中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月18日
■スポーツ大会の順位=権力
燕氏は、「水泳好きで6年連続同大会に参加している張書記が優勝するのはともかく、浮き輪を抱えた万市長が優勝することがあるだろうか?」と言わずもがな
のツッコミ。それにしても浮き輪を抱えながら必死で泳ぐ市長の後ろに、2000人の「市民」が立ち泳ぎしながら待っているかと思うと、なんともシュールな光景だ。
実はこうした問題は広州市が初めてではないという。2009年、ある都市で政府官僚がこぞって参加するマラソン大会が開催されたが、その順位はきれいに職位順に並んだのとか。
■水泳大会の日だけキレイだった川
広州市についてはもっと驚くべき話もある。市政府トップが泳いだ16日は珠江もきれいなものだったが、翌17日には水草の一種・ホテイアオイがびっしりと
水面を埋め尽くしていたのだとか。「わずか一夜での大変化は、いったい何が起きたのか市民に疑問を抱かせざるにはいられない」とのこと。
燕氏は、トップ自らが先頭を切って珠江を及び、汚染対策をアピールすることは決して悪いことではないと指摘する。問題は「先頭を切って飛び込む」だけではなく、「先頭を切ってゴールしたこなのだ」、と。
「偉大なる将軍」の超人性をたたえる逸話に満ち満ちている北朝鮮を思わせるようなエピソードだが、21世紀にもなってまだこんなことをやっているのかとあきれるべきか、それともアホらしい話をちゃんとアホらしいと叩けるようになったと評価するべきか。悩ましいところだ。