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無料の療養所で心も体もリフレッシュ!労働者に手厚いソ連時代の名残―ロシア駐在日記

2011年09月30日

■森の中の療養所■

今日は気温+7℃~+12℃で、そしてまたまた雨。先週一泊だけ、うちにキーラフのおじちゃんとおばちゃんが泊まりに来ました。実は、ニジニ・ノヴゴロド市の郊外にあるсанаторий(療養所)に向かう途中でした。


■ソビエト時代から続く無料の宿泊療養所


ロシアは、ソ連のときから療養所がたくさんあります。自然が豊かなところに位置し、宿泊施設に3回の食事。ゆっくり休むだけのところもあれば、何らかの治療が受けられるところもあります。私の周りのロシア人からよくこれらの施設利用の話を聞きます。

キーラフのおじちゃんは今年の4月で鉄道の仕事を定年退職したばかりです。そして今月鉄道が運営している療養所のバウチャー(滞在期間2週間)を夫婦二人分無料でもらいました。退職祝いとしてもらったのではなく、どうも定期的にそういう券が回ってくるようです。マッサージやジャグジーがあるので、自然を満喫しながら疲れた体を癒すことができる施設のようです。


Санаторий им.Герцена / kudinov_dm


*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。


■各地に点在し頻繁に利用される


イルクーツクに住んでいる甥っ子も今年の夏に黒海にある療養所で一ヶ月過ごしました。交通費は自己負担ですが、滞在費・治療費は無料です。甥っ子は喘息があるので、黒海で他の子供たちと遊びながら治療も受けられるいい機会となりました。

こうした例は他にもいっぱいあります。会社のロシア人同僚で30代にして今年の夏に心筋梗塞を起こしてしまった人がいます。彼も、退院した後一ヶ月ぐらい療養所で治療を受けました。「治療」である以上、こういうところでの滞在費は無料かとても安い金額に抑えられています。

実は、イルクーツクでも、私の実家から5分歩いたところに同じような施設(Курорт «Ангара»)があります。松の木の林の中でいくつかの建物があって、おしゃべりしながらゆっくり散歩している療養中の人たちに年がら年中出会います。林のリスたちは人間にすっかり慣れているので、勝手に肩に上ったりしてひまわりの種などを要求しています。宿泊しなくても、お散歩するだけでも癒される場所です。


■年配者の休息の場にも


療養所の暮らしのスピードがゆっくりなので、重い病気にかからない限り、若い人たちが泊まりたがらないです。しかし、上の世代は「活動的な休みも楽しいけど、こうしてぼ~っとするのもたまには必要だ」という意見の人が多いようです。いわゆる「病気」でなくても「胃腸が弱い」というような状況だけでも受け入れてくれる療養所がありますので、活用している人が多いようです。

ロシアで暮らしているとき日常的によく話題に登る療養所です。一方、日本では私はこのような施設の話を一度も聞いたことがないので、存在しているとしてもロシアほど普及していないのでしょう。療養所は労働者を大事にしていたソ連の名残だと思います。


■全体的にゆっくりなロシア人の暮らし

それにしても、ロシア人の暮らしは全体的に日本よりもペースがゆっくり。仕事自体も日本よりペースが遅い(そうでもない会社もありますけれども、日本と比べるとごくわずか)。それでいて時間をかけてみなさんしっかり体を休めています。

日本には日本のよさがあって、ロシアにはロシアのよさがあるんだな~とつくづく思います。どこの国に行っても楽しく暮らす秘訣は、その国のよさを見つけて楽しむことに限ると思います。ロシアは日本と比べると治安もサービスも悪いし、どんな手続きも時間がかかる。

ニジニ・ノヴゴロドでは日本の食材はほとんど手に入らず、韓国料理のレストランも中華料理のレストランもありませんので、食生活についてはかなり欲求不満が溜まります。しかし、休暇に関しては毎年決まった日数を消化できるようになっているので、家族で過ごす時間が多いのはとてもありがたいことです。

あっ、療養所は基本的に病気を持っている人向けだから我々家族に縁がないことを祈るばかりです。

*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。


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