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「新エネルギー産業を中国にわたしてはならない」オバマの一般教書演説と中国

2012年01月25日

2012年1月24日、オバマ米大統領は一般教書演説を行った。大統領選挙イヤーとあって、富裕層増税、住宅ローン負担軽減策などの「大衆迎合的色彩」(ロイター)が強い内容となったが、その一環として中国問題についても繰り返し触れられた。


obama for tacos
obama for tacos / mediajorgenyc


■「大衆迎合的色彩」の一般教書演説

米大統領が一般教書演説、富裕層の税負担拡大求める
ロイター、2012年1月25日

オバマ米大統領が24日に行った一般教書演説は、11月の大統領選挙を控えて中間層に配慮した内容となり、富裕層の税負担拡大を求めたほか、金融機関への批判を強めた。

大衆迎合的色彩が濃くなった演説で大統領は「ウォール街が自らのルールに基づいて行動することが容認されていた日々に戻ることはない」と明言。また「億万長者への補助金をワシントンは止めなければならない」と述べ、富裕層に30%の最低実効税率を求め、配当収入やキャピタルゲインに対する課税の抜け穴を防ぐよう求めた。

(…)対中国問題では、政府内に新た通商担当部局を新設することを提案。米軍のイラク撤収やアフガンでの縮小などでの経費削減分(議会予算局の試算で2012―2021年に4400億ドル)については、半分を債務返済に、残りをインフラ整備に充てるよう求めた。 

選挙イヤーなので、票を取りにいくのは当然だろう。共和党予備選でリードするロムニー氏は「就任初日に中国を為替操作国に認定する」と公言している対中強硬派(レコードチャイナ)。となれば、オバマ大統領も負けじと「中国に厳しいふり」を見せる必要がある。


■一般教書演説における中国

24日付ボイスオブアメリカ中国語版が、一般教書演説での中国について触れたポイントについてまとめている。一部はしょりつつではあるが、ご紹介したい。

・中国のコスト上昇―請負産業が中国に回帰する

海外に移転した仕事をすべて取り戻すのは不可能だ。だが、今や中国のような国家でビジネスをする代価は高騰しつつある。一方で米国の生産能力は高まっている。数週間前、国際的鍵メーカー・マスターロック社のCEOが話してくれた。「私たちにとって米国回帰は正しい洗濯です」、と。マスターロック社のミルウォーキー工場は今、15年ぶりにフル稼働を続けている。

・通商担当部局を設立、中国の不公平な貿易行為を調査する

我々(オバマ政権の)提出した対中国の貿易事案は前期政権からほぼ倍増した。その効果はあった。我々は大挙襲来する中国のタイヤを阻止し、1000人以上の米国人の仕事を守った。だが、今以上の仕事をやり遂げなければならない。

他国は我々の映画、音楽、ソフトウェアの海賊版作りを許しているがそれは間違いだ。海外メーカーは多額の補助金を得て、米企業に対する優位を築いているがそれは不公平だ。今日、ここに宣言する。通商担当部局を設立し、中国などの国家の不公平な貿易に対する調査任務を担当させる、と。我々は監督を強化し、海賊版製品を防止し、安全ではない貨物の米国への流入を防止する。

また、ロシアのような新興市場に投資し進出する外国企業が、米国製造業以上に優位なポジションを築かないよう、米議会は防止するべきだ。我々の労働者は世界で最も生産性が高い。もし公平な競争環境さえ与えられれば、米国は永遠に勝者であると私は保証する。

・新エネルギー産業をみすみす中国にわたしてはならない

シェールガス開発の経験は、こうした公共投資のリターンがすぐに実現されるわけではないという教訓を与えてくれた。一部の技術は失敗に終わるだろう。一部の企業は破綻するだろう。しかし、私はクリーンエネルギーに関する約束を撤回するつもりはない。私はブライアンのような労働者を見捨てることはない(ブライアンはオキュパイ・ウォールストリートの参加者か?情報請う)。約束を撤回することで、風力発電、太陽エネルギー、電池などの産業をみすみす中国やドイツに渡すようなことはしない。

我々はすでに1世紀にわたり石油会社に補助金を与えてきた。もう十分だ。これ以上利益を生み出すことはほぼないであろう企業に納税者の金を与えるのはやめる時が来たのだ。同時に、クリーンエネルギー産業への投入を強化する時が来たのだ。これほど人々に希望を与える産業はこれまでになかった。クリーンエネルギーの税免除を(議会は)認可し、雇用を創造していただきたい。


■蛇足の章

ボイスオブアメリカの記事を見ると、さまざまなポイントで中国を意識していることがよくわかる。新たなダンピング認定の動きも報じられているし、チベットでの発砲事件、余傑など活動家の人権問題も含め、選挙イヤーの2012年は米中関係は複雑な様相を示しそうだ。

ちなみに蛇足ながら個人的な感想を述べておくと、中国の補助金を批判しておきながら、「米国のクリーンエネルギー産業には補助金突っ込むぞー」宣言をしていて、どうにも引っかかる演説だったりする。ただ、「我々の労働者は世界で最も生産性が高い。もし公平な競争環境さえ与えられれば、米国は永遠に勝者であると私は保証する」とか、臆面もなく言えるのは「暗い国」日本から見ると、ちょっとうらやましいような気も。

野田首相も「日本の工業力、工場労働者は世界一!税と社会保障一体改革さえ成功すれば、その力が遺憾なく発揮されて、日本には再び太陽が昇るのであります」とか演説してみてはどうだろうか。

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