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赤ちゃんの指紋を見ればIQも才能も全部分かる?!詐欺教育ビジネスが発覚―中国

2012年02月01日

生後3カ月の赤ちゃんの指紋をスキャンすると、その子がどんな才能を持っているかすべて分かる。山西省太原市で「IQ指紋学」を名乗る詐欺ビジネスが流行していたという。2012年1月30日、新華網が伝えた。


照片 026
照片 026 / amanda_lu51

■IQ指紋学の精髄


この「指紋テスト」は山西道蒙文化伝播有限公司のサービス。お値段は1200元(約1万4400円)とお安くないが、ちょっと指紋をスキャンするだけで遺伝情報、さらには脳の発育などがすべて分かるという。そのデータを見れば、ピアノ、数学、語学など子どもの才能がはっきりとわかる。生後3カ月から検査は可能とのこと。才能の有無を知った上で、超英才教育に励みましょうという内容だ。

問題は指紋をスキャンしただけで遺伝情報やら脳の発育が確認できる「神業技術」はありうるのかという点だろう。山西道蒙文化伝播有限公司の梅明代表は「IQ指紋学」に基づく技術であり、台湾では特許も取得していると主張した。もっとも専門家は否定的な意見だ。山西児童医院の医師は遺伝子が人間の生理的特徴を決定するとはいえ、まだ各遺伝子の関係性は解明されていないと否定的な見方を示した。ましてや遺伝子検査でもない指紋検査だけで図ることは難しい、と。

面白いのが漢方医のコメントもとっているところ。杜雅俊医師は20年以上も漢方医を続け、手を見て全身の健康を調べる研究に取り組んでいる。とはいえ、IQの高さまでは分からないという。生後3カ月の赤ちゃんの指紋から潜在能力が分かるなどというのは、迷信にほかならないと強く批判した。


■疑惑企業の本当の経営者

山西道蒙文化伝播有限公司は梅明氏が代表を名乗っているが、登記上は夫の原冰氏が法人代表だ。そして原冰氏にはもう一つの身分がある。山西省民政局が管轄する民間協会・山西省科教文互助基金会活動部主任という肩書きだ。実は梅明氏も基金会常務副事務局長の肩書きを持つ。また山西道蒙文化伝播有限公司のオフィスは基金会内部に置かれ、一部社員も基金会と兼任しているという。

山西省科教文互助基金会は省政府から「全省民読書支援プロジェクト」を受託していた。貧困地域の学校に図書室を作ることが本来の仕事のはずだが、どうやら「指紋テスト」もまたプロジェクトの一環だとセールストークしていたらしい。

ところが昨年1月、山西新聞出版局が出した通知が疑惑に火が着くきっかけとなった。貧困地区の図書室整備事業を山西省科教文互助基金会に委託すると書かれていただけで、紋テストについては一切書かれていなかったためだ。

かくしてタレコミを受けた新華社記者が現地取材する運びとなったのだろう。取材の結果、山西道蒙文化伝播有限公司だけではなく、太原市の複数の幼稚園もこのビジネスに巻き込まれていることが明らかとなった。会社は幼稚園園長を対象に「指紋検査諮問師」という資格認定ビジネスを行っていた。資格をとった幼稚園園長は晴れて園児保護者に営業をかけられるという寸法だ。


■学校と詐欺

まあ、どう考えても怪しすぎるこの指紋テスト。新華社の報道はたちまち注目を集め、記事掲載の2日後となる2月1日、太原市政府は記者会見を開き、「幼稚園や小学校での指紋テストを禁じる」「基金会と企業が癒着していたか実態を調査する」「今回の件を反省材料にします」「でも保護者のみんなも理性的に考えてね」との内容をアナウンスしている(新華社)。

今回の一件は、基金会(民間協会という位置づけだが、これは「中国的民間団体」というやつで、実際には政府の出先機関のようなもの)の幹部が謎の詐欺ビジネスを始めたという点がミソとなる。

以前、ソフトウェア会社と学校が組んで、「子どもたちをエロから守るフィルタリングソフト販売」というビジネスを展開していたことをご紹介した。この詐欺も政府推進のプロジェクトのように見せかけていたが、「政府ご用達」を名乗るのは、この手の詐欺の基本技術なのかもしれない。
(関連記事:子どもたちをネットのエロから守ろう!学校と業者が結託した詐欺的ビジネス―中国

中国の幼稚園や学校では、「雑費」が長年の問題となっている。正規の授業料以外になんだかんだ名目を付けてお金を徴収する行為である。中央政府は何度も雑費禁止を通達しているが、なかなか現状は変わらない。指紋テストも、「雑費」的な「なんだかんだ名目を付けて保護者から金をむしる行為」の一環のように見える。あるいはこうした無茶に保護者が慣れてしまったせいで、発覚が遅れたのかもしれない。

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 コメント一覧 (1)

    • 1. 古川
    • 2018年01月05日 22:05
    • 1 指紋鑑定が、詐欺だと
      大きく見出しで出してしまっていますが、あなたの記事で、それが詐欺であるということは全く、証明できていません。
      指紋鑑定を受けたことのある私は、これがとても、的をえた鑑定であり、パーソナリティや才能を知る上でやくたち、子育てや夫婦関係においてもとても役に立つものだと認識しています。
      どこの漢方医師かしりませんが、ある一人の漢方医師が、指紋鑑定をデタラメだといったといっていたそうですが、だからといって、それが詐欺であるとは全くの説得力もありません。
      確信をもって証明できないのに、詐欺商法だと、見出しで言いきってしまうのは、社会的に誤解をうみ、それが原因で、せっかくのチャンスを逃してしまう人も出てきます。
      インターネットで情報をひろめるのであれば、もう少しきちんと、論理だてた説明を載せるべきだし、見出しに、嘘をかかないでいただきたい。
      見出しで詐欺商法といいきるのであれば、もっとそう言ってしまえる理由を書くべきです。
      あなたの記事では、見出しだけ立派で、記事内容が近所のおばさんのうわさ話程度ですね。

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