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売血者も横行、中国に広がる輸血血液不足=北京市の大胆すぎる秘策

2012年02月02日

中国全土で「血荒」(輸血血液不足)が深刻化している。「血虫」と呼ばれる売血者の横行が報じられるなか、北京市はとんでもない秘策まで打ち出したという。


Blood sac
Blood sac / Thirteen Of Clubs

■常態化する「血荒」、その理由とは?


以前にも記事「献血が足りなくて手術ができない!中国各地に「血荒」が出現するわけ」で紹介したことがあるが、中国の献血用血液不足は今に始まったことではない。時期や地域によって深刻さは違うとはいえ、献血用血液不足は常態化している。2012年2月2日、財経網が伝えた。

その要因となっているのは医療の向上のようだ。 中国の無償献血量は2006年の2295トン(675万人)から2010年には3935トン(1180万人)と大きく増加している。しかし2010年の手術回数は前年比18.6%もの増加。献血量の伸びをはるかに上回るペースだ。

今や血液がなくて手術ができないというケースも珍しくないという。先日、北京の病院で手術を受けることになった楊さん。最低でも1200ミリリットルの血が必要と宣告された。息子と親戚から400ミリリットルずつもらったが、それでもあと400ミリリットル足りない。結局、「血虫」と呼ばれる売血者から買うことになったという。値段は1500元(約1万8000円)だった。 


■北京市の秘策

手術を受けられる人の数が増えたこと、それ自体は喜ぶべき話だろう。問題はどうやって今以上のペースで献血提供者を増やしていくか、だ。というわけで、北京市衛生局がすごい秘策を打ち出した。2011年1月31日、聯合早報が伝えた。

その秘策とは、献血を大学生の徳育教育に組み込み、内申点のような評価に利用するというもの。公務員になろうなどと考えている人は学生会やらの活動に参加して評価をあげるのだが、これに献血も組み込もうというのだ。なるほど、これは確かに効果が大きそう。

とはいえ、この大胆すぎる秘策はあっという間に批判にさらされた。「学生は好きにむしりとれる便利な道具じゃない」「俺が大学に入学した時も献血を拒否したら処分された」云々というネット民からの批判もあれば、「まずは公務員が率先して模範を示せ」というメディアの批判もあった。

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