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華僑を通じた「民間ルート」の中国文化普及=政府が後押し―中国(凜)

2011年10月24日

■華僑を使った中国文化の紹介■


■1:ソフトパワーの強化


2011年10月15日から18日まで中国共産党第17期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が開催され、「文化体制改革」について言及されました。その狙いについては様々な分析がありますが、『KINBRICKS NOW』がまとめ記事を発表してくれています。
(関連記事:「「文化体制改革」が意味するものとは?6中全会を考える―中国(2011年10月16日」)

さて、「文化体制改革」絡みの動きとして、中国新聞網に「侨务工作会议解读:以侨务助推中华文化走出去」(華僑業務活動会議解読=華僑の力で中華文化の海外進出を支援)という記事がありましたので、ご紹介します。

華僑業務活動会議は19日、20日の2日間、開催されていました。6中全会で決議された「文化体制改革」では、欧米の文化に対抗できる中国ソフトパワーの強化という目標が打ち出されたので、なんらかの対応をしなければならなかったのでしょう。


横浜中華街_46 / ajari


*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきも」の許可を得て転載したものです。


■2:華僑を使った「民間ルート」の中国文化普及

記事はまず、華僑の文化的欲求を解消するための、従来の取り組みを紹介しています。その骨子は中国国務院華僑弁公室の許副主任の声明に示されています。

世界各地の中華街、中国料理店、中国系診療所、そして中国民族の慶賀活動はさまざまなレベルで中国文化を現している。

許副主任は、優秀な中国文化を広めるためには、民間の力を活用することが最もダイレクトで、最も自然であると強調している。最も理想的な民間の力とは、世界各地に住む華僑だ。華僑を通して伝えられる中国文化こそ、最も深い影響を与えるものである。

なぜならば、華僑は現住国の文化を受け入れた上で、中国民族の特性を持ち、中国語を学ばなければならないことを自覚し、中国文化を継承しているからだ。

華僑を文化的に支援する国の活動が、華僑による民間の中国文化普及効果を生むというロジックです。


■勝手に「国を背負わされた」華僑

「華僑の皆さん、大変ですね」というのが私の感想です。仕事やら留学やらプライベートの都合に加えて、母国の任務まで背負わなければならないわけですから。

日本でも「海外留学=エリート」であった時代は、個人が「日本人の代表」という覚悟を背負っていた時代もありました。ですが、そんなつもりは毛頭ないのに、おまえは「国の代表だ」と後付けされるのはちょっと大変ではないかと思います。

「旅の恥はかき捨て」と、海外では好き放題やってもいいなどというつもりはありませんが、「華僑を通じた中華文化普及」という政策は、「国家が個人の内面にまで干渉する」事例ではないでしょうか。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきも」の許可を得て転載したものです。


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