中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年10月31日
■名将トルシエの失敗
*画像は体壇週報の報道。
日本を「アジア最強国」に育て上げた名将としてトルシエ監督は鳴り物入りで、今年2月、深圳ルビーの監督に就任した。就任当初は「1年目はリーグ6位以内、2年目はリーグ3位以内でアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得、3年目はACL優勝だ」と豪語していた(レコチャ)。が、結果はというと、1998年から2011年までの14年間、1部の座を守り続けてきた深圳ルビーを降格させるという大失態を犯してしまった。
日本代表でも成功したパスサッカーを中国にも根付かせると目標だけは高かったものの、開幕から7戦連続未勝利という最悪のスタート。「思っていた以上に選手がサッカーを分かっていなかった。戦術を教える前にボールの蹴り方を教えないといけない」とぼやいたまま、浮上することなく降格圏をさまよい続け、最終節を待たずして二部落ちが決まった。元日本代表のFW巻誠一郎選手をはじめ、外国人の故障が相次いだとはいえ、言い訳できない内容だろう。
31日付中広網には「私は失敗者だ」との殊勝なコメントが収録されているが、我らが赤鬼はただただ反省しているような玉ではなかった。29日付体壇週報のインタビューでは、「責任取るよ!来年も監督を続けてチームを復帰させるよ!」と言いながらも、「チームが弱すぎたわー。こりゃ優秀な外国人選手と十分な資金が不可欠だね。ぐふふ」とおねだりモードに。さすがである。
■楽山孝志選手の活躍
深圳ルビーは残念ながら降格が決まったが、「中国スーパーリーグ、日本人初ゴール」も記録した楽山孝志選手は主力選手として大活躍した。当初は出場すら危ぶまれた存在だったが、29節まで全試合を出場。ほとんどの試合でフル出場を果たしている。
*中国スーパーリーグ2011・第29節 山東対深圳ダイジェスト
第29節では2アシストの大活躍(うち1アシストはゴールポストを叩くシュートの跳ね返りを味方が決めたもの。アシストとは言わないような気がするが、中国メディアは「楽山2アシスト」と報じている)。チームが不調の中でも高い評価を得た。
来年も中国リーグに残れるだけの成果は十分にあげている。