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ビジネス記事とアダルト小説、悪魔の取引=エリートサラリーマンの転落―中国

2011年10月20日

29歳にしてメディア企業幹部というエリートコースを歩んでいた、「できる」サラリーマンが思わぬことで人生を台無しにしてしまった。ネットにアダルト小説20作品をアップした罪で、懲役5カ月を命じられた。19日、新京報が伝えた。

有罪判決を受けた鄭さんは修士号取得者。29歳の若さにしてメディア企業のプロディーサーリーダーという肩書きを得ていた。どう考えても人生順風満帆だった鄭さんの人生を狂わせたのは、中国サイトに多い「ゲーミフィケーション」システムだった。


Inside world's biggest book store / Robert Scoble



■ゲーミフィケーションとアダルト小説

ゲーミフィケーションとは最近、日本でも話題となっている言葉だ。レベルアップやスコア表示などゲーム的な要素をウェブサービスに盛り込むことで、ユー ザーを引きつけようとするもの。日本ではまだ取り入れているサービスはそんなに多くないように思うが、中国では様々なサービスに導入されている。毎日アクセスするとポイントがもらえたり、活発に活動すると肩書きが「平社員」から出世していったりというのが定番だ。

鄭さんが利用していたネットサービス(記事ではサービス名がふせられているがネット掲示板か、文書共有サービスのよう)もそうしたシステムを導入しており、ポイントをためなければ見られるテキストに限りがある。ビジネス・ネタなど読みたい文章はたくさんあるが、ポイントが足りない。という時に鄭さんを救ったのがアダルト小説だった。

このネットサービスでは、自分がアップロードしたテキストのアクセス数によってポイントがたまる仕組み。手っ取り早くアクセスを稼げるテキストとして白羽の矢が立ったのがアダルト小説だった。エロで稼いだポイントで、鄭さんはビジネス記事などをがっつり読める知的ライフを送っていたと思われるが、思わぬ落とし穴があった。


■エロは逮捕、知的所有権侵害はOK?

というのもアダルト小説の公開は「わいせつ物伝播罪」という法律にひっかかるのだ。アップした時点で犯罪だが、懲役など量刑を喰らうのはアクセス数2万ヒット以上を集めた場合となる。鄭さんは2009年からアダルト小説を20作品アップ、アクセス数は合計3万ヒットに達し、きっちり逮捕されることになった。

ところで、鄭さんがアップしたアダルト小説はどこから入手したのかというのが気になるところ。ビジネス記事を読むために必死でアダルト小説を創作した……というのなら面白すぎるストーリーなのだが、残念ながら自ら創作したとは書かれていないので、どこかから入手したものを勝手に転載しただけだろう。

ということは「わいせつ物伝播罪」と同時に「知的所有権侵害」も成立しているはずだが、そちらは問われていない。そもそもが違法なアダルト小説には知的所有権なぞない、という中国独自の法解釈かもしれないが、なんか納得できないのだが……。


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