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【写真】化学工場爆発でキノコ雲=小学校のすぐ隣に危険物質8000トン―中国

2011年11月27日

2011年11月24日、広東省広州市番禹区の化学工場倉庫で爆発事故が起きた。有毒ガスが発生し、住民6000人が避難する騒ぎとなった。26日、現地住民40人が化学工場の移転を求め、座り込みの抗議活動を始めた。


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■事故の経緯

24日午後2時半頃、番禹区石碁鎮の広東省番禹福田化工有限公司の6号倉庫で爆発・火災事故が起きた。当局によると、30分ほどで消火活動に成功したというが、工場はもはや跡形もなく残骸しかない惨状だ。爆発は非常に大きなもので、空高く上るキノコ雲が確認されたほか、付近は地震のような強い衝撃に覆われたという。少量ながら有毒の塩化水素ガスの発生も確認されている。

爆発当時、現場にいた作業員によると、事故は化学薬品をトラックから下ろしている最中に起きたという。袋詰めの過酸化水素が自然発火し、あっという間に燃え広がっていた。消火器では火を消すこともできず、爆発へとつながったと話している。

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■小学校まで1キロにあった危険物質貯蔵庫

広東省番禹福田化工有限公司は1998年に設立された。2010年10月に操業を停止し、生産は他地域に移された。残った工場は所有者を替え、危険な化学物質を貯蔵する企業へと形態を変えていた。倉庫10棟、タンク7基を擁し、化学物質8400トンの貯蔵が可能だった。

今年8月、番禹区環境保護部局は、経営内容変更に伴う環境認可手続きを申請していないことを発見し、11月16日に業務停止命令を下していたばかりだった。

広東省番禹福田化工有限公司は、近隣の村市場まで500メートル、小学校まで1キロという人々の生活圏の中にある。以前から工場の存在を不安に思っていた現地住民は爆発事故を機に反対運動を始めている。26日、約40人の村民が工場入り口での座り込み抗議運動を始めた。正午過ぎに当局の説得により解散したが、過激な行為などは起きなかったという。

番禹区によると、すでに広東省番禹福田化工有限公司の「危険化学品経営許可証」「広東省危険化学品備蓄安全申請受付通知書」はすえに取り消されており、近いうちに同工場の移転が命じられる予定だという。

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■中国東南沿海部、「エコダンピング」時代の終わり

近年の「群衆事件」(住民運動、抗議、デモ、ストライキ、暴動を総括する中国特有の用語)を振り返ると、今年8月の大連デモを筆頭に環境問題関連の事件が増えている点が印象的だ。環境と健康を犠牲にしつつ、経済成長に邁進する「エコダンピング」モデルが限界を迎えつつあるのだろう。

もっともいかに危険な化学物質であろうと、どこかに貯蔵する場所がないと困るのは事実。この村から貯蔵庫が移転するとして、どこに移転するのだろうか。まだ権力のごりおしが通用する経済的に立ち遅れた地域で同じ異を繰り返すのか、それとも別の方法を見つけられるのか。経済成長を遂げた中国東南沿海部の「エコダンピング」の終わりが、次にどのような展開を見せるのか、中国の将来を占う重要な問題となる。

*画像は網絡の報道。他写真多数。

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■参照リンク
・「番禹化学工場爆発事故続報=荷物積み卸し時に化学物質が自然発火」(21CN、2011年11月26日)
・「広州市番禹区村民が座り込み=爆発の化学工場移転を要求」(中国新聞網、2011年11月27日)


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