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深刻さを増す中国不動産市場、投機マネーは地方に逃げるも……=政府と投資家のいたちごっこ―翻訳者のつぶやき

2011年08月27日

■日本がいつか来た道をたどる中国■

現在、不動産市場の冷え込みが中国各地で問題になっています。これまで政府が打ち出してきた、さまざまな住宅購入制限政策の影響もあり、北京市をはじめとした大都市の住宅不動産取引量は急落。住宅のだぶつきが深刻化しています。


2 similar blocks of condos like my aunt's / tsuihin - TimoStudios



■新築住宅の成約量がここ3年で最低

財経報の報道によると、8月1日から21日までの北京市新築住宅成約量はわずか2781戸。前月同期の5609戸と比べて50.4%もの急落となりました。昨年同期の成約量である3216戸と比べても13.5%の減少で、ここ3年で最低となりました。

一方、住宅在庫は雪だるま式に増え続け、22日時点で10万8407戸にも達しています。現在のペースで新築住宅を売り続けるのならば、在庫がはけるまでに2年間かかる計算です。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやきの許可を得て転載したものです。


中国では9月、10月が不動産販売のピークで、「金九銀十」という言葉があるほど。業者もこの時期に販売開始を合わせてくるだけに、新築商品住宅在庫は8月末から9月には11万戸の警戒ラインを突破するだろうと、観点地産網は予測しています。

不動産業者の資金繰りが悪化すれば、赤字覚悟の住宅たたき売りが始まるのも必至です。ひとたび価格が急落すれば、消費者はさらに様子見を続け、販売数がさらに悪化する泥沼的悪循環を迎えることになります。そうなってしまえば、「日本がバブル崩壊後に歩んだ道に一直線」でしょう。


■制限政策の有無で生じる都市ごとの価格格差

ただし、以前の記事でもご紹介したとおり、住宅価格は全国一様に下落しているわけではありません。地方の二線都市、三線都市の中には住宅購入制限政策を実施している都市もあれば、していない都市もあります。そのため住宅価格の都市間格差が大きくなっているのです。開発業者や投資家は制限政策を導入していない都市を選んで重点的に投資する動きを見せています。
(前回記事:「あいまい規定で価格抑制策の足並みそろわず=2線・3線都市の不動産高騰―翻訳者のつぶやき」 KINBRICKS NOW、2011年8月27日)


■国務院が住宅購入制限措置の指定基準を発表


こうした動きを重く見た中国住宅・都市農村建設部は、17日、住宅購入制限措置導入の実施基準を発表しました。

・6月の新築住宅価格指数の前年同月比で伸びている。あるいは1月から6月までの月別に見た新築住宅価格指数の伸びが比較的高い都市。またはランキングで上位に位置する都市。

・6月の新築商品住宅価格が昨年末比で、住宅価格抑制目標を上回っている都市。また目標に接近している都市。

・1月から6月までの新築住宅の成約戸数が前年同期比で比較的急速に伸びている都市。

・すでに住宅購入制限措置を導入した都市の周辺に位置する都市。住宅購入者に占める市外出身者が割合が高い都市。

・住宅価格の伸びが過度に急速だったり、調整政策が不十分などの際立った問題を抱え、社会からの強い訴えがあった都市。

以上の基準のいずれかに合致した場合、省、自治区、直轄市はその旗下の都市を購入制限政策導入対象都市と定めることになります。

通達を受け、該当しそうな都市では「駆け込み需要」が発生しています。 国土が広い中国のことですから、このような「混乱」が今後も一定期間続くことは間違いなさそうですが、最終的には投機対象となる稼げる土地がなくなってしまうことになるでしょう。

そうなれば、出口を失った不動産業界に荒波が押し寄せることは必然です。「日本がかつて歩んだ道」を、今、中国も着実に歩みだしていると言えそうです。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやきの許可を得て転載したものです。


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