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17歳少女を地下室に監禁=誘拐事件解決の手がかりはUSBメモリ―四川省

2011年10月27日

2011年10月26日、検察日報は記事「地下室監禁158日=ついに救出された四川省の少女」を掲載した。

4月5日、四川省眉山市仁寿県。「友達の家に泊まってくるね」という電話を最後に17歳の少女・小雯さんは姿を消した。翌日になっても、翌々日になっても小雯さんは帰って来ない。7日朝、小雯さんの両親は警察に通報した。これが158日間にも及ぶ、悪夢の誘拐事件の始まりとなった。

20111027_少女監禁
*画像は海峡都市報の報道





■USBメモリに納められた動画

失踪してから3週間が過ぎた4月26日、小雯さんの両親は1本の電話を受けた。「娘は預かった。返して欲しければ7万元(約84万円)を用意しろ」という内容だ。両親はただちに警察に通報した。警察はひそかに捜査を始めたが、その後は犯人からの連絡もなく、手がかりすらつかめない状態が続いた。

5月9日、2回目の電話があった。警察に言われたとおり、小雯さんの父親は娘と会話させて欲しいと頼み込んだが、断られた。翌10日、3回目の電話があった。仁寿県の天仁公園のあるゴミ箱にUSBメモリが置いてある。その中に小雯さんの動画が保存されている、と。急いで公園に向かうと、確かにUSBメモリがあった。保存されていたのは短い動画。「お父さん、助けて、助けて」と叫んでいたのはまぎれもなく小雯さんだった。

意外だったのは動画が送られてきた後、再び犯人からの連絡が途絶えたこと。警察は動画を頼りに監禁地点の特定を進めた。9月時点で、四川省資陽市雁江区南津鎮のどこか、とまで特定作業は進んでいたという。

そして9月4日、4カ月ぶりに犯人から4回目の電話があった。「もう一度、動画を渡す。今度、金が用意されなかったら、その動画が娘と会う最後の機会になる」との内容だった。指定された場所にあったのはやはりUSBメモリ。小雯さんが泣いている姿だけが保存されていた。


■ついに見つかった手がかり

だが、警察は何度も動画を確認している中で、冒頭部分に外の風景が録画されていることに気がついた。1秒にも満たない時間だが、道路と畑が映し出されている。おそらくは建物の入り口から外を撮影したもの。監禁地点で撮影された可能性が高い。

かくして警察は南津鎮でローラー作戦を展開。南津鎮湖広村4組の民家が監禁地点だとの特定に成功した。住民は趙品剛と妻、その娘の3人。趙は出稼ぎで成都市に住んでおり、家を空けていることもわかった。

9月9日、救出作戦が始まった。果たして民家の地下室に小雯さんは監禁されていた。警察が踏み込んだ当初は状況を理解できず、「解放して!お父さん、お父さん……」と泣いているばかりだった。監禁されていたのは数平方メートルしかない狭い部屋で、窓もない。直径10センチの排水管が通風口としてあるばかりだった。158日もの間、小雯さんは足かせをつけられ、この小さな監獄に閉じ込め続けられていたのだった。

警察の取り調べを受けた趙品剛夫妻は金が欲しくて誘拐画したと供述している。2年前に家を改装した時に、この監禁用地下室を作ったというから、きわめて長期にわたる計画的犯罪だったことがわかる。足がつかないよう、地元ではなく他地域で誘拐するなど慎重な犯行だったが、1秒足らずの短い時間とはいえ、家の外部を写した動画を送ったことが命取りとなった。


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