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中国人オタク「なんで日本は『呪怨』みたいなホラーアニメ作らないの?」(百元)

2011年12月12日

■中国オタク的疑問「なんで日本はホラーアニメ作らないの?」■

*当記事は2011年12月2日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。


20111211_呪怨

今年の冬は暖かいなーなどと思っていたのでホラー作品関係のネタでもOKだろうと書いていたら、急に寒くなってしまいました。

そんな訳で、季節外れ感がかなりのものになっているような気もしますが、今回は中国オタクの面々が感じているらしい疑問、「なぜ日本ではホラーアニメがそれほど作られないのか?」ということについてのやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。

日本のホラー系の作品ってかなりスゴイのがいくつも作られていると思うんだけど、なんでホラー系のアニメをもっと盛んに作ったりしないんだろう?題材の問題なのか、それとも視聴者の好みなのか。



確かに「リング」とか「呪怨」とかスゴイ作品だったよな。ちょっと考えてみたんだが、アニメだと実写のような恐怖やプレッシャーを表現するのが難しいからじゃないかな?

ザ・リング [DVD]
*2002年公開、ハリウッドリメイク版『リング』。続く2は日本版リング監督、ATG出身の中田秀夫が担当し話題を呼んだ。来年2012年にはさらなる続編『The Ring 3D』が全米公開予定。(水島)

全く無いってわけではないけど、少ないよね。例えば「ひぐらしのなく頃に」は一応ホラーに入るかな?あと「地獄少女」とかも。

ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 (上) (星海社文庫)

「怪 ~ayakashi~」の化猫の話はスゴイ怖かったな。ああいうのをもっと作って欲しいと思う。


昔見たOVAの「カクレンボ」はなんかスゴイ印象的だった。全体的に見てあまりホラーの作品が出てないってことは、日本のアニメでは主流になってないんだろうな。


ホラー系の作品ってTVシリーズで作るのには向いていないんじゃない?TVドラマでもホラー系の作品って少ないような気がする。


伊藤潤二の作品とか、アニメ化してくれないだろうか……。「ギョ」のアニメ化には期待しているが、他の作品もアニメ化して欲しい。

ギョ 2 (ビッグコミックス)

伊藤潤二の魚ホラー「ギョ」ufotableがビデオアニメ化(コミックナタリー、2011年3月7日)


「ギョ」は絵柄がキモチワルイだけで、怖さはそれほどでもないような気がする。日本のホラーの怖さは、現実との境にあるような雰囲気というか、恐怖に対抗できない絶望感とかだと思う。


アニメでホラーが少ない?そりゃ日本人は化け物でも萌え化しちまうからな!


そういや私は最初「化物語」をホラーだと期待して見始めたっけ。まぁ、とても萌える作品でしたけどね!

化物語 Blu-ray Disc Box

「鬼公子炎魔」がかなり良かったので、この間の「Dororonえん魔くん」にちょっと期待していたら、あんなのだったしなぁ……。


「学校の怪談」とか見たことあるのいる?あれはTVシリーズでのホラー作品だよ。ホラー系の作品で連続した作品を作る場合、一つのネタで引っ張るのではなく、メインストーリーとは別に1話で1つのネタを消化するとかの形になるんじゃないか?ただ、その場合は恐怖感を強調するのが難しい気もするが……。


アニメがそれほど作られないのは現実の人間じゃないと、視聴者に没入感を与えられないからだと思う。


三次元での話はそれだけで恐怖感を加速させるよね。二次元の話だと、ちょっと間違ったら萌えになってしまうような気が……。


ホラー系というか、あまり残酷な描写があると保護者から抗議が来るんだろう。日本はウチの国ほど厳しくないとは言っても、深夜以外の時間帯ではそんなに残酷な描写はできないらしい。


日本のオタクの間ではホラーの人気が無いからじゃないか?日本のアニメの傾向だと、ホラーよりもバイオレンスの方になりがちだと思う。最近だと「BLOOD-C」もそういう方向性のものだったし。

BLOOD-C 4 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

日本の独特のホラーのセンスでもっと作品作って欲しいよな。ゲームだけど「ゆめにっき」とかスゴイ印象的。


「ゴーストハント」や「屍鬼」は面白いホラー作品だったし、連続したTV作品としても良い出来だったと思う。個人的には、ホラー作品の原作が不足しているからアニメも少ないんじゃないかと思う。

ゴーストハント 7 扉を開けて (幽BOOKS)

日本のホラー作品ってアクションよりもカメラワークや光の使い方によって作られる作品の空気というのが大きいし、それをうまく演出できる監督がアニメだといないんじゃないの?


そういや、日本のホラー映画とかって陰影の使い方がうまいよな。でもあれをアニメでやると作画が大変そうだ。光源の処理もそうだし、色彩表現に関しても大変なことになりそう。少々意外だがアニメという媒体は日本のホラーと相性が悪いのかも。


結局、ホラーと相性が良いのは実写の映画なんだろね。特に映画館で見るのが。日本のホラーって日常の延長線上にある恐怖により心をガッツリと捕まれるから、アニメで日本のホラーうぃというのは難しいのかもな。


よく考えてみたら、ホラーって主流にはならないジャンルだよな。ウチの国のファン層見てもそうだし、他の国の作品の傾向見てもそうだし。日本でも一般層に流行るホラー漫画とか少ないから原作も不足しているし、オリジナルのホラー作品なんかはもっと難しそう。ただそれでも、俺は日本のホラーもアニメも好きだからいつかスゴイ作品が出て来るんじゃないかと期待してしまうよ。

とまぁ、こんな感じで。何やらイロイロな意見が出ていました。

日本のホラー映画は中国でも評価が高いそうですが、中国オタクの中にはアニメや漫画だけでなく、ドラマや映画などの日本のコンテンツ全般に手を出しているのが少なくないので、ホラー映画にハマっているのも結構いるそうです。

そんな中国オタクで日本のホラー映画も好きな人間からしてみれば、日本のホラー映画とアニメの長所を併せ持った作品と言うのを期待してしまうのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*当記事は2011年12月2日付ブログ「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。


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