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現地のエリート視点だけに染まらないために=海外現地調査旅行前に読むべき本(山谷)

2011年11月17日

■海外現地調査旅行について■

*当記事はブログ「チャイナプラスワンIT事情」の許可を得て転載したものです。


20111117_インド_IT_インドIT革命の驚異
*榊原英資『インドIT革命の驚異』。
書影クリックでamazonページへ。

電車の中で資料をチェックしたい時。携帯電話であれこれ見るのは、ページデータの読み込み時間がモッタイナイ。紙でもいいし、ダウンロードしたコンテンツでもいいし、ともかくオフラインがおすすめ。オンラインは時間を浪費する。


■榊原英資『インド IT革命の驚異』


なので電車の移動時間で何か読もうと、平成13年、つまり10年前に出たインドIT本を購入、読みはじめた。中古でなら時間も経過した本だし、1コイン+消費税で買える。この本は「ミスター円」こと、榊原英資慶応大教授・グローバルセキュリティリサーチセンター所長(当時)と、同センター研究員2名が書いている。

僕自身海外に調査に行く時、よく知らない場合は現地のJETROにアポとるか(企業人なら誰でもできる。要予約)、経済的に規模が小さくJETROのない国ではJICAの熱意ある若い方とお茶をすべくアポをとるかして情報を収集する。現地で働いている人の視点を日本人感性の日本語で聞くことには意味がある。

JETROが扱いそうな、人口小国でなく経済的に小さな国でもない国だと、その国の団体を紹介してくれるケースがある。たとえばインドのITを知りたいといえばNASSCOMとかを紹介してくれる(……だろうと思う)。
(NASSCOM:全国ソフトウェア・サービス企業協会の略。インドの主要IT関連企業が加盟している団体。wikipediaより)


現地の国の担当者(例えばNASSCOM)からいえば、海外から市場に興味を持ってくれる人が来るのだから、国の魅力を語るなら「インドはどれくらいすごいのか」、都市の魅力を語るなら「バンガロールはどれくらいすごいのか」をプレゼンテーションで紹介する。その後は、現地の団体とかがニーズにかなったオススメの会社や学校にひっぱっていって、「当社にはどれくらい日本語使いがいて、ISOを取得してるか」とか、そういった会社の定番のプレゼンテーションをやってくれる。

Connaught Place, Delhi
Connaught Place, Delhi / vladislav.bezrukov



■見えない庶民の視点

「そうした現地調査旅行インド編」を(本を読む限りは)ヒアリング旅行の視点からびっしりと書いているのがこの本。インテリな人とインテリな人が会えば、企業的・統計的視点や現地のインテリ成功者の立場でばかり見てしまう。かろうじてパソコンを持ってるくらいのちょい上ランクの庶民が何を考え、何をしたくて、何が欲しいのかが見えないのだ。(そこで僕の登場ですよ、とプチアピール)

もうちょっと言うと、誘致する外国側はその国その土地のいいことしか言わない。一方でモノ書きとしてはそれでは提灯記事になってしまうから、自分なりに経験則や知識を元にネガティブ要素を考えてバランスをとる。「政情ガー」とか「インフラガー」とか書いてバランスをとる。

地元側の主張をそのまま伝えている本を読むだけで満足して、現地事情がわかったと満足、勘違いしちゃだめ。


■予習本としては読んでおくべき


でもこの現地のヒアリングというのはないと困るモノで、数日間の調査旅行は本で代行できる情報だけで終わりそうだし(僕自身経験が浅いときは旅行のかなりの部分を占めていたときもあった)、そういう意味ではこれからインドに行くならこういう本を読むのはすごく大事だ。

たとえば中国にしても、はじめて行くならこういう「中国の市場規模は数年前からこれだけ拡大して~」のようなプレゼンの会話さえも録音したような本は大事だろう。ブラジルだろうとロシアだろうとインドネシアだろうとそういう本の重要性は変わらない。こういう本って、調査旅行の初期段階でがっちりヒアリングして学習して自前の知識を附加して書いていけばいいので、足を棒にする必要はないから比較的書きやすい。だから各国ごとに本は揃ってるはずだ。

だからこういう本を読んで予習した上で、それだけに満足せず、読んだ上でJETROに行ったときに突っ込んだ質問をして、税金で働いているJETRO職員を馬車馬のように走らせて、自らも得た知識を元に町歩きをし、本当に必要な企業と会う。

「これこそが要領のいい海外現地調査旅行ではないか?」と学歴がよろしくなく、規模の小さい自営業者が一人語りしてみた。

India - Delhi - 045 - Busy streets of Old Delhi
India - Delhi - 045 - Busy streets of Old Delhi / mckaysavage


P.S.ヤマヤよ、そんなお前はどういう風にリサーチしているんだ?という疑問点については

■KINBRICKS NOW、山谷剛史インタビュー

連載目次:海外在住フリーライターという生き方~山谷剛史
(1)連載コラム年間200本のライター術
(2)IT版深夜特急企画と中国在住という選択

(3)ダメ記事が増えた日本の中国報道に喝!

を自己紹介代わりにさせていただきたく。どうぞよろしくお願いします。

*当記事はブログ「チャイナプラスワンIT事情」の許可を得て転載したものです。


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