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トップクラス研究者、研究費で愛人を囲う=3人の女性に住宅をプレゼント―北京で考えたこと

2011年07月22日

増加する研究費で……愛人囲っちゃいました!問われる中国科学研究費のあり方

「自前」の高速鉄道技術(もめてますけど)を始め、近年鼻高々な話題が目立つ中国の科学技術研究。そんな中、こんな困った話題も。ありゃ、いったいどんな研究しちゃったの?という話題。
(多くのメディアが報道していますが、南方都市報の報道を参照)


■ネットで漏れた准院士の思わぬ研究活動

中国科学院地質及び地球物理研究所の研究者で、現在選出作業が進んでいる最新の「院士」候補リストにも載せられた「准院士」の段振豪さん。思わぬ研究をしてしまったのか、愛人に使った経費を研究費で落としていた疑いがもたれ、7月21日警察に拘留されてしまいました。
(関連記事:「科学者なのか政治家なのか=中国のアカデミー「工程院」とは!?―北京で考えたこと」KINBRICKS NOW、2011年6月5日)

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*新浪微博の「今日の話題」の一つに堂々ランクイン!


*当記事はブログ「北京で考えたこと」の許可を得て転載したものです。


■愛人3人に住宅をプレゼント

発覚したきっかけは段氏の奥様の発言を誰かがネットにアップしたため。

「私はもう彼を何度も許してきました。これまでも何度も外で女を作ってきたけど、息子のために私は耐えてきました……」と語るその書き込みによれば、段氏は愛人との間に子どもが一人をもうけているばかりか、他にも2人の愛人を抱えているとか(愛人にはもれなく住宅をプレゼント)。さらにある女学生ともいい仲とのこと。

これがネット上でがっつり拡がり、中国科学院が内部調査することを表明、そして21日に警察に公金不正使用の疑いで拘束されてしまいました。愛人との子供に関して段氏は「私は精子を寄付したんだ、女性への同情心からだ」と豪胆な発言をしているとのこと。


■増える科学研究費とそのガバナンス


中国における科学研究にかかる政府予算はうなぎ上りで増えています。第11期5カ年計画(2006-2010年)期間中、中央財政による科学技術研究費は年間20%の割合で増加し、2010年には1890億元(約2兆3000億円)にまで増加。

この波及効果もあり、中国全体の研究予算は7000億元(約8兆5300億円)弱と世界第3位の座を占めるにいたりましたレベルとなったとのこと(2011年4月2日国務院新聞弁公室記者会見上での万鋼・科学技術部部長の紹介)。

でも、「その割にはノーベル賞も出てないじゃないか!」なんていう批判もあり、また科学研究費配分が結局、人間関係とかで決まるという批判も多く、科学研究費の適正使用が問われているご時勢の中での事件となりました。

まあ一応まだ捜査中ということではありますが、ノーベル賞はともかく、栄誉ある院士に近い研究者がこんな「研究」では、一国の科学技術振興も危ういですし、物価高に苦しむ国民も怒りますよねぇ。急に予算が増えるとやっぱりどこでも緩くなってしまうのでしょうか……。

*当記事はブログ「北京で考えたこと」の許可を得て転載したものです。


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