• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

最強のネットショッピングサイト誕生!→3カ月後に閉鎖=厳冬到来の中国ネット業界

2012年01月10日

「2年で中国最大のネットショッピングサイトになってやる。」


20120110_写真_中国_ネットショッピング_倒産1
*画像は品聚網のトップページ。

かつてオンラインゲーム会社を起業して大成功を収めた中国ゲーム業界の風雲児が今度はネットショッピング業界に殴り込みをかけた。20億元(約240億円)の投資を集めたと豪語しその活躍が期待されたが、オープン3カ月足らずでサイト閉鎖という驚きの結末が待っていた。


■赤字12億円超のバーゲンで度肝を抜く

葛斌斌氏は2003年、金酷ゲーム開発室を立ち上げた。後に同社は中国ネットゲーム企業大手・盛大ネットワーク集団の旗下に入り、「魔界Online」「魔界2」「諸侯」などの大ヒットゲームを生み出している。2011年、葛氏は2度目の起業を決めた。今度チャレンジする分野はネットショッピング(C2C)だ。
(C2Cの、本来の意味は消費者間取引だが中国では中小零細企業が出展するショッピングモールという側面が強い) 



中国のC2C分野にはタオバオという巨人が存在する。eBayを駆逐したタオバオは中国ネットショッピング市場に圧倒的な地位を築いた。だが、そのタオバオにもニセモノが多すぎるなどの欠点があると葛氏は指摘。楽しいネットショッピングが体験できるまったく新しいC2Cサイト「品聚網」を作り、2年でタオバオを抜き、3年で上場するとの野心的な目標を示した。

葛氏曰く、盛大ネットワーク集団を含めて投資の約束を取り付けており、その規模は20億元(約240億円)を超えると発言していた。実質的には盛大グループの傘下企業という見方まであったほどだ。同サイトは2011年10月にテスト運用を開始。2011年12月には「1元(約12円)ショッピング体験」という赤字覚悟のバーゲンセールを敢行。その経費は1億元(約12億元)以上と見られ、「さすが葛氏、さすが品聚網」と人々を瞠目させた。

20120110_写真_中国_ネットショッピング_倒産2
*品聚網で販売されていた日本の商務ビザ。本物だったら問題だし、ニセモノでもやっぱり問題だという困った一品だ。 


■企業経営者のチャット文化にどっぷり?!

ところがその華々しい活動から1カ月もたたぬ2012年1月9日、「品聚網」は資金難によるサービス停止を発表した。出展企業は保証金を預けているが、2月末までに全額返済すると発表している。

葛氏によると、資金難の原因は盛大ネットワーク集団が約束した投資を実行しなかったためだという。葛氏は盛大ネットワーク集団の陳天橋CEOとのチャット記録を公開し、その約束破りを批判している。

「もしボクが君に資金を融通することで目標が達成出来るならば、絶対に追加投資すると約束するよ。目標を達成できないなら追加はしない。」
「2億という計画通りでいいよ。」
「ボクはきっと投資するから。」

というチャット記録が公開されている。約束破り以上に、ネット時代の経営者たちはこんな大事な話をチャットでやりとりするのだろうかというほうが気になるのだが……。なお盛大ネットワーク集団は「約束破りなんかしてないし、そもそも品聚網に投資なんかしてない」と発表。主張は真っ向、矛盾している。


■中国ネットショッピング業界も冬の時代

先日、不動産業界の「焼銭モード」から「過冬モード」への転換を紹介したが、ネット業界でも同じ状況が起きている。2011年12月には呼哈網に「給与未払いで内紛。従業員の90%が辞めた」との噂が流れ、サイトが閉鎖状態となった。12月28日には網易旗下のL.163.comの閉鎖が発表された。品聚網を含めると、この1カ月で3つのネットショッピングサイトが閉鎖されたことになる。ネット販売大手・京東症状の劉強東CEOは、「ネット販売業者の冬が来た。この冬で多くのサイトが淘汰されるだろう」とマイクロブログでつぶやいている。

中国ネット業界の面白さは有象無象のプレーヤーがごまんといたことにあった。正直、業界トップには慣れそうにないサイトでも、利用者数などの指標で右肩上がりの数字を出せれば投資を集めることはたやすく、結果として多くの中小プレーヤーが生き残っていたからだ。赤字を垂れ流しても投資を集められるかぎり死なないという「焼銭モード」の時代は終わり、いかに資金をキープしてライバルが死ぬのを待つかという「過冬モード」の時代が訪れた。体力に勝る大手企業が生き残り、弱者を買いあさっていくことになるだろう。カオスな戦国時代が楽しかった中国ネット業界の様相も大きく変わりそうで、大変残念に思っている。

関連記事:
「タダでマンション、プレゼント」の不思議=「過冬」モードの中国ビジネス
中国人も「ソーシャル疲れ」=実名制導入前に見えていた微博の陰り
老舗海賊版サイトのサバイバル術=正規企業になるための長く険しい道―中国

主な参考記事:
品聚网夭折戳破20亿投资泡沫 盛大否认投资」新快報、2012年1月10日
品聚网葛斌斌公布与盛大聊天记录 陈天桥:我肯定会给你的」財経網、2012年1月10日


トップページへ

コメント一覧

    • 1. 天天
    • 2012年01月12日 06:11
    • 今回の記事、
      「2012年12月には呼哈網に」->「2011年12月には呼哈網に」
      ですね。

      また、こちらはちょっと自信がないのですが、
      「またも訴えられたアップル=「スマート海賊版小説」に作家が怒り―中国」の
      「app store」(×3)は「App Store」なのかなと思っています。
      http://kinbricksnow.com/archives/51767142.html
    • 2. Chinanews
    • 2012年01月12日 18:19
    • >天天様
      いつもありがとうございます!
      ご指摘の点修正しました。
    • 3. 天天
    • 2012年01月12日 22:01
    • Chinanewsさん

      「様」は駄目です。
      「さん」か「同志」でお願いします。

      さて今日の山寨機の記事も強烈でした。
      不動産、民間金融(非合法)、ネットショップ、山寨機と、結構目立つ業種で「焼銭モード」では維持できなくなってきているというのが印象的です。

      次に淘汰が起こるとしたら、(自動車や電話・航空会社は大丈夫でしょうが)ビジネス・ホテル?

      ところで以前ご紹介した池上さんの番組がアップロードされているページを見つけましたので、ここでご連絡を差し上げます。
      http://www.youtube.com/user/TiantianDianshi/videos
    • 4. Chinanews
    • 2012年01月14日 22:24
    • >天天さん
      コメントありがとうございます。

      「過冬」モードはいつまで続くのか、気になるところですが、中国政府は2009年の金融大緩和でこりたので、しばらくはひきしめモードなのではというのが予想です。

      ビジネスホテルの大拡張も見ていて不安ですよね。場所が良いところは結構まだ人が入っていますが……。そのうちどがーんといきそうです。あと自動車業界もプレーヤー多いですね。話題になっているのはまだ記事にしていないのですが、太陽エネルギー関連、多結晶シリコン製造メーカーです。米企業の倒産は日本でも報じられていますが、中国でも青息吐息だという……。

      動画アドレス、ありがとうございました!
    • 5. 天天
    • 2012年01月18日 00:00
    • Chinanewsさん

      今回のコメントは長いです。
      そして自分自身でも考えがまとまっていないので、お返事のコメントは不要です。(多分非常に書きづらいはずなので)
      でも、最後の部分のtypo情報だけは使ってください。

      さて、いただいたコメント中の中国の金融緩和について考えていて、

      -> インフレが落ち着いてきたので中国も金融緩和するだろう
      -> でも中国も日本と同じで銀行は大きな企業にしかお金を貸さず、中小企業はこれからも民間金融に頼らざるを得ないかも
      -> そうは言っても不動産業者の資金繰りが良くなれば、不動産業者による債務の踏み倒しは減るだろうし、建設途中での放置物件も減るだろうし、そういう意味では効果がありそう
      -> 民間金融の実態は、金利と期間と回収作業のオークションなのだから、商品取引所のようなものを開設すれば有効かも
      -> でも省単位で活躍できる企業であれば銀行からの融資も得られるだろうから、市や县単位で仕組みを作った方が、評価も監視もしやすいかも
      -> いやいやそんなことを考えなくても、今まで中国の民間金融は有効に機能してきたわけだから、現在の不幸な時期を乗り越えれば以前と同じように機能するはず

      などと考えておりました。

      結局、「いろいろな人が今の中国についていろいろ言っているけれど、現在の中国はかなり頑丈」というのが現在の私の結論です。(^^; (億円単位のお金を持って海外移住している人たちも、Googleの初期の従業員が大金を掴んだのと同様のことに見えてきました。(などという感慨を持ちながら韓寒3部作の2番目の文章を思い出していました。))

      さて、ご指摘の太陽エネルギー関連と多結晶シリコン製造メーカー、目を見張るような業績拡大とそれに続く劇的な崩壊という壮大なショーが見れそうです。 (^^)

      あと、今日の「馬鋒」に関する記事、
      「障害」->「傷害」
      です。
      最近誤字が少なくてさびしいです。
    • 6. Chinanews
    • 2012年01月20日 16:19
    • >天天さん

      ご指摘ありがとうございます!修正しました。変換ミス減っているといいのですが、とてもそんなふうには思えないです……orz

      金融緩和に関する天天さんのコメント。おおむね同意です。「中国経済崩壊か」「バブル破裂か」でゴシップ的な取り上げられ方をすることが多い中国経済ネタですが、中国がデフォルトするような意味での崩壊の危険性は少ない、少なくとも現時点ではその兆候はないのでは、と中国経済を研究する梶谷懐さんもおっしゃっていました。

      問題は過剰流動性回収に乗りだした金融政策のあおりで、今までお金があった「一部」にお金が回らなくなったこと。その象徴が不動産業界ですが、青息吐息の中小企業、一部資金難の大企業を尻目に、体力のある企業や他業種大企業の「底値買い」が見られるとの報道もありました。

      不動産の急すぎる価格下落、銀行の不良債権急増とつながれば大変な結果を生み出すでしょうが、そのシナリオはまだ確定していないし、回避できる可能性も高いということじゃないか、と。おっしゃるとおりいろんなところにきしみが出そうですが。

      富裕人の海外移住ですが、「脱出」というよりも「選択肢を増やす」「いざというときの安全」「子どもの教育」「ビザの便宜」などなどの観点があるようです。

コメント欄を開く

ページのトップへ