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テレ東も参戦したネット版権戦争=中国人オタクが不安になる理由(百元)

2012年01月12日

■中国動画サイト同士の戦いで日本のアニメが主戦場の一つになっている模様■

*本記事はブログ「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2011年12月22日付記事を許可を得て転載したものです。 


■二大動画共有サイトの衝突

先日、テレビ東京が中国の動画サイト「土豆」(tudou)に、「NARUTO」「BLEACH」「SKET DANCE」、「銀魂」、「侵略!?イカ娘」、「君と僕。」、「プリティーリズム」、「gdgd妖精s」といった番組の同時配信や、過去のアニメ番組の中国国内の独占放映権を提供するというニュースがありました。

20120112_中国_アニメ_動画共有サイト_版権_1

そしてその後、中国の大手動画サイトである「優酷」(youku)にテレビ東京から版権侵害に関する警告文書が発送されたそうです。

現在中国では大手動画サイトの「土豆」(tudou)がやはり中国の大手動画サイトである「優酷」(youku)に対して圧力をかけているようですが、先日テレ東から提供された日本のアニメが「土豆」側の大きな武器の一つとなっているようです。

この件に関しては、人民日報日本語版のニュースで報道されています。
テレビ東京、「NARUTO」違法配信で優酷網に警告」人民網日本語版、2011年12月20日

また、KINBRICKS NOWさんの記事では詳しい背景も紹介されていますので、ご参照ください。


■中国人オタクの反応

中国の2大動画サイトが衝突していることからこの件は中国のネットで結構大きなニュースになっていますし、中国のソッチ系の掲示板でも話題になっていました。以下、私のイイカゲンな訳でその反応を紹介させていただきます。

優酷と土豆の戦いが大事になってきた。しかも、ついにテレビ東京が参戦だ。なんかもう、動画サイトの大手同士の泥沼の戦いという感じだな……

テレビ東京までもが包囲網に参加したのには驚いた。現状でちょっと不利なのは優酷側か?

前に合ったQQと360の戦いを思い出すな。あれは結局グダグダで終わったんだっけ?

テレビ東京って日本のネットだと大事件の時でも関係なく通常の放映を貫く所だというイメージだったが、国家間をこえて攻めてくるとはなぁ。

土豆がメインでやっているんだろうとは思うけど、アニメまで戦力として計算する展開になるとは。土豆側の次の一手が気になる。

土豆が日本と組んだのはどういう背景があるのか気になっていたが、版権包囲網形成も目的だったのかねぇ。

こりゃウチの国の動画サイトの状況はかなりキツイことになりそうだな。

しかしこれ、土豆自身の違法動画どうなんの?優酷もそこを攻めてるけど、これって一歩間違えば自分自身に火が付くよな。

ここまで来ると、字幕組の活動の落日を感じるなぁ。いずれは動画サイトのコメント弾幕でしか俺達は字幕をつけられなくなっちゃったりするのだろうか。

争え……もっと争え……

土豆自身も自爆でダメージという展開に期待。しかしこれ、土豆は自分がダメージを受ける以上に大きなダメージを優酷に与えられるとか考えてそうな気もするな。

深夜放映でサービスシーンが多いような作品はまだ放映されていないし、日本にはアニメ放映の系列が複数あるからまだ字幕組の活動の余地はあると思う。でも今後こういった動きが加速していったらどうなるか分からんね。自分が一番怖いのは問題になり過ぎての全規制。

土豆が競合する優酷にプレッシャーをかけているってことなんだろうな。今年は酷6や56が落っこちていったし、奇芸や楽視なんかが伸びてきたりと動画サイトの力関係の変化が激しい年だと思っていたが、最後の方で大手の衝突というスゴイ動きが出てきたわ。

優酷は反応鈍いね。土豆は優酷の指摘した違法動画を削除するという反応見せてるけど、優酷の方はまだ動画削除していないっぽい。優酷側はグダグダで逃げ切れると考えているのかな?

優酷は賠償金がそんな高額にはならないって考えているんじゃない?この間判決が出た「狙った恋の落とし方。2」も賠償金20万元以下だったし、判決出るまで放映してアクセス数稼ぐつもりなんじゃないかな。

逆に優酷が版権持ってる日本のアニメって何よ?


独占かどうかは分からないけど、以前出ていた話だと「ドラえもん」、「スラムダンク」、「ちびまる子ちゃん」、「アニメ三銃士」、「キテレツ大百科」、「グリム名作劇場」、「鉄腕アトム」、」「ウルトラマン」なんかは版権あるらしい。あとは「ガンダムAGE」とか。新しい作品で優酷が版権あるのってガンプラ売るために色んなサイトで配信している「ガンダムAGE」くらいじゃないか?

なんでウチの国の人間が版権を手に入れるとこういうヘンな展開になるんだろう……

中国でこういう版権の争いが出るってのがなんか不思議と言うか信じられないという感じだ。あと、今のネットの動画って輸入手続き経ていないのがほとんどだろうから、法律的にはマズイんじゃないかね。そこからグダグダになったり新たな問題になりそうな気もするが。

いや、2010年にウチの国の著作権法の「法律に違反して出版、伝播された作品は著作権法の保護を受けない」という規定が削除されたから、輸入手続きを経ていないと思われるネット動画についても法律の保護を受けられるようになってはいる。だから、黒やグレーに見えてもここでは関係ないと思う。でも、あまり大事になると別の方面で問題になって規制ということになりそうな気もするな。

こうして、時代はP2Pを使った無加工動画ファイルの時代になりましたとさ。

とっくの昔に版権購入の動きが入っているアメリカのドラマでさえそういったことにはなってないんだから、アニメでそんな未来はありえんだろ。

そういやアメリカのドラマもなんだかんだで字幕残ってるな。なんだかんだで字幕組の活動は終わらんような気がしてきた。今ほど好きにはできないかもしれないけど、ネタ字幕くらいはやれそうな気もするな。

ちょっと待て、今気づいたんだが今回のテレビ東京の訴えだと60以上の作品の大陸独占放映権を土豆は買ったってことか!?これちょっとスゴイな。

恐らく「NARUTO」と「NARUTO疾風伝」みたいな続編は別作品としてカウントするだろうから、実質は50ちょっとくらいになるんじゃないかな?それにしたって現在特設ページに出ているのは23作品だから、土豆は他の作品の権利も持ってるってことか……

テレ東との関係がこのまま発展するなら中国でもAT-Xみたいな感じで見れるようになるんじゃないかとちょっと期待してしまうわ。

とまぁ、こんな感じで。


■版権争いが規制に発展するのでは……中国人オタクの懸念

中国の動画サイトのトップ同士の争いになってくると中国オタクの面々にとってはもう雲の上のことのような感じになるようで、何やら観戦モード人入っているらしき反応も多かったですね。

ちなみに、ここ最近の日本のアニメの中国動画サイトでの放映について、この辺の事情について詳しい中国オタクの方にも聞いてみたのですが、その話によれば、

「現在のネット放映はグレーゾーンな部分も多いので、注目を集めすぎると問題になるかもしれない」

「ネットの動画サイトは輸入手続きを必要とするTV番組とは制度や政府の管轄に違う所もあるので、現状は実質申請などの手続き無し、内容チェック無しで流せている。またそのおかげで同日配信なども可能となっている。しかし、あまりにも話題になり過ぎたりするとネット動画全体に取締りや規制が入ってダメになる可能性があるので、最近の加熱はちょっと心配。」

ということで、盛り上がりの方向次第では面倒なことになる危険性もあるそうです。現在中国の動画サイトの関係や周囲の環境がまた変わりつつあるようですが、中国の動画サイトにおいて日本のアニメは客を呼べるコンテンツの一つとなっていますから、改めて注目されたりもしているようです。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。 

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*本記事はブログ「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2011年12月22日付記事を許可を得て転載したものです。  


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