中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
■「道徳主義の名の下に行われる暴力はとても悲しい」
「道徳主義の名の下に行われる暴力はとても悲しい」とダライ・ラマ法王は、これを「病気が直ると思って飲んだ薬により、もっと病気がひどくなるようなものだ」という喩え話を引用し説いた。
20世紀の殺戮は人類の問題を解決することができなかったとして、問題を解決する唯一の手段として対話促進の必要性を強調した。
「神や仏に祈ることで理解を得ることはできない」「お互いに話し合う努力をしなければならない」と法王は言う。
より良い世界を建設するための個人の役割に付いて法王は、「政府ではなく、各個人が世界をより公正なものにする力を持っている」と述べる。
「慈悲を育むことはまず、その人一個人の心の中で始められなければならない。その後自分の家族とその心を分かち合うべきだ」と2006年にカナダから名誉市民権を与えられたダライ・ラマ法王は語る。
ノーベル平和賞受賞者は、世界的問題である気候変動や汚職に如何に対処すべきかについても語る。
「汚職は地球上のある新種の病気のようなものだ」と法王。
■「中国は独立した司法機関を作るべき」
さらに、ダライ・ラマ法王は「道徳不在」と中国共産党に苦言を呈し、ヒマラヤ地域における鉱山開発に対する危惧を述べた。「政治的失敗は取り返すことができるが、エコロジーはそう簡単ではない」と言う。
AFPの引用によれば、亡命チベット人の精神的指導者は「中国は情報がもっと自由に伝えられるようにすべきだ。そして、独立した司法機関を作るべきだ」と語ったという。
中国が共産主義から民主主義へと急激に変わることは「多くの問題を生むであろう。今、中国に必要なものは報道の自由と司法の独立だ」と語った。
会議には、オックスホード大学イスラム教学者であるタリック・ラマダン氏、作家ディーパック・チョプラ氏をはじめ、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教を代表する著名な宗教学者や精神的思想家が参加し、パネルディスカッションが行われた。
*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。