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「中国初の火星探査機」軌道投入に失敗=失敗しても「ロシアよりはまし」と中国官制メディア

2011年11月10日

2011年11月9日、中国の火星探査機「蛍火1号」を載せたロシアのロケットは軌道投入に失敗した。



Soyuz TMA-8 / NASA on The Commons


■中国初の火星探査機

ロシアの火星探査機、打ち上げ成功も軌道外れる
ロイター、2011年11月9日

火星の衛星「フォボス」の土壌サンプルを採取するため、ロシアの探査機がモスクワ時間の9日午前零時16分(日本時間同5時16分)にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地からゼニト2SBロケットで打ち上げられたが、火星に向かう軌道を外れた。インタファクス通信が伝えた。

(…)探査機「フォボス・グルント」は地球周回軌道に到達した後、エンジン点火に失敗した。バッテリーが切れる3日以内に正しい軌道に戻さなければならないという。

「あれ、ロシアの話じゃん?!」と不思議に思われるかもしれないが、「フォボス・グルンド」と相乗りする形で中国初の火星探査機「蛍火1号」も打ち上げられていた。火星到着後は軌道上から1年間にわたり観測する予定だったが、計画失敗の危機に瀕している。


■新華社の恩知らず記事

まだリカバーの余地は残されているようだが、状況はかなり厳しい。中国官制メディアはどう報じるのか注目していたところが、10日付新華網に「短評:火星は依然として寂しいが長くは待たせない」が掲載された。

中国国産SF映画「火星宝貝之火星没事」を引用し、「火星人が地球に来るのはこんなに簡単なのに、地球人が向かうのはなぜこんなに大変なのか」と嘆くというアヴァンギャルドな冒頭に驚いた。

記事の内容は、

・火星探査機の打ち上げは、軌道の問題から、2年に1回しかチャンスがない。
・1960年以来、米国とロシア(旧ソ連時代含む)は2年後に打ち上げ競争を続けてきた。
・米国の打ち上げ回数は20回。うち成功は14回。
・ロシアの打ち上げ回数は18回。成功回数はいまだにゼロ
・火星人と米国人がこっそり手を結んで、ロシアの探査機を撃墜しているという噂もあったほど。
・有名漫才師・郭徳綱は言いました。「上見て暮らすな、下見て暮らせ。
最初の一回が失敗したぐらいでくよくよすんなよ!他人様は18回連続失敗ってのもあるんだから!

相乗りさせてもらったことをすっかり忘れたかのような、ロシア・ディスにびっくり。まあ、探査機は失われてしまうかもしれないが、軌道投入の失敗は中国の責任じゃないので、新華網の筆致もかなり軽くなっているのではなかろうか。


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