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2000人の漢人学生が200人のチベット人学生を襲撃し大乱闘―中国・成都(tonbani)

2011年12月20日

■成都の学校で2000人の漢人学生が200人のチベット人学生に襲いかかり大乱闘■

*当記事は2011年12月17日付ブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


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写真は全て16日付けウーセル・ブログより。

四川省成都にある鉄道高等専門学校で12月14日の夜、チベット人学生と漢人学生の間に大規模な衝突が発生した。この学校の生徒構成は漢人3000人に対し、チベット人300人というが、この内漢人約2000人がチベット人約200人に襲いかかり大乱闘となったという。衝突の直接のきっかけはまだはっきりしていない。

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■衝突・乱闘の経緯


以下、RFAやTibet Times 、@uralungtaさんが伝えて下さった中国のツイッター等を参考に、事の成り行きを再現する。まず、14日夕食後、大勢の漢人生徒がチベット人学生の寮を包囲し、石を投げて窓を割ったりした後、ドアを蹴破り、手に棍棒やナイフをかざし中にいたチベット人に襲いかかった。

チベット人たちも激しく抵抗したが、多勢に無勢、多くのチベット人学生が負傷した。もちろん漢人学生も負傷したであろうが、今のところ3人が重傷を負い病院に運び込まれ、100人ほどが負傷したということが判明している。漢人学生は狼藉の限りを尽くしチベット人の寮は見事に破壊されつくしたという。

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これを知って学校側は止めに入ったが、らちが開かず、保安部隊の出動を要請。数百人の武装警官隊が来たが、これでも喧嘩を止める事ができなかった。漢人学生たちは「チベット族をぶちのめせ!(奴らの)履修単位を増やせ!」「チベット服をぶちのめせ、制服を着ろ、履修単位を増やせ!」等のスローガンを叫んだという。

漢人学生たちはその後、チベット人の教室を荒らしまくった。彼らはさらに先生、職員、保安部隊の車両の上に乗ったり、何台かの車を横転させた。ここで、さらに武装警官とSWAT(特殊警察隊)約1000人が投入され、催涙弾等を使いやっと事態は一旦収まったという。

しかし、次の15日再び漢人がチベット人を襲撃した。この事件の後学食での食事は漢人とチベット人別々に取るようになっていたが、昼食時、漢人が食事を済ませ、チベット人が食堂に現れた時、「おい、チベット人が来たぜ!」と漢人たちがチベット人を食堂に押し込め、再び襲いかかった。

現在、学校の内外には大勢の武装警官隊が配備され、学校は休校となり、そのまま冬休みに入ったという。また、当局は事件を知らせる報道を厳しく規制し、ツイッター等も次々削除されている。

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■きっかけと背景


日本の新聞はすでにこの事件を報道している。発信元は北京の共同か時事であるが、両社ともその元は香港のメディアだ。共同は今回の乱闘騒ぎの原因は「チベット族学生同士のけんかを仲裁しようとした漢族の学生をチベット族が集団暴行し、報復のため集まった漢族がチベット族を襲撃」としている。

チベット族同士のけんかを漢族が仲裁するというのもちょっと変な話に聞こえる。また、乱闘に加わった学生は「漢族とチベット族の学生計千人以上」とだけ書き、チベット人が圧倒的少数であったことは知らされない。

時事(朝日)は「同校ではチベット族の職業教育措置で授業料免除などの優遇があることに、漢族の学生が反発。14日夜、チベット族の学生20人が漢族の学生1人を殴ったことをきっかけに、漢族学生3000人がチベット族学生500人の生活する宿舎を包囲し、投石するなどの騒ぎとなった」とし、チベット族への授業料免除などの優遇が背景で、直接のきっかけはやはりチベット族学生が漢族学生を殴ったこととする。

16日付けRFA英語版では漢人学生の言葉を引用し、チベット人学生と漢人学生との間には以前から対立があったという。「去年チベット人学生が漢人学生(複数)を殴ったことがあった。

チベット人は長い間我々漢人を威嚇し続けていた。昨夜は我々が彼らをやっつけた。大きな勝利だ」とけんかは去年のこととし、また今回チベット人たちをやり込めたことを「勝利」と呼び誇らしげである。中国の16日付China Digital Timesにも漢人学生たちの誇らしげな様子が描かれている。

この学校でチベット人学生に学費や単位の面で優遇策が実際に行われていた可能性は高いが、このことについてウーセルさんは「少数民族は小さな優遇策を与えられているが、全体的には多くの厳しい扱いに耐えねばならない。彼らは多くの規制や厳しい弾圧を受けている」とコメントする<RFA。

また、Tibet Timesによれば、この学校の生徒たちは政策的に(チベット人同化政策の一環として)チベット各地から自分たちの意思に関わらず、集団入学させられた生徒たちであるという。何れにせよ、今回この優遇策が漢人学生たちの暴動の言い訳になったことは確かであろう。

同じくTibet Times 等ではこの衝突の根本原因は「生徒たちが中国政府のプロパガンダを信じ、日頃よりチベット人を問題ある遅れた民族と見なし、蔑視と差別を続けて来たことにある」とする。外人の中にはこの衝突を漢人のチベット人に対する人種差別暴動(Racist Riot)と表現する者もいる。


■「家に帰って家畜を追っている方がまし」

私が本土から来たチベット人学生たちから度々聴く話によれば、中国内地で勉強せざるを得ないチベット人はもとより、チベット本土であろうとチベット人が学校内で少数派となる場合には、漢人の先生や生徒から様々な蔑視、差別、嫌がらせを経験するという。

その場合、特に男子生徒はけんかでは負けまいとする。実際、元々チベット人の中にはけんかが強い者も多いという。もちろんこれは一対一の場合の話だ。中国人学生が集団でチベット人学生を襲うことは度々あるともいうから、今回はこれが大規模だったということであろう。

何れにせよ、この後この衝突が中国当局により公平に裁かれることを願う。この事件の後、あるチベット人学生は「もしも彼ら(学校や当局)が我々の安全を保証できないなら、学校に行く意味はない」と言う。また他の学生は「家に帰って家畜を追っている方がましだ。少なくともその方が安全だ」とRFAに対して答えたという。

*当記事は2011年12月17日付ブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


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