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自由の窓が閉じられちゃう?!微博実名制に対する中国ネット民の反応(金浪)

2011年12月22日

■「新浪微博が実名制になるんだってねえ……」→ユーザーの反応■


20111130_中国・電脳大国の嘘_「ネット世論」に騙されてはいけない

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ブログ「大陸浪人のススメ」と「KINBRICKS NOW」のコラボ企画「金ブリ浪人のススメ」略して『金浪』。一つのネタについて、迷路人(安田峰俊)さんとChinanewsが別々に解説してみようという企画です。

新浪
新浪 / 中国北京-Beijing, China


今回は中国マイクロブログ(微博)の実名制導入について。

マイクロブログが日本で注目を集めたのは、今年7月の温州高速鉄道事故がきっかけとなりました。政府批判つぶやきの盛り上がりだけではなく、現場を取材した記者がメディアに載せる前に「実況」することで、政府のメディア検閲が発動する前に情報が拡散する現象が見られ、政府のメディア検閲を超える力になるのではとの期待を込めた評価も見られました。

今回の実名制ですが、他のユーザーへの表示はハンドルネームでもOKだが、運営企業はユーザーの実名、身分証番号などを把握しておかなければならないという内容。よろしからぬつぶやきをしたユーザーは速攻で確認できるという仕組みになっている。

この規定について中国ネット民はどのような感想を抱いているのか。以下、反応をごらんください。

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【微博の実名制、はじまる】12月16日 15:30
「南都週刊」公式アカウントのツイートへの反応より


@南都週刊
――――――――――――――――――――――――――――――
「北京市、微博実名制をはじめて推進」

北京市人民政府新聞弁公室・北京市公安局・北京市通信監理局・北京市互聯網信息弁公室は、本日付で≪北京市微博発展管理若干規定≫を発表。あらゆる組織と個人が微博のアカウントを作成する際には、身元を証明しておこなわねばならず、身元の証明ができない者は、閲覧のみが許可され発言は許されないこと、各微博サイトは今後三カ月以内にユーザーに対する規定を完成させることを規定した。
――――――――――――――――――――――――――――――
北京市、微博実名制をはじめて推進(南都週刊・中国経済網、2011年12月16日)


@安徽chaolei (12月16日 17:52)
これはまた、すさまじい影響が出そうだなあ……。


@譚昊TanHao (12月16日 19:02)
これまで、微博は自由な言論の場になれるんじゃないかって願っていた。そして、微博は長らく圧迫に晒されすぎてきた中国人の小さな息抜きの窓となっていた。でも、もしもこの小さな窓ですらも閉じられてしまうとするならば……。巨大な反発が、予想だにしないような勢いで噴き上がるかもしれない。


@myakb (12月16日 19:08)
(今回の指示を出した)後ろにいる人たちも実名制にしてくれ。


@莫邪xyj (12月16日 19:18)
予測はしていたことだが、ついに始まったな……。


@宦九歌兒 (12月16日 19:27)
やったぜ!これでもう遊ばなくなるよ!

*確かに、ソーシャルサービスが無くなった方が仕事の単純な効率は上がるよなw


@FHM占春苗 (12月16日 19:43)
ははは。政策というのは素早く決まるものだねえ。


@shu棠君 (12月16日 19:45)
言論の自由には、もちろん匿名で言論を発表する自由だって含まれるはずだ。

*「実名アカウント以外はブロックします!」とか言ってる、ちょっと気持ち悪いツイッターユーザーたちにぜひ聞かせたい言葉w


@無關註無粉絲無微博 (12月16日 19:52)
(偽アカウントを売る)ダフ屋がいい仕事になるだけじゃねえか。
(中国の体制は)まさにこのように各方面でダフ屋に福利厚生を施してあげる体制だよね。

*中国はデフォルト設定では行政その他のサービスがよろしくないが、ワイロその他人脈背景によって、生活上の問題が日本以上に便利に解決されることもあるのが中国というもの。ちなみに今回俺が中国でやった取材でも、「この地域では『殺し』以外は何をやってもフリー」という、ものすごすぎる背景を持っている人に会っている。


@小浚子Fucky (12月16日 19:52)
この規定は北京市民に対してのものか、全国の人民に対してのものかどっちだ?もしも全国の人民に対して課すものだったら、全人代(=中国の国会)はどこに行ったんだ?全人代の常務委員会はどこへ?こういうのって、ひとまずは名目上であっても全国組織で決定されるべきものでは?

*ここが今回、中国当局のズルいところかもしれない。中国だってひとまずは法治国家を自称しているため、こういうことは本来、やはり形式的とはいえ国会で法律として決まった上で全国に施行されるべき。もしくは(これはすでに民主的なプロセスではないが)少なくとも国家機関が「通達」を送ることで民間にそれを順守させるという手順を、最低限踏むべきではあった。

だが、言論弾圧法案なり通達なりを、国が責任を負う形で議論したり決めたりすると、アメリカ様やEU様がお怒りになって面倒くさいし、声の大きいネット民も騒ぐしで面倒だ。別にその気になれば中央から通達出したったっていいんだが、より面倒くさくない手法の方がいい。そこで、新浪微博の本社が置かれている北京市で、「街の条例」として制定することにしたのだろう。本社の運営規定として「実名必須」となれば、ネット実名制は事実上は実現できてしまうからだ。

ちなみに(意図的になされたものかは別として)似たような事例は日本にもないわけではない。日本の出版社の9割が集中してコミケも開催される東京都で「ロリエロ漫画禁止条例」を制定すれば、日本国内で流通する漫画の表現を事実上は大きく規制できてしまう……、という困った話は、読者各位もどこかで聞いたことがあるのではないだろうか?

考:「非実在青少年」(同人用語の基礎知識)


@Joe胡振邦(12月16日 19:53)
>@軍械所樂隊 絶対に反対だ。非常に憤慨している。
>@劉立新-公民 言論の自由こそ栄誉、ネット実名制の強制は恥だ。
民主主義への距離がまた一歩遠のいたか……。


@小魚愛宸 (12月16日 20:18)
いつも弱者にばっかり刀を振るいやがって……。


@-笨peng蟹- (12月16日 20:33)
官僚の財産は一人として公開されないのに、ネットの発言は実名必須だとか、なんとも不思議な国もあったもんだ。


@EmbraceTheDarkness (12月16日 21:05)
党の皆さんは俺たちに、街に出てデモをやってくれって言ってるんだよ。ネットでガーガー喚くだけなのはやめようぜ、オイ。


*青字コメントは迷路人。

言論の自由という観点でとらえている人が多いようだ。日本も含め海外メディアの反応もそうした切り口が多い。

ただ、金鰤的には「ビジネス」への影響が大きいとの観点で考えている。実名制で中国マイクロブログというジャンルの成長に冷や水がぶっかけられたこともそうだが、他にも七面倒臭い手続きや「外国サイトへのリンク禁止」という困った規定がいろいろあるのだ。

ツイッターだってそうだが、中国マイクロブログもまだ利益回収モデルを構築できていない。とりあえずプラットフォームを作る、ユーザーを集める、もうける手段はその後で考えるというのが、正しいITビジネスのあり方なのかもしれないが、さてそろそろもうけようかという段階でのアクシデント。マイクロブログ運営企業にとっても、あるいはマイクロブログというプラットフォームに乗っかって商売しようと思っていた企業にとっても困った話なのだ。

社会秩序も共産党独裁維持も、中国政府にとって大事なのは重々承知だが、人の商売を邪魔しないでいただきたい。口には出さないけど、そう考えている人が多いんじゃないかな。

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*ネット掲示板引用部分は「大陸浪人のススメ」管理人・迷路人が担当。解説部分はChinanewsが担当しました。迷路人版解説は「大陸浪人のススメ」でお読みください。


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