• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

【中国斜め読み】太子党、団派、江派……中国政局を読むための8大派閥(ujc)

2011年10月30日

■お勉強の時間です■

*当記事はブログ「The Useless Journal of CHINA」の許可を得て転載したものです。


多維網が中国政治の新しい見方として、8つの派閥カテゴリーから分析する方法を提唱中。ちょっと解説してみましょう。


■8つの派閥カテゴリー


(1)太子党:
説明不要のボンボン派閥。次期国家主席の習近平を筆頭に、薄煕来、俞正声など中央政治局から軍(劉源)・国営企業(胡錦濤の息子胡海峰、ムービースタアの息子温雲松など)・金融系(江沢民の息子江綿恒)まで幅広く活躍中。

20111030_習近平_太子党_中国
*習近平。次期国家主席の座につくことが、事実上決定している。写真は中国共産党新聞の報道。


(2)団派:
これまた説明不要の大勢力・ユース組織たる「共産主義青年団」出身の政治家たち。胡錦濤を筆頭に李克強、李源潮、汪洋など。現在では団派が地方のトップのうち1/3を占めているという見方も。

20111022_li_keqiang
*李克強。写真は鳳凰工視の報道。



(3)江派(上海閥):
前国家主席江沢民の影響を強く受けている利権集団。現在は呉邦国、賈慶林、李長春、賀国強、周永康と中央常務委員でも大多数を占めているものの、18大では大幅に数を減らすことが確実視されている。大ボスがいつまで表舞台に立っていられるかが勝負の分かれ目。


(4)地方実力者:
地方勤めを歴任しながら出世してきた実力派。次期18大では薄煕来や汪洋、俞正声などが常務委員昇格確実な情勢ですが、他にも

郭金龍・北京市長(四川→チベット→安徽→北京)

王岷・遼寧省党書記(江蘇→吉林→遼寧)

栗戦書・貴州省党書記(河北→陝西→黒龍江→貴州)

などがこれに該当。地方を廻っているうちに歳をとるのが問題点。郭金竜なんかあと2~3年早くチベットのトップに立っていれば……。てくらいな人物と聞いていたんですが。

20111030_薄熙来_中国
*薄熙来。写真は人民網の報道。



(5)エリート:
次期トップの習近平(法学博士号)、そして李克強(経済学博士号)がともに博士号を取得しているように、領導たちの高学歴エリート化が顕著に進んでいる。他にも高い専門性をもって国営企業のトップクラスから地方の領導へと転身する人物(例:張春賢・張慶偉・郭声琨など)や海外の大学を卒業した海亀族(楊潔チ外交部長)などが該当。天下の名門・金日成総合大学を卒業された張徳江副総理を海亀派のエリートと判断するかは、みなさんのお好きにしてください。


(6)中央官僚:

党や国務院での各中央弁公室勤めが長く、そこを出世の足がかりとした人々。天安門事件の時に泣きながら趙紫陽総書記に傘をさしていたムービースタアなんかが典型ですな。一昔前の「テクノクラート」と同類の概念ですが、なかでも「秘書派」という秘書経歴のある人物が上司の覚えめでたく出世を駆け上るパターンが多く、国務院の各部門トップは秘書経験者が大半を占めているとのこと。


(7)清華・北大閥:
文字通り、中国の双璧・清華大学と北京大学出身者。胡錦濤・呉邦国・習近平が清華大学出身者で、李克強・薄煕来・李源潮が北京大学出身。ちなみに文系理系の別も面白く、常務委員は理系出身者が多数を占めるのに対し、中央政治局委員になるとほぼ半々、地方のトップになると文系の方が多くなるという逆転現象が発生しています。


(8)職業役人:
元々は三農(農民が貧しく、農村が立ち遅れ、農業が発展しない)問題の対応策の一つとして、95年ごろから大学生卒業生を農村の幹部として派遣してきた制度がきっかけ。企業や役所勤めを経験することなく幹部役人「村官」を経験することから職業役人と呼称されています。現在では約20万人の「村官」がいると言われており、未来の中央政治を担う人材を輩出するだろうと言われています。

*当記事はブログ「The Useless Journal of CHINA」の許可を得て転載したものです。

トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ