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第11回宗派代表者会議=法王の自身の生まれ変わりに関する発言と声明―チベットNOW

2011年09月25日

■第11回宗派代表者会議/法王が自身の生まれ変わりに関する話と声明を■

会議の始めに最近遷化したニンマ派高僧キャプジェ・トゥルシック・リンポチェの冥福を祈って黙祷を捧げる参加者たち。

昨日、ツクラカンでの祈祷会が終った後、ダライ・ラマ法王はじめ各派の高僧たちはスーリアホテルに向かった。「第11回宗派代表者会議」の2日目を開くためだ。各派のトップ高僧たちが集まりチベットの宗教に関する様々な議題を討論するこの会議は2年毎に行われている。参加者については直前のブログを参照されたし。

一般にはチベット本土で中国当局による宗教弾圧が続く中、如何にチベットの宗教を守るべきか、世界中に広まりつつあるチベットの宗教の質を高め更なる発展を目指すにはどうすべきか、が主題となる。特に近年、中国当局が高僧の生まれ変わりに対する管理を強化していることに対する対抗策も大事な議題である。

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今回の議題は、

1.前回の会議で決議された項目の進捗状況報告。

2.法王の提案であった僧院教育の強化について。

3.ポン教を含め各派の学問を終了した尼僧に対し(ゲシェマ等の)称号を与えるかどうかについて。

4.第9回から引き続き討論されている、僧院教育の中に科学などの教科を加えることについて。

5.尼僧戒について。


*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


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2日目には法王が出席され、自身の後継者問題を含め、話をされた。まず、「かつて亡命以前には各宗派の代表的なラマたちが一度に集まるということは無く、お互い名前を聞き知っているぐらいで、顔を合わすことは稀であった。亡命後すぐにこのように各宗派の主だったラマたちが集まる機会を作った。

こうして他の宗派のラマ同士が顔を合わせ、気心知れる近しい存在となることは非常に大事なことである。チベットの宗教が危機的状況にある今、全ての宗派が団結する必要があるからだ」と述べられた。

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*右手最前列はガンデン・ティパ。

さらに、「一方でチベットの宗教は世界から『宝』との認識を得始めているが、この『宝』は知識を深め、内的現成の力を高めることによってのみ守られると知るべきだ」と。その他、「自宗の教えだけでなく、他宗の教えも学ぶべき」と話され、「各宗派とも密教だけでなく、顕教も合わせて勉強することを勧める」「僧院では科学教育も加え、論理学を取り入れることも勧める」と述べられた。


■自身のヤンシ(生まれ変わり)についての発言

最近自身の政治的権限を選挙で選ばれた首相に手渡したことは、「時期を得た適切な決定だったと思っている」と話され、その後、いよいよ自身の後継者に付いて語られた。

「自分のヤンシ(生まれ変わり)についてだが、前からこの話はあるが、最近とにかくメディアがさいさい聞いて来てうるさい。この前アメリカでも新聞記者がヤンシのことを訊く、私は冗談に眼鏡をはずして彼に顔を近付けて『ヤンシの話を急ぐ必要がある顔に見えるか?』と言った。彼は『そんな風には見えません』と答えた。へへへへへ……。

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ま、このことは全ての宗派にも関わる事だし、書面でちゃんと発表したいとは思ってる。今日皆さんの手元には私の考えを書いた書面が渡っていると思う。これに対し、各自が思う所を書面で回答してもらいたい。それをみてまた明日、話合いたいと思ってる。一ヶ月前にフランスのル・モンドとイギリスの新聞社のインタビューを受けた。彼らもまたヤンシのことを訊く。中国政府が選ぼうとしていると……。

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■「中国政府が私の生まれ変わりを探すなら、まず仏教を受け入れなければならない」。

まず、ヤンシというのは宗教に関するものだ。確かに過去には中国がこの事に関わったという歴史がある。しかし、そのころには中国も仏教を信じる国であったし、皇帝の何人かはチベットの高僧の弟子であった。このような事情で特別な関係があった時期のことだ。

今、中国共産党は宗教を遅れた利の無いものだと言ってる。チベット仏教を弾圧してもいる。さらに、『ダライ・ラマは悪魔だ』と言ってる。だから、『悪魔のヤンシは生まれちゃならない』と言うのが筋だろう。『悪魔』と言いながら、一方でヤンシを選ぶというのはまるでおかしな話だ。ハハハ……そうじゃないかな?

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また、中国政府が私のヤンシを選ぶというなら、その前にまず仏教を受け入れなければならない。前世・来世を信じないといけない。そして、毛沢東のヤンシを探し出して、次に鄧小平のヤンシを探し出し、その後でダライ・ラマのヤンシを探すと言うなら話も解らないでも無かろう。ハハハ、、、こんな冗談飛ばしたら、記者も大笑いしたよ。ハハハ……。

何れにせよ、話は『私のヤンシ』についてだから、自分が選ぶ話であって(中国等の)他の者が決める事じゃないことは確かだ。これが一つ。もう一つは1969年から『ダライ・ラマ制度を存続すべきかどうかはチベットの人々が決める事だ』と言って来てる。90歳になったころに本気で決めれば良いことだと思ってる。

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■法王が自身のヤンシに関し正式な文章を発表

これを書いている間に法王から自身のヤンシに関する正式な文章が発表された。His Holiness The Dalai Lama(チベット語版)His Holiness The Dalai Lama(英語版)

私が(ゲンドゥンドゥップ=ダライ・ラマ1世が亡くなった歳)90歳頃になった時、チベット仏教の高僧たち、チベットの民衆、その他チベット仏教を信仰する関係者たちに意見を求め、ダライ・ラマ制度を存続すべきかどうかについて再考したいと思っている。その結果に従い結論を出す。

もしも、その時点で、ダライ・ラマ制度は存続すべきと決まり、15世ダライ・ラマを選ばねばならなくなった時には、その責任は主にダライ・ラマのガンデン・ポタン・トラストの関係責任者たちが負う事になる。彼らはチベット仏教各宗派のトップたちの意見を聞き、さらにダライ・ラマの法灯と不可分である信頼できる誓願の御法尊にお伺いをたてるべきである。彼らはそれらの関係存在者から助言と指針を得て、過去の伝統に従い捜索を進め、認定を行うべきである。私もこのことに関し明らかな指示書を残すことであろう。

このような正当な方法により承認された転生者以外、中華人民共和国を含め、いかなる第3者が政治目的で選んだ候補者も承認したり、受け入れたりしてはならないと心するように。

ダライ・ラマ
2011年9月24日、ダラムサラにて

英語:
When I am about ninety I will consult the high Lamas of the Tibetan Buddhist traditions, the Tibetan public, and other concerned people who follow Tibetan Buddhism, and re-evaluate whether the institution of the Dalai Lama should continue or not. On that basis we will take a decision. If it is decided that the reincarnation of the Dalai Lama should continue and there is a need for the Fifteenth Dalai Lama to be recognized, responsibility for doing so will primarily rest on the concerned officers of the Dalai Lama’s Gaden Phodrang Trust. They should consult the various heads of the Tibetan Buddhist traditions and the reliable oath-bound Dharma Protectors who are linked inseparably to the lineage of the Dalai Lamas. They should seek advice and direction from these concerned beings and carry out the procedures of search and recognition in accordance with past tradition. I shall leave clear written instructions about this. Bear in mind that, apart from the reincarnation recognized through such legitimate methods, no recognition or acceptance should be given to a candidate chosen for political ends by anyone, including those in the People’s Republic of China.




The Dalai Lama
Dharamsala

*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


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