中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月03日
■市政府職員が銀行に「駐留」
通達を下したのと同じ29日、温州市政府は記者会見を開き、経済金融安定と民間金融の「規範対策」(法律通りに運用させること)を導入すると発表した(財経網)。で、その経済金融安定策が凄まじい。県級支店以上の銀行に市政府職員を駐留させ、貸しはがし、融資縮小を監視させるというもの。
低い金利なら割に合わないけど貸したくないと銀行が考えても、居座っている市政府のおっさんが「貸せ、貸せ、がんがん貸せ」と怒鳴りつけてくるというすば
らしいシステムだ。経済危機になると、すべての面倒は銀行におっかぶらされるような気がするのだが、うーむいかがなものなのか。
■デマの流布、暴力や軟禁による取り立ては厳禁=警察、裁判所が通達
ちょっと時間をさかのぼるが、26日には温州市警察、裁判所が合同で「デマの企業倒産情報の流布、暴力や軟禁による取り立ては厳しく処罰する」と通達して
いる。デマだけじゃくて実際にあった倒産情報、夜逃げ情報をネットに書き込んでも逮捕される予感がする。またわざわざこうした通達を出すあたり、暴力的取
り立てが相当横行しているのだろう。
9月だけで経営者3人が自殺(うち2人が死亡)、29人が夜逃げしたとあるが、暴力的取り立ての影響も大きいのかもしれない。一方で、給与未払いに怒って
経営者をとっちめる従業員というのもよくある話。これも「暴力的取り立て」認定をされると、怒った出稼ぎ農民と警官隊の衝突という騒ぎに発展する可能性もありそうだ。