中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月15日
今、中国では豚肉価格が高騰中。6月期の消費者物価指数(CPI)統計では前年同月比57%上昇という数字が報告されている。肉まんの原料の中でも大半のコストを占める肉の価格が1.5倍になったわけだが、肉まん販売店の多くはそれほど大幅に値上げしていない。というのが調査のきっかけになったという。
ナゾの答えは「血脖肉」と呼ばれる肉。豚の頭の回りや体幹についている肉でリンパや脂肪瘤、甲状腺を含む部位を指すという。病原菌が多いため本来ならば販売してはならないものだが、普通の肉の3分の1程度の価格で買えるとあって今や供給が追いつかないほどのバカ売れ中。挽き肉にすればどうせわからないだろ、という考えで肉まん販売店は使っているのだろう。
新華網の記事を受け、山東省の各地域では外食店舗の臨時調査が実施された。現在までに血脖肉の使用は確認されていないという。各地方政府の素早い対応が目立つが、しかし消費者の不安は解消されたわけではない。それというのも、先日、陝西省渭南市の大手食肉工場が「病原菌付き肉」を販売して大騒ぎになったばかり(参考記事)。西の陝西省と東の山東省で同様の手口が横行しているとなると、中国全土で横行している可能性もある。
小さなお店や露店で食べる肉まんは、安くて美味しい何よりのB級グルメ。とはいえ、安すぎるお店には注意する必要があるかもしれない。