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「郷庁舎爆破事件は政府の陰謀だ」と現地住民=事件を口実に僧侶を弾圧―チベット(tonbani)

2011年11月15日

■ウーセル・ブログ「関心喚起:カルマ僧院の僧侶逮捕、避難の現況」/当局の陰謀か?■

*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


20111115_カルマ僧院_爆発_えん罪

ウーセルさんは12日付けブログの中で、最近チャムド、カルマ郷で起こったと言われる庁舎爆発事件に関し、1933年ドイツで起こった「国会放火事件」wiki)と呼ばれる、一党独裁を目指すナチス党によって仕組まれた政治的陰謀として有名な事件を例に出し、今回の爆発事件も当局の陰謀である可能性が高いと主張されている。

いずれにせよ、当局はすでに高僧はじめ多くの僧侶、尼僧を拘束している。彼らが今、偽の自白強要のために激しい拷問に遭っている事は確かであろう。

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『注目してください:カルマ僧院の僧侶逮捕、避難の現況』




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■カルマ僧院

カルマ僧院(噶瑪寺)はチベット東部・カム、チベット自治区チャムド地区カルマ郷にあるチベット仏教カルマ・カギュ派の祖寺で、チベット仏教の転生制度が始まった所でもある。チャムド地区三大僧院の一つで、第一世カルマパ・リンポチェ、トゥースム・キェンパによって1185年に創建された。

カルマ僧院はもともと深山の古寺であったが、文革前、文革期と何度も破壊された歴史を持つ。1980年代に再建された。現在、当局の規程では同僧院所属の僧侶は128人だが、実際は200人以上いるという。最高齢は85歳、最も若い僧は15歳である。


■「郷庁舎のビルを爆破」は本当か?

2008年にチベット全土で、耐えきれなくなったチベット人の抗議行動が爆発してからというもの、チベットの情勢は日増しに悪化している。当局の弾圧政策が強まる中、アムドのンガバやカムのカンゼ、タウなどで、12人のチベット人僧侶・尼僧の焼身事件が続き、世界の関心を集めている。

2011年10月27日、BBC中国語ネットは「チベット・チャムド政府のビルが爆弾で爆破された」と報道した。「爆破された政府の建物の壁には赤い文字で『チベット独立』のスローガンが書かれていた」との内容だが、驚くべき報道というしかない。
(関連記事:「チベット自治区庁舎で爆発事件=現場の壁に「チベット独立」の赤文字(tonbani)」2011年10月30日)

他の報道では、「チャムド県カルマ郷の政府庁舎で爆発事件が発生」と説明されている。チベットに行ったことのある人なら皆知っているが、チベットの郷都はみな小さく、郷政府庁舎も粗末な平屋根のセメントづくりでしかないのだ。「ビル」などあろうはずもないのである。

中国政府が海外メディア及びあらゆる国際組織のチベット立ち入り調査、取材を禁止しているため、海外メディアは新華社報道を転電するケースが多い。今回も同様で、証拠となる現場写真が一枚もないのが特徴だ。爆発は午前4時に起きたとされ、怪我人もいない。


■僧院への弾圧

これは非常にうさんくさい爆発事件である。2008年にはチベット東部のカム(チャムド地区ゴンジョ県キャベル郷、相皮郷]とマルカム県)でやはり爆発事件があった(*注)。多くの僧侶が逮捕され刑罰を科されたが、実際には現地政府の作り上げた偽りの事件、ナチスの「国会放火事件」と同じものであったチベット人の平和的抗議活動に「テロ活動」の濡れ衣を着せるとともに、地方官僚出世と金儲けのために政治的実績とすることが狙いだった。

3年前、ゴンジョ県キャベル郷のタンキャ僧院、マルカム県のウーセル僧院(維色寺)に対して行われた迫害とまったく同じことが今回も起きた。当局はカルマ郷のカルマ僧院に対し、狂ったような迫害を続けている。事件の翌日には大量の軍隊と警察がカルマ郷に押し寄せた。同地域を封鎖し、カルマ僧院を閉鎖し、僧院に通じる道を閉じた。僧院の僧侶全員の写真が撮られ、採血され、筆跡を取られた。なお、僧侶数十人が夜中に僧院から逃げ出し、山に逃げ込んだという。

最新情報によれば、8~9日前、武装した兵士、警官を満載した車輛多数がカルマ僧院に突入、70数人もの僧侶を拘束した。僧侶たちの消息は今もなく、行方は分からないままだ。山へと逃げた僧侶たちの状況も切迫している。極寒の高原の冬、山は大雪に覆われ、僧侶たちは飢えと寒さに悩まされ、耐え難い苦痛を味わっている。


■当局の無慈悲な宣告

当局の弾圧は僧院にのみとどまるものではない。カルマ郷やその付近の村々、さらにはナンチェン県(青海省玉樹チベット族自治州)にまで完全武装の軍人と警察が多数押し寄せ、チベット人家庭への捜査が行われている。

現在、カルマ僧院には年老いた僧侶たちだけが残っている。寺院や僧侶の家族に対して、当局は逃亡した僧侶が戻ってこなければ、拘束した人々を銃殺すると脅した。

「郷政府庁舎は爆破された。だが、庁舎は非常に粗末な建物だった。僧侶の犯行なんて考えられない。本当は誰が爆破したのか、お役人はよくご存知のはずだ」と現地の人々は話している。

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(*注)キャベの爆発事件については
参照:TibetInfoNetTibet Times チベット語版RFAチベット語版
2人の僧侶に無期懲役、6人の僧侶に5~15年の刑

マルカムについては下記過去記事を参照のこと:
マルカムで爆弾容疑で3人の僧侶が逮捕される(チベットNOW@ルンタ、2008年11月3日)

関連記事:
冤罪で逮捕されたカルマ=残された家族への残酷な仕打ち―チベットNOW(2011年6月10日)
「チベットの大義のため、他の建設的方法を」焼身抗議中止を訴える声明全文(tonbani)(2011年11月14日)

*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


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