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麻薬密輸組織が中国船舶を襲撃、船員11人を殺害―タイ

2011年10月09日

2011年10月5日、メコン川タイ流域で中国人船員を乗せた輸送船3隻が武装勢力に襲われ、うち2隻が拿捕された。乗員13人のうち11人は遺体で見つかった。残る2人は不明。

5日午前、華平号、王興8号、華鑫6号の輸送船3隻はメコン川タイ流域を航行していた。午前9時ごろ、ボート2隻に分乗した武装勢力の攻撃を受けたという。最後尾の華鑫6号は難を逃れたが、残る2隻は武装勢力に乗り込まれ、拿捕されたという。


Mekong Delta / David McKelvey



中国ネットテレビ局(CNTV)の取材を受けた王興8号の所有者・郭志強は、5日正午に船長から連絡を受けたことを明かしている。「今、吊車埠頭にいる。すぐ救急車を呼んでくれ。警察に通報してくれ。負傷者がいる」というだけの短いもので、その後連絡は途絶えてしまった。

また襲撃を受けた地点から5キロの場所で、ミャンマー領内との境にいた通関士がボート2隻に引っ張られて移動する輸送船2隻を目撃している。輸送船は誰も操縦していないようで、無線で呼びかけても返答はなかった。

6日付バンコクポストによると、ちょうどこの日、タイ軍は麻薬密輸組織の情報を得て同水域を捜査していた。午後1時半に問題の輸送船を発見。船上の武装兵士5人と戦闘になった。軍の銃撃により兵士1人が死亡。残る4人は逃亡した。死亡した兵士は中国籍ではなかったという。

その後数日にわたりタイ警察はメコン川を捜索したところ、中国人船員11人の遺体を発見した。警察は麻薬密輸組織が船を襲い、船員を殺害したと見ている。取り戻された輸送船から大量の麻薬が見つかったことを考えると、密輸組織が輸送手段とするために奪った可能性もある。

王興8号の所有者・郭さんは十数年もの間、メコン川流域で果物や野菜の輸出入業を営んでいる。治安は悪く、銃撃や強盗はしばしば発生したが、船の乗っ取りと全船員の殺害という惨事はこれが初めてだと話している。


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