中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月22日
■愛人3人に住宅をプレゼント
発覚したきっかけは段氏の奥様の発言を誰かがネットにアップしたため。
「私はもう彼を何度も許してきました。これまでも何度も外で女を作ってきたけど、息子のために私は耐えてきました……」と語るその書き込みによれば、段氏は愛人との間に子どもが一人をもうけているばかりか、他にも2人の愛人を抱えているとか(愛人にはもれなく住宅をプレゼント)。さらにある女学生ともいい仲とのこと。
これがネット上でがっつり拡がり、中国科学院が内部調査することを表明、そして21日に警察に公金不正使用の疑いで拘束されてしまいました。愛人との子供に関して段氏は「私は精子を寄付したんだ、女性への同情心からだ」と豪胆な発言をしているとのこと。
■増える科学研究費とそのガバナンス
中国における科学研究にかかる政府予算はうなぎ上りで増えています。第11期5カ年計画(2006-2010年)期間中、中央財政による科学技術研究費は年間20%の割合で増加し、2010年には1890億元(約2兆3000億円)にまで増加。
この波及効果もあり、中国全体の研究予算は7000億元(約8兆5300億円)弱と世界第3位の座を占めるにいたりましたレベルとなったとのこと(2011年4月2日国務院新聞弁公室記者会見上での万鋼・科学技術部部長の紹介)。
でも、「その割にはノーベル賞も出てないじゃないか!」なんていう批判もあり、また科学研究費配分が結局、人間関係とかで決まるという批判も多く、科学研究費の適正使用が問われているご時勢の中での事件となりました。
まあ一応まだ捜査中ということではありますが、ノーベル賞はともかく、栄誉ある院士に近い研究者がこんな「研究」では、一国の科学技術振興も危ういですし、物価高に苦しむ国民も怒りますよねぇ。急に予算が増えるとやっぱりどこでも緩くなってしまうのでしょうか……。
*当記事はブログ「北京で考えたこと」の許可を得て転載したものです。