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アップル、中国ユーザーを切り捨て?!有料アプリがタダになる「ブラックカード」対策導入

2011年11月18日

2011年11月17日、アップルは中国地区でクレジットカード登録していないアップルアカウントのダウンロード禁止措置を導入した。激安で有料アプリ、アドオンが買える裏技、「ブラックカード」に対抗するための措置だという。


iTunes App Store - How Do You Find It?
iTunes App Store - How Do You Find It? / Matthew Oliphant


2011年11月17日、毎日経済新聞網が伝えた。筆者は「iTunes Store 中国」のアカウントを持っていないため、今回、アップルが導入した措置について検証できていない。今後、中国在住者に検証を依頼する予定だが、とりあえずは中国紙の報道を参照した。なお「iTunes Store 日本」では同様の対策は導入されていないもよう。あくまで中国のみを狙い撃ちにした対策のようだ。


■正規版iPhoneを買って、海賊版アプリで遊ぼう

Hiphone5やニセ・ジョブス伝までバカ売れするほどアップル大好きの中国人。もちろん海賊版だけではなく、正規のiPhoneもバカ売れしている。今年第2四半期は世界販売台数の20%は中国ではけていたとの推計もあるほどだ。
(関連記事:最速「非正規」入荷は明日、お値段は18万円!iPhone4S世界販売開始―中国

ITライター・山谷剛史さんから教わったことだが、海賊版王国・中国でもハードウェアはちゃんと正規のものを買う傾向が強いという。iPhoneしかり、PSPしかり。でもって、そのハードウェアで遊ぶためのソフトウェアは海賊版を使うという寸法だ。

iPhoneなどのiOS機器にしても、中国では「脱獄」、すなわちアップルのかけた制限を回避してiTunes Store以外からアプリをインストールしている人が多い。有料アプリの海賊版紹介サイトも多く、人気ゲームも全部タダでインストールしている。
(関連記事:iPhoneアプリは全部タダ?!中国最強iPhoneサイトは初心者にも優しいアングラサイトだった


■「脱獄」と「盗難アカウント」

もっとも「脱獄」にもそれなりの不便がある。第一に新しいバージョンのiOSが出ると、新しいツールが出回るまで「脱獄」ができない。そのため最新のOSをすぐに楽しむか、それとも古いOSのまま「脱獄」を優先させるか、どちらかを選ばなければならないということ。

第二にアプリそのものは海賊版を入れられても、ネットゲームの有料アイテムなどはアップルの決済システムを通じて、正規の方式で購入しなければならないという点だ。そこで使われているのが「ハッキングされたアカウントの」や「ブラックカード」を使う方法だ。

「ハッキングされたアカウント」とは読んで字の如く、他人様のクレジットカードでアプリを購入するという手法。流出したアカウントがネットショップで売買されており、口座の持ち主が不正利用に気づくまでにがすがすと買い物する。
(関連記事:「盗難アカウント買ったよ!チョー便利」中国ネット掲示板で暴露されたiTunesハッキング問題


■ブラックカードの横行

どれほどの数のアカウントが盗難されたかについてはアップルが公式の統計を出していないので不明だが、最近では対策が進んだせいか、「ブラックカード」(黑卡)問題のほうがむしろ話題となっていた。

「ブラックカード」とは、未返済などの理由で凍結されたクレジットカードのこと。このカード情報を使って、iTunesでお買い物が出来ちゃうという裏技である。凍結クレジットカードを登録しても、ひとまずはiTunesでお買い物ができてしまうのだ。
(参考リンク:「10倍の買物が可能!? 中国App Storeを荒らすブラックカードとは」SPApp!、2011年11月9日)

iOSアプリ開発者は「おお、俺のアプリが、有料アドオンがバカ売れしている!ばんざーい」と喜んでいたところで、後になってからアップルに「すまん。みんなブラックカードの買い物だったから。売り上げはゼロ。もちろんあなたにお渡しできるお金もゼロ」と宣告されてがっくりするケースが続発。「こんなんじゃまじめに開発しても意味ないッス」と大変な問題になっていた。

ブラックカードの利用率は次第に上昇する傾向にあり、今年9月時点ではあるゲーム会社が販売した課金アプリ、アドオンの売り上げのうち、80%が「ブラックカード」利用だったという。すなわち売り上げの80%が消失してしまったわけだ。


■アップルの対策

というわけで、ついにアップルも「ブラックカード」対策を導入した。iTunesアカウントに登録された名前と一致する正規のクレジットカードを登録していないアカウントについては、無料アプリも有料アプリも一律ダウンロード禁止という厳しい処分を科した。

また無料アプリのダウンロードについても、とりあえず1ドルを徴収。後で返金するという仕組みを取り入れ、無効なクレジットカードが登録されないようにするシステムを整えた。

中国国産クレジットカード・銀聯はiTunesで利用できない。VISA、マスターカード、アメックスのどれかを持っていなければ、iTunesの決済は利用できないということで、今回の対策は大混乱を呼んでいる。アップルのサポートスタッフもこの情報を正確に知らなかったようで、「アプリをダウンロードできない?あー、サーバーの故障じゃないっすかね?」と適当に返答したケースもあったという。

中国本土ユーザーの相当数を切り捨てる強硬策を導入したアップル。ユーザーの怒りは相当なものと予想されるが、頑固一徹親父の気風で知られるアップルのこと。批判をはねのけて今回の措置を継続させる可能性は十分にありうる。

一方で相当数のユーザーはiTunesが使えなくなってしまうわけで、アップル人気に影をさす可能性は十分に考えられる。今後、どう話が転がっていくのか注目したい。

■2011年11月21日追記
19日からクレジットカードを持たないユーザーの救済策が導入されました。記事「【続報】アップルは人民元の軍門に下ったのか?中国市場に独自サービス導入―中国」をご覧ください。


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