手だ。
2009年に元イタリア代表のトンマージ選手が天津泰達に所属したが、それに並ぶビッグネームの加盟となる。28歳というピークでの移籍を考えれば、その衝撃はトンマージ選手を超えるものとも言える。
■脅威の20億円補強
中国プロリーグ史上空前の超大物助っ人の登場に国内外の注目が集まった。当初は「年俸1000万ユーロ(約11億7000万円)、世界第5位の高給」とも報じられたが、クラブ側はこれを否定。税引き後の数字で700万ドル(約5億6700万円)と報じた。契約は2年半。世界トップ級ではないにせよ、驚くべき数字であることに違いはない。
広州恒大はさらに1000万ドル(約8億1100万円)の移籍金を支払っている。つまり、選手1人に総額2750万ドル(約22億3000万円)を投じる計算だ。広州恒大は昨年、2部リーグを勝ち抜いて昇格したばかり。金満チームの実力を発揮しての大補強で、一気に優勝候補の実力を身につけている。
中国スーパーリーグは現在、第14節まで終了しているが、広州恒大はいまだ負けなし。2位に勝ち点差9をつけ、首位を独走している。これにコンカ選手が加わるとあっては早くも今年の優勝チームが決定したと噂されるのも仕方がないところだろうか。
■中国代表入りもありうる?!
中国メディアの気の早い妄想はすでにもっと先にまで行っている。「コンカが中国代表になる可能性」がおおまじめに取りざたされているのだ。現在、中国では二重国籍取得法案が検討されているとのこと。「母国の国籍を放棄しないで中国代表になれるのだったら、ひょっとして……」と期待が高まっている。