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ロシア人「日本の病院は遅れてるね!」=日露で異なる予防ワクチン(タチアナ)

2011年11月22日

■日本は遅れてるんだって■

*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。


この前日本人のママ友達と久しぶりにスカイプでおしゃべりしました。なぜか予防接種の話になり、多くの国がポリオの不活化ワクチンを使っているのに日本は未だに生ワクチンだという話を初めて聞きました。言われてみて、娘りながニジニ・ノヴゴロドの小児科でポリオの予防接種を受けたときのことを思い出しました。

Dr. Schreiber of San Augustine giving a typhoid innoculation at a rural school, San Augustine County, Texas (LOC)
Dr. Schreiber of San Augustine giving a typhoid innoculation at a rural school, San Augustine County, Texas (LOC) / The Library of Congress

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■日本は古い!?ロシアは最新のワクチン

そのとき「ポリオの注射」の話を聞いてびっくりしました。「え?日本ではシロップでしたけど」と私が言うと、「へえ、日本は未だにシロップなの?そんなのもう古いよ。うちは最新のフランス製ワクチンだからね~」と小児科の先生が誇らしげに言いました。

ソ連のときから一度もまともに修繕されてなさそうな病院の中で日本のことを「遅れている」と言われても、はっきり言ってぴんと来ませんでした。シロップだったら子供が泣かずに済むのにな~と私は単純に考えただけです。

районная больница №2
районная больница №2 / Arthur Ivanov



■日本は「経口生ワクチン」だった


息子のゆうきは予防接種を日本で受けています。ポリオは集団接種で、経口生ワクチンでした。ところが5~6ヶ月だったゆうきはちょうどよだれが多い時期でした。ワクチンを口の中に付けてから30分ぐらいそのまま保健所で待つことになっていたのですが、その間ずっと抱っこでした。

そして、気が付いたら、私の肩がゆうきのよだれでびしょびしょ。ワクチンが全部出ちゃったんじゃないかと、タチアナは心配になって看護士たちに相談しに行きました。「大丈夫。口の奥につけてるから、全部出しちゃってるってことはまずない。それに2回目もあるし」と言われました。しかし、何となく不安が残ったままでした。考えてみたら、シロップよりも注射の方が、子供がワクチンを吐き出してしまう心配がなく投与量をしっかり守れます。

しかし、経口ワクチンと注射で打つワクチンは中身そのものも違うようです。飲むものは「生ワクチン」。そして、この生ワクチンの場合は「麻痺を発症する」などの重い副作用があり得る。一方、注射で打つのは不活化ワクチン。このワクチンを使えば重い副作用はない。

予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える (光文社新書)


■日本の病院は遅れている?


安全な不活化ワクチンにより早い時期に切り替えたロシアの方がその点日本より一歩進んでいる。小児科の先生が言おうとしたのはそういう話だったことを、2年経ってやっとわかりました。
(関連リンク:社説:ポリオワクチン 国は「不活化」導入急げ(さきがけonTheWeb、2011年11月18日)


今回の赴任でロシアに来て早2年。その間「日本が遅れている」と言われたのはたったの2回ですが、2回とも病院でした。(2回目はパパの歯の詰め物が金属ばかりということについてでした。)

そういえば、日本では新薬承認が遅いことを日本にいたときよく聞きました。どの手続きも時間がかかるロシアですが、どうも薬に限って言えば日本よりは早いようです。

20111122_ワクチン_お母さん_予防接種

関連記事:
産後のお見舞いは窓越しで!病院の過剰な感染予防対策―ロシア(タチアナ)(2011年10月21日)
何をするにもまず健康診断!不正書類が横行し効果は希薄に―ロシア駐在日記(2011年9月18日)

関連リンク:
【医の常識非常識】鎖国のような新薬承認制度(ZAKZAK、2011年4月19日)
なぜ日本では未承認? 遅すぎる新薬審査 <シリーズ・くすりの七不思議>(1)(東洋経済オンライン、2008年7月28日)

*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。


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