中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月18日
■ビッグイベントに「昇格」した九・一八
東北三省が「九・一八」事変80周年を記念 過去最大の規模に(2011/9/18 新華社)
東北三省初の合同開催 九一・八警鐘式典(2011/9/18 鳳凰網)
昨年まで、サイレンは午後9時18分から3分間鳴らされていましたが、今年は午前9時18分からに変更されました。もちろん式典開催時間に合わせての変更です。
鐘を14回鳴らしたのは、中国が柳条湖事件から日本の敗戦まで14年間抗戦を続けたという神話に基づくものです。動画を見ると、休日にもかかわらずイベントに強制参加させられた児童の姿が見えます。
なお、中国最大の「民間」反日団体である中国民間保釣聯合会は、式典の開かれる瀋陽市の「九一八歴史博物館」で抗議活動
を開く予定だったものの、北京から飛行機で瀋陽に到着した時点で参加予定者が公安に連行され、博物館職員でもある会員も同様に妨害されています。同会報道官はこれを「公民権を無視したもので、公安の扱いに非常に怒りを覚えている」とコメント。
また、記念式典の会場近くでは数十人規模の集会が開かれました。反日スローガンをひとしきり叫び、尖閣諸島は中国固有の領土であるといつもの主張を経て、ついでに日本国旗を燃やしてみたものの、そこでアウト。取り押さえられています。会場周辺は1000人以上の公安が動員されていたようで、警備をかいくぐっての集会成功となりました。保釣よりも行動力はあるかもしれませんね。まあ、彼らは保釣みたいにマークされていないですけど。
■日本からの参加者
日本の中国侵略元兵士、長春で歴史を懺悔し頭を下げ謝罪(2011/9/16 中国新聞網)
日本からは第二次世界大戦に参加した元兵士や学生、研究者で組織された学術団体「日中口述歴史・文化研究会」が、土下座しにわざわざ長春を訪れています。スピーチをする日中友好協会の常任理事さん、なかなか中国語が流暢ですね。
また字幕で日本人参加者が全く言ってない内容を、物凄い勢いで補足していく技術には感服しました。中国語の情報量は日本語の二倍から三倍ありますからありえないのですが、そんな事はモノリンガルの人民には分かりません。
中国で土下座するというのはこういう事なのです。晒し者になっている真実を知らないというのは、案外幸せかもしれません。東北三省だけでなく、全国各地で関連式典や「日本の中国侵略を示す」展示会が開かれていますし、温家宝がSMAPを呼んでいる横でやる事はしっかりやっている、という点についても知っておくべきでしょう。
*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。