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中国が高速増殖炉での発電に成功=「本気」の原子力路線を推進へ―翻訳者のつぶやき

2011年08月08日

中国の原子力計画の次の手

高速鉄道事故のあおりを食って、だしそびれていたネタをご紹介します。人民日報は7月21日、「中国初となる高速増殖炉(中国語では「快堆」)実験炉が発電および電力網接続に成功した」と報じました。

高速増殖炉の発電は国家ハイテク発展計画(俗に言われる「863」計画)の目標の1つとされているものであり、中国が原子力発電の技術で欧米などの原発先進国に追いつく上での重要な一歩になるととらえられています。

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*画像は人民網の報道。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。


■2025年までに

23日、高速増殖炉に関する研究会に出席した万鋼・科学技術部部長は、「2025年までに高速増殖炉発電所を2、3基、商業規模の高速増殖炉用MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料製造工場1カ所、商業規模となる加圧水型原子炉の使用済み燃料再処理工場を建設する」という目標をぶち上げています(中国新聞網)。
(高速増殖炉発電所を2、3基とは、原型炉及び実証炉を指すものと思われる:Chinanews注)

実験炉の発電成功で、高速増殖炉の商業化に自信を持ったのでしょう。福島原発事故を目の当たりにして、中国政府内にも原子力開発計画に対する迷いが生じているのではないかと私は感じていました。震災以降の福島原発に関する中国メディアの報道に、その迷いは十二分に反映されていたのです。

しかし、6月ごろから中国全土で電力不足が深刻化します。日増しに肥大化する電力需要、そして大規模停電という現実を前にして、やはり原子力発電が必要だという認識に迷いが打ち消されたというのが実状ではないでしょうか。


■中国原発政策の「本気」宣言

原子力発電を本格的に推進するためには、ウラン資源確保や使用済み燃料再処理の問題、安全性の担保などを総合的に考える必要があります。使用済み燃料の問題を考えても、中国は高速増殖炉の開発を急ぐ必要がありました。今回の万鋼部長の発表はとりもなおさず、「今後も原発をやめない」という中国の「本気度」であると解釈できます。

今のところメディアからは、原発に対する批判の声は挙がってきていません。今回の高速増殖炉の実験炉の発電成功のニュースも「高速増殖炉発展の第一歩だ」として称賛と期待の声一色になっています。

今回の高速増殖実験炉の成功で、中国は原発大国への道をさらに進めてことになります。しかしその一方で、原発の安全性や安定性に関する声は聞こえません。原発に対して疑念を抱く中国人は今後出てくるのでしょうか……。期待したいと思います。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。


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