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ダンゴのチベット人作家ペマ・リンチェン逮捕、激しい暴行を受ける―チベットNOW

2011年07月09日

ダンゴのチベット人作家ペマ・リンチェン7月5日逮捕、激しい暴行を受ける

ウーセルさんは昨日のブログで新たに1人のチベット人作家が逮捕されたことを報告されている。今のところ、まだ他のチベット系メディア上では報告されていない。これを、うらるんたさんがさっそく翻訳し、ブログに掲載して下さった。

ダンゴのチベット人作家ペマ・リンチェン7月5日逮捕、激しい暴行を受ける (ちべログ@うらるんた、2011年7月7日)

以下こちらの記事を転載させて頂く。

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*若いチベット人作家ペマ・リンチェン


*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


『チベット人作家ペマ・リンチェン7月5日逮捕、激しい暴行を受ける』


文/ウーセル
翻訳/@uralungtaさん(一部、書名の読み方tonbani訂正)

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*ペマ・リンチェンが書いたことにより罪を被ることとなった本『トゥ(看/見ろ)』

25歳のチベット人作家ペマ・リンチェン(Pema Rinchen/筆名「ドゥツゥ<毒刺>」*1)は、カンゼ地方ダンゴ[*2]の出身だ。

2011年7月5日白昼、ペマ・リンチェンはダンゴで県公安局の警察官に拘束され連れ去られた。彼は激しい暴行を受け、2日目(7月6日)にダンゴの県医院へ救急患者として運び込まれた。

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*ダンゴ(Drango)の公安局が発行した「拘留通知書」(逮捕状)。

ジャンダ(Jangda/卡娘郷)のロンダ〈音訳*3〉の家族は、その知らせを耳にして泣きながら病院に駆け付けたが、病室の外には大人数の武装警察と警察官が立っていて、見舞うことも許されなかった。現在のところ、ペマ・リンチェンは生死も不明である。

ペマ・リンチェンは幼いころ出家した経験があり、その後還俗して作家となり、東チベットのカム地方では若い新世代のチベット人作家として比較的名が知られている。彼は今年初め、『トゥ(看/見ろ)』と題するチベット語書籍を自費出版した。主な内容は中国共産党のチベット地域に対する政策と行いについての検討と批評で、2008年にチベット全域に広がったチベット人の抗議活動に対する弾圧や、ジェクンド地震のさなかに起きたことにも及んでいた。かつ、ペマ・リンチェンは2008年に抗議して重い刑を受けたチベット人にも取材していた。

『トゥ(看/見ろ)』は2000冊印刷され、ペマ・リンチェンが逮捕される前にチベット全土の各地に広まり、ほとんど寄贈し終えていた。

ダンゴの県公安局は7月6日午後、ペマ・リンチェンの家族に逮捕令状を提示した。(逮捕状には)ペマ・リンチェンについて「民族仇恨扇動容疑(民族の憎しみを扇動した容疑)で」現在「ダンゴの県拘置所に拘留する」としている。担当者の署名は惠小林と多吉仁真(ドルジェ・リンジン)になっていた。

私は先月、ブログで『四川省当局に逮捕、拘束されたり判決を受けたチベット人作家と教師10人の記録』と題して記事を書いたばかりだが、当局のチベット人知識層に対する弾圧は歴然で、おさまるどころか、ますます激しさを増している。

ここにおいて、再度、国際的報道メディアや国際ペンクラブ、国際人権団体に、注目と支援、救助を呼び掛ける。


■逮捕状の本文訳

炉霍県公安局<拘留通知書>
炉公拘通 字〔2011〕21号
真呷
『中華人民共和国刑事訴訟法』第六十一条の規定に基づき、わが局は2011年7月5日20時において、扇動民族仇恨の嫌疑でペマ・リンチェンを刑事拘留し、炉霍県看守所において身柄拘束する。
(公安局印)2011年7月5日

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*1 チベット語のドゥクツァ(毒草)、または中国語の毒刺(毒針で刺す)、あるいはその両方を掛け合わせた意味を持つペンネームかもしれない

*2 中国の行政区分で四川省甘孜自治州炉霍県

*3 原文は降達村(音に漢字をあてたとみられる)。地図上ではジャンダ内の集落名「尽達(ジンダ)」または「辛達(シンダ)」か。

*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


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