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中国「山寨」携帯電話業界が壊滅状態=1600社から20社に減った零細メーカー

2012年01月12日

2012年1月12日、フィナンシャルタイムズ中国語版は、「ブラジルが中国制携帯電話の輸入制限を検討中」と報じた。中国のノンブランド携帯・山寨機はまだ絶好調なのかなと早合点しつつ、関連記事をあさってみると、意外なことに「山寨機産業の歴史は終わった」などと悲観的な記事ばかりが並んでいた。


20120112_写真_中国_携帯電話_ノンブランド携帯
*画像は小米の携帯電話。

■ブラジル、中国製携帯の輸入規制を検討

中国製品の大量流入による地場産業への影響、ダンピング問題というと、米国や欧州がクローズアップされることが多いが、インドやラテンアメリカも負けてはいない。ブラジルもその一つだ。

2012年1月12日付網易が具体的な数字を上げている。2011年、ブラジルの輸入携帯電話市場は1500万台と全体の20%前後に達した。輸入品の多くが10~15ドル(約769~1150円)の低価格帯に属する。そのほとんどが中国製だろう。

またブラジル市場が侵食されるだけではなく、ブラジルメーカーによる輸出も減少しているという。2008年の2500万台から2011年には700万台にまで減少。3年で3分の1を割り込む危機的な状況だ。


■中国山寨機メーカーの危機

「中国の山寨機すげぇ」と思って調べてみたところ、意外や意外、悲観的な記事ばかりが見つかった。

例えば、毎日経済新聞の記事「深圳・山寨機の厳冬=末端小工場は1000社から20社に減少」という記事では、ある零細企業経営者の語りを中心に業界の衰退を描いている。 。ノンブランド携帯を作る零細企業は、深圳市福田区にあるアジア最大級の電脳街・華強北路に集結していたが、最盛期は1600社を数えた山寨機メーカーが今では20社にまで減少しているという。 

上記記事では、「金融引き締めにより中小零細企業の資金繰りが悪化」という全産業共通の問題が中心的に扱われていたが、IT経理世界の記事「山寨機産業、歴史の終わり」によると、

「フィーチャーフォンからスマートフォンへの転換進む。HTCなど大手企業から1000~2000元(約1万2000~2万4000円)代の低・中価格帯スマートフォンも登場」

「価格だけで機種を決める「初めて携帯を購入するユーザー」が払底。買い換えになると、ブランド機を選ぶ傾向が強い」

という携帯電話業界特有の事情があげられている。


■定義があいまいになった山寨機 

そもそも山寨機とはなんぞや、という話になるのだが、「山寨」(山中の砦)という言葉が転じて、無認可・無許可・コピー品などの意味を持つようになった。中国では以前、携帯電話メーカー設立には免許が必要だったので、無免許メーカー=山寨機メーカーだったのだが、現在ではそうした明確な区分はなくなっている。

日本メディアがさんざん笑いものにしたニセiPhoneこと、Hiphoneなど大手海外メーカーをパクった山寨機も少なくないが、一方で独自路線で勝負している山寨機も多い。「山寨機」というカテゴリーはますます不透明になりつつある。

上記記事でとりあげられているのは、山寨機というよりも部品だけかき集めて、後は小工房で組み立てるだけという零細企業の話と考えるべきだろう。つまり従来の「山寨機メーカー」がすべて沈没というわけではなく、体力・技術力・営業力に欠けるメーカーが沈没しているのだ。


■転身に成功した山寨機メーカー 

逆に華麗な転身に成功した山寨機メーカーもある。その代表格がG`FIVE。今やなんと生産台数世界トップ10に入る大企業だ。40~60ドル台の低価格機を作りまくり、インドやパキスタン、中東、ラテンアメリカ、東欧などの市場で売りまくっている。約100ドルの低価格スマートフォンも開発している。
(参照リンク:GAPSIS.JPITライフハック

20120112_写真_中国_携帯電話_ノンブランド携帯2
*魅族MX。

もう一つ、例をあげるならば魅族だろうか。同社のiPhoneそっくり製品、魅族M8は発売中止となってしまったが、それでも魅族M9、魅族MXと新商品を発売。一定のファンをつかんでいる。

また山寨機メーカー出身ではないが、雷軍CEOがジョブスのプレゼンをパクったと日本でも話題になった小米科技は、1999元(約2万4000円)のハイ・コストパフォーマンス・スマートフォン「小米科技」を発売。品薄商法とも揶揄されたが、予約機10万台を完売し、今は新たな予約50万台の発注を受け付けている。

有象無象の中小・零細企業がわいわい遊んでいた「山寨機時代」は終わりを迎えようとしているのかもしれない。思えば、テレビ、冷蔵庫、オートバイなど中国製造業はさまざまな分野で無秩序な繁栄とその後の再編を繰り返してきた。一世を風靡した無茶な発想の零細企業が絶滅していくのは、一抹の寂しさを感じずにはいられない。

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